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仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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熊野古道・中辺路を歩く~第一日目(後編)~

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雪が激しくなる前に、少しでも前へ!
気持ちは焦るものの、ますます坂が急こう配になり、思うように進めません。

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清流を越え更に歩いて行くと…

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道の川集落跡へ辿り着きました。

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看板の説明によると、かつてはここに集落があり、住民の多くは林業に従事していたそうです。
ところが昭和30年代後半からの林業不況により過疎化が進み、残っていた人々は熊野本宮大社の近くに転居することになりました。
そして今も元住民の方たちは祭日にここを訪れ、大切に杉林を手入れしているのだとか。
なるほど、美しい杉の木が整然と生えているのも納得です。

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道の川集落跡を過ぎたあたりから、道は雪で覆われるようになりました。

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湯川王子へ到着。

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すると道案内の看板が立っていました。
どうやら数年前の台風の土砂崩れで、本来の熊野古道は通行止めになっているようです。
残念ですが、迂回路を進むしかありません。

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橋から垂れる水が完全に凍って、つららのようになっています。
ダウンジャケットを着ていても強烈な寒さを感じました。

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このあたりから道は完全に雪で真っ白になり、つるつると足元が滑るようになりました。
慎重に歩こうとすると、通常よりずっと時間がかかってしまうため、焦りばかりがつのります。

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舞い散る雪で白くかすむ熊野の山々。
熊野古道を歩くのは4回目になりますが、初めて見る光景です。
先を急いでいても、目の前に広がる幻想的な美しさに、つい立ち止まって見惚れてしまいそうになります。

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このあたりは一番雪が積もっていた箇所で、前に降った雪が凍って氷のように固くなっており、滑って何度か転倒してしまいました。
準備不足でアイゼンを持ってきていなかったため、これ以上山道を歩いて進むことは諦めざるを得ません。
国道まで出て、その日の宿へと向かいました。

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熊野古道添いにある古民家の民宿は、シーズンオフということもあって、宿泊しているのは私一人でした。
炬燵へ入ってほっとひと休み。
翌日は再び中辺路を歩き、紀伊田辺駅へと向かいます。

2018.1.26
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熊野古道・中辺路を歩く~第一日目(前編)~

熊野古道・中辺路を一泊二日で歩いてきました。
熊野古道を歩くのは通算4回目になります。
今回歩いたのは、熊野古道で最も有名なルートのひとつ、滝尻王子~熊野本宮大社間です。

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本来であれば、紀伊田辺駅からバスで滝尻王子へ向かい、そこから熊野本宮大社まで歩く予定でしたが、雪のため紀伊田辺行の高速バスが運休となってしまいました。
そこで急きょ予定を変更。
新宮駅まで高速バスで行き、当初の予定とは逆ルート、熊野本宮大社から滝尻王子まで歩くことにしました。

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久しぶりに新宮駅へ着いたら、駅前に綺麗なコンビニができていてビックリ!
それまでは一番近いコンビニまで7~8分歩かなくてはならなかったため、格段に便利になりました。

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新宮駅からバスに揺られること約1時間。
ついに熊野本宮大社の鳥居が見えてきました。

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ゴールまで無事に辿り着けますように。
本宮で熊野権現様にお祈りしました。

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境内の左脇から出ると、そこから熊野古道中辺路が始まります。
まず最初に祓殿王子跡が見えてきました。

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アスファルトで舗装された道の脇に伏拝王子への道標があり、その奥に階段が続いています。

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少し歩いたところで、杉林に囲まれた山道になりました。
ここから本格的に古道歩きが始まります。

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中辺路は基本的に熊野の山中を通っていますが、一部は現在も生活路として使われています。
世界遺産と共に生活するだなんて、とても素敵ですよね。

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古道沿いに可愛らしいお地蔵様がいらっしゃいました。
大切に藁で覆ってあります。
さぞお地蔵様もぽかぽかと暖かいことでしょう。

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しばらくはなだらかな上り坂が続きました。

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水呑王子跡

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発心門王子跡

主要な王子跡には休憩所や公衆トイレが設置されており、巡礼者が安心して歩けるようになっています。

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船玉神社へ着いたところで、空から雪が舞い降りているのに気づきました。
天気予報では南紀は晴れの予報でしたが、山の中なので天気が変わりやすいのかもしれません。
少し不安になったものの、ここで引き返すわけにはいかないので、先を急ぐことに。
気温も急激に下がってきました。

(つづく)

鷹取山石仏(神奈川)・採石場の磨崖仏

先日、運動がてら横須賀市の鷹取山に登ってきました。
山の中腹にある神武寺は過去にも参拝したことがありますが、山頂まで歩くのは今回が初めてです。

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京急神武寺駅から登山口へ向かう途中、ユニークな案山子に出逢いました。
この女性、たぶん2017年に大ブームを巻きおこした、あの芸人さんですね…?
実はこの場所、定期的に違う案山子に変わっているので、毎回通るたびにワクワクしています。
(⇒ちなみに2014年時の案山子はこちら)

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登山口に入ると雰囲気は一変、枯葉に覆われた登山道が現れました。
距離は短いものの傾斜がきつく、登っていると息が切れてきます。

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20分ほど歩いたところで、神武寺の本堂が見えてきました。
本尊の薬師如来像は、毎年12月13日の一日だけ開帳されます。

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ここまでは過去にも歩いたことのあるルートなのですが、今回はさらに奥へ。
本堂の脇から続く山道を登っていくと…

