仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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美濃国分寺(岐阜)・平安期の薬師如来

正法寺を参拝した後は、大垣市の美濃国分寺へ。

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741年(天平13年)に聖武天皇が発した詔により、各律令国には一か寺ずつ国分寺と国分尼寺が建立されました。
美濃国分寺もそのうちの一つで、薬師如来を本尊とし、かつては広大な境内に七堂伽藍が建ち並ぶ大寺院でしたが、度重なる火災に遭い、堂宇はことごとく焼失してしまったそうです。
ところが元和元年(1615年)、真教上人が土中に巨大な薬師如来を発見。
上人は現在お堂がある場所に尊像を安置し、お寺の再興を果たしたのでした。

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こちらがその土の中から発見されたと伝わるお薬師様。
像高304.8cmで平安期の作。
驚くべきは、これだけの大きさにも関わらず欅の一木から造られているということです。

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涼しげな眼差し、しっかりと結ばれた分厚い唇など、男性的な力強さを感じさせます。
この薬師様は土の中に埋まっていた時に、背中のくぼみが地面に出ており、そこに水を溜めて馬の足を洗っていたという言い伝えがあることから、別名「馬だらい薬師」とも呼ばれているそうです。

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薬師様が安置されているお堂は少し階段を上ったところにあり、後ろを振り向くと周辺の景色が一望できました。
瓦屋根のお堂の向こうには、奈良時代の国分寺の遺構も見えます。

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美濃国分寺跡は現在、国の史跡に指定されており、公園として整備されています。
東西約230m、南北約205mもあり、そこに金堂や塔が建ち並んでいたそうです。

2017.3.8
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正法寺(岐阜)・日本最大の乾漆仏

一宮市の禅林寺を参拝した後は、岐阜市の正法寺へ。

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正法寺は1638年(天和3年)に広音和尚によって創建された古刹で、1692年(元禄5年)に黄檗宗へと改宗されました。
こちらのお寺で特に有名なのが、岐阜大仏と呼ばれるお釈迦様。
かねてよりずっと参拝したいと思い続けていたので、期待で胸が高まります。

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どーーーん!!!
ある程度まで予備知識はあったものの、実際に尊像を目の当たりしてその迫力にビックリ。
像高はなんと13.7m、耳の長さだけでも2.1mあります。
38年もの歳月を費やして天保3年(1832年)に完成しました。
乾漆仏としては日本最大なのだそうです。

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そして面白いのは、この仏様が紙を貼り付けて造られているということ。
骨格を木材で組み、竹材と粘土を使って仏像を形成、そこに写経した美濃和紙を貼りつけて、漆と金で仕上げているのだそうです。
そのため、別名「籠大仏(かごだいぶつ)」と呼ばれて親しまれているのだとか。

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まずはその大きさに圧倒されますが、じっくりお姿を拝していると、その目鼻立ちのくっきりした優しいお顔に癒されます。

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お釈迦様の周囲には個性的な羅漢像がずらりと安置されており、堂内はとても賑やかでした。

2017.3.8
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禅林寺(愛知)・藤原期の薬師如来

先日、久しぶりに東海地方のお寺巡りをしてきました。

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まず最初に参拝したのは、一宮市にある禅林寺です。
天禄元年(970年)に創建された古刹で、藤原実頼の追悼のために薬師如来を勧進し、小野院極楽寺と号したのが始まりと伝えられています。
その後、大永5年(1525年)に曹洞宗へと改宗、天保5年(1648年)に寺名を仙境山禅林寺と改めました。

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そしてこちらがお寺に伝わる薬師如来様。
像高129cm、檜の寄木造。
平安後期の作と推定されています。
膝裏上にある銘文に、明応6年(1497年)に修理されたという記述があるため、少なくともそれ以前の作であることは間違いありません。

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藤原仏らしい柔和なお顔立ち、流麗な衣文など、非常に洗練された像容であることから、中央仏師の作である可能性が高いと思われます。

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薬師如来様の脇には日光・月光菩薩、さらにその両側には十二神将が安置されていました。
こちらはおそらくご本尊より後の時代の作ですが、ずらりと堂内に並び立つ様子はとても煌びやかでした。

2017.3.8

永寿寺(佐賀)・藤原期の不動明王

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九州旅行の最後に、嬉野市にある永寿寺を参拝しました。

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永寿寺は慶弔9年(1614年)に創建された曹洞宗のお寺で、平安時代の不動明王坐像が伝えられています。

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収蔵庫に安置されていたのは、真っ赤な火焔光背を背負った不動明王と二童子です。
三尊ともに藤原期の作。
お寺の創建よりも造像が古いのは、廃寺となった別のお寺から移されたためと考えられています。

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中尊の像高は87cm。
むっちりとした体躯で、ジロリと前方を睨み、非常に貫禄があります。

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こちらは制多迦童子。
真っ白な歯をのぞかせ、やんちゃな雰囲気です。

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そしてこちらが矜羯羅童子。
あどけない表情で、従順な性格が伝わってきます。
童子たちの像高はいずれも100cm前後。
それぞれに個性がよく表現されており、仏師の力量を感じます。

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参拝を終えた後は、長閑な田園地帯を眺めながら、ゆっくりと散策しました。

2017.2.4

蓮厳院(佐賀)・三体の如来像

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鹿島市にある蓮厳院は、奈良時代の創建と伝わる真言宗の古刹です。
こちらのお寺に三体の如来像が安置されているため、事前にお願いをして拝観させていただきました。

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中央と、向かって左側の尊像が阿弥陀如来坐像で、一番右は薬師如来坐像。
同じ尊名の像が二体あること、いずれも非常に立派な像容であることから、おそらくかつては、それぞれ別のお堂の本尊だったと思われます。
仏様たちは桧の寄木造で、平安後期の作。体部には内刳りが施されています。

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中央の阿弥陀様は、像高140.3cm。
上品下生の来迎印を結び、力強い、キリリとした眼差しです。

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そしてこちらはもう一体の阿弥陀様。
像高85.1 ㎝で、上品上生の定印を結んでおられます。
中尊と比べると、ややほっそりとしていて、柔和な雰囲気を漂わせていました。

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向かって右隣りの薬師様は、像高84.8 ㎝。
興味深いのは、中央の阿弥陀如来像と同じく、お腹のところで腹帯のような紐が結ばれており、衣のかかり方もよく似ている点です。
同じ流れを組む仏師の作なのか、もしくは、どちらかの像を参考にして造られたのかもしれません。

2017.2.4

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