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少し開けた場所に出ました。
視界に入る電線が若干気になるものの、周辺の景色が一望できます。
登ったのが1月の寒い時期ということもあり、登山者にほとんど出会うことはなく、しばし絶景を独り占めしました。

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さらに進んでいくと採石場の跡に出ました。
鷹取山はかつて凝灰岩の産地でしたが、現在はロッククライミングの良い練習場所となっているようです。

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登り初めて1時間強、ようやく山頂へ。
住宅地が建ち並ぶ向こうに海が見えました。

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その山頂から少し下ったところにあるのが、岸壁に彫られた巨大な鷹取山石仏です。
想像以上の迫力にビックリ!
看板の説明によると弥勒菩薩像で、なんと像高8m、像幅は4.5mもあります。

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どこか外国の仏像を思わせるような、エキゾチックなお顔立ちですよね。
横須賀市在住の彫刻家、藤島茂氏が昭和35年から約1年かけて製作したそうです。

2018.1.21

「仏像の姿(かたち)」 ~微笑(ほほえ)む・飾る・踊る~展に行ってきました

「仏像の姿(かたち)」 ~微笑(ほほえ)む・飾る・踊る~展を三井記念美術館で見てきました。

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実は始まった当初はさほど気にしていなかった特別展だったのですが、以前から拝観したいと思っていた三重県・瀬古区の十一面観音立像が展示されていることをネットで偶然知り、会期終了間際に行ってきました。
ポスター写真は、鎌倉期の不動明王立像(個人蔵)。
見得を切ったような独特のポーズが印象的です。

十一面観音 
瀬古区(三重県)・十一面観音立像 (⇒三重県HPより)

展示スペースに入ってわりとすぐにところに、お目当ての観音様はいらっしゃいました。
像高47.6㎝、榧材の一木造。
九世紀頃の作と推定されています。
想像していたよりは小さいな、と思いながら近づいて行ったところ、間近で拝してその独特な存在感に釘づけになりました。
いわゆる檀像風の木彫仏でありながら、四角く張った顔、むっちりとした体躯など、素朴で大らかな魅力に溢れており、造像した仏師の個性を強く感じます。

不動明王
地蔵院(埼玉)・不動明王立像 (⇒川口市HPより)

個人的に印象深かったのは、地蔵院(埼玉県)の不動明王立像です。
像高53㎝、寄木造。
鎌倉期の作で、慶派仏師によって造られたと考えられています。
なによりまず目を引くのは、その髪型です。
横側からダイナミックに髪の毛が流れ、まるで強風を受けているかのようです。
記憶にある限りでは、このような髪型の仏像を拝観するのは初めてではないかと思います。
過去に何度か埼玉県のお寺巡りをしたことがありますが、この尊像の存在は全く知らなったので、新鮮な驚きでした。

毘沙門天
東京芸大美術館(東京)・毘沙門天立像 (⇒文化遺産オンラインHPより)

こちらは肥後定慶作の毘沙門天立像。
東京芸大美術館蔵で、過去にも特別展などで拝観したことがあります。
造像は貞応3年(1224)、檜の割矧造。
勇ましくも整った顔立ち、繊細な衣の表現などが非常に洗練されています。

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荘厳寺(滋賀)・釈迦如来立像  (パンフレットより)

写真の釈迦如来立像(荘厳寺)は、いわゆる清凉寺式の釈迦如来像ですが、溌剌とした面相などに、鎌倉仏らしい力強さが感じられます。

特別展では関西地方の木彫仏を中心に、個人蔵の仏像も展示されていました。
その多くが平安や鎌倉期に造られた古仏です。
当たり前のことながら、まだまだ自分の知らない素晴らしい仏像が全国には沢山あるのだということを、改めて強く実感しました。

2018.11.24
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高福寺(埼玉)・鎌倉期の阿弥陀如来

高麗神社と聖天院を参拝した後は、茂呂山町にある高福寺へ。

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高福寺は1605年に創建された曹洞宗の古刹で、徳川家光から寺領を下賜され、その後も江戸幕府の庇護を受けて栄えました。

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こちらのお寺には鎌倉期の阿弥陀如来坐像が伝えられています。
檜の寄木造で、像高はおそらく1m前後でしょうか。
目には玉眼がはめ込まれており、溌剌とした面相、力強い体躯などに、鎌倉仏らしい特色がよく出ています。
造像がお寺の創建より古いのは、廃寺となった別のお寺から移された為なのだそうです。

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そしてこちらがご本尊の聖観音坐像。
像高はおそらく30~40cmほどで、南北朝時代の作です。
煌びやかな宝冠を被っておられ、ゆったりした衣が蓮台へと垂れています。

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そして高福寺から車で数分のところにある、毛呂山町歴史民俗資料館にも行ってきました。
こちらの資料館では、毎年春と秋に、桂木寺の如来坐像が特別公開されています。

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(⇒毛呂山町HPより)

像高は70~80cmほどで、カヤの一木造。
10世紀頃の作と推定されており、埼玉県屈指の古仏として知られています。
頭には大粒の螺髪が並んでいますが、後ろ半分はほとんど失われていました。
むっちりとした体躯はバランスがよく、精悍な印象を受けます。

こちらの資料館、なんと入館無料です。
仏像の特別公開以外にも展示が充実していますので、よろしければ是非足を運んでみてください。

2017.11.11
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