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仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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小松寺(千葉)・薬師如来御開帳

一年近く前のことになりますが、南房総市の小松寺を参拝してきました。
過去に何度か行ったことのあるお寺ですが、御本尊の御開帳があると聞き、久しぶりに南房総まで出かけることにしたのです。

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小松寺は役小角が創建したと伝わる南房総屈指の古刹で、かつては修験道の聖地として篤い信仰を集めました。
その後、焼失などで荒廃したものの、江戸期に入ってからは徳川家の寄進を受け、真言宗の寺院として栄えたそうです。

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仁王門にいらっしゃったのは、大きな目をした仁王様たちでした。
おそらく近世の作ですが、生き生きとして個性的ですよね。

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御本尊は平安初期の作と推定されるお薬師様。
数年前に千葉市美術館で開催された「仏像半島」展で初めて拝観し、その独特な像容に衝撃を受けた為、ぜひお寺で再拝したいと思っていました。

小松寺
(⇒小松寺ご開帳HPより)

堂内に入ると中央の厨子に薬師如来立像が安置され、その周囲に十二神将、役行者像などがずらりと並んでいました。

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(⇒小松寺HPより)

本尊の薬師如来立像は、像高147.3cmで、平安初期の作。
房総で最古級の木彫仏と推定されています。

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(⇒小松寺HPより)

この薬師様の特徴は、何といっても、そのお体の奥行が極端に薄いことです。
千葉市美術館で開催された特別展では、横からのお姿を拝観できたので、その独特なフォルムに驚きました。
もしかしたら特別な霊木を使って彫られたのかもしれません。
造像年代の古さ、稀有な存在感など、まさしく千葉県を代表する仏像です。

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(⇒小松寺HPより)

そして小松寺でもうひとつ有名なのが、こちらの十一面観音菩薩坐像です。
珍しい銅製の観音坐像で、鎌倉初期の作。
国の重要文化財に指定されていますが、現在お寺に安置されているのはレプリカで、本物は東京国立博物館に寄託されています。
本館の常設展に時折出展されているため、過去に何度か拝観したことがあります。
整ったお顔、すっきりした体躯など、銅製とは到底思えないほど繊細な造りで、造像した仏師の並々ならぬ技量を感じました。

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境内を歩いていると、赤い鳥居を見つけました。
神仏習合の名残りでしょうか。
せっかくなのでこちらも併せて参拝することに。

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想像していた以上の山道で、紐につかまりながら少しずつ登っていきます。

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数分歩いたところに、小さな祠が建っていました。

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門を出たところには池があり、小さな島に橋がかけられていました。
現在は休憩所となっていますが、かつてはここに弁天堂があったのかもしれません。

2018.3.4
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大島町郷土資料館(東京)・離島の平安仏

三原山から下山した後は、バスで岡田港へと戻りました。
そこから再びバスに乗り、大島町郷土資料館へと向かいます。

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バス停から歩いていると、道端にたくさんの赤い花びらが落ちていました。

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大島の名物である、大島椿です。
椿には沢山の種類があるため、秋から春にかけ、比較的長い期間にわたって花を楽しむことができるそうです。

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10分ほど歩いたところで、大島町郷土資料館が見えてきました。

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お目当てはこちらの仏様たちです。
いずれも平安時代の作と推定される古仏で、東京都の文化財指定を受けています。
私がこの仏像の存在を初めて知ったのは、今から十数年前のこと。
伊豆大島に平安仏が伝えられていると知人から聞き、それ以来、ずっと拝観したいと思っていたのでした。

IMGP1001.jpg 地蔵菩薩立像

IMGP0996.jpg 観音菩薩立像

仏像群はいずれも檜の一木造で、平安後期の作。
藤原仏らしい、穏やかな表情をなさっています。
かつては島内にある吉谷神社の薬師堂に安置されていましたが、島内で造られたのか、船で運ばれてきたのか、詳しいことはわかっていないそうです。

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資料館から再び大島港へ。

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港の近くで、可愛らしい島の住民にも会いました。

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帰りの船の都合上、滞在4時間半という短い時間でしたが、三原神社登拝と、念願だった平安仏を拝観できて感無量。
とても思い出深い旅となりました。
必ずや今度は時間をたっぷりとって再訪します!

2018.2.11
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三原神社(東京)・伊豆大島の総鎮守

先日、ジェット船の格安乗車券を入手できたので、伊豆大島へ日帰りで行ってきました。

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始発の電車に乗り、東海道線で熱海駅へ。
そこから伊豆急行に乗って、伊東駅まで行きました。

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伊東駅から港までは歩いて15分ほど。

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8時半発のジェット船が、出発時刻の10分前に入港してきました。
ジェット船に乗るのは初めてだったのですが、とにかく早い!
海の上を滑るように颯爽と進んでいきます。
心配していた船酔いをする間もなく、伊東から30分強で大島へ到着しました。

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岡田港からはバスに乗って三原山の登山口まで向かいます。
大島には主要な港が二つあり、そのどちらに船が着くかは日によって異なるため、バスの時刻表もそれによって変わるそうです。

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約30分間バスに乗ったところで、登山口へ到着。
目の前に雄大な三原山がそびえていました。

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登山道はアスファルトで舗装された、非常に歩きやすい道でした。

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ところが上の方に行くと、先日降った雪が解けずに道路に残っていました。
カチコチに凍って滑りやすいため、雪が少なそうな場所を選びながら、ゆっくり登っていきます。

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登山口から40分くらい歩いたところでしょうか。
巨大な溶岩の間に鳥居が建っていました。

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鳥居の正面に回り込むと、その先には美しい海が広がっており、うっすらと伊豆半島が浮かんで見えます。

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三原神社の創建について詳しいことはわかっていませんが、古くから大島の人々は三原山を島の総鎮守、三原大明神として信仰してきたそうです。
時として噴火をして麓を焼き尽くす三原山は、美しくも畏れ多い存在であったに違いありません。

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この日は時間がなかったため、お鉢巡りと呼ばれる火口周辺のトレッキングは出来ませんでしたが、噴火口の付近まで行ってみました。
岩の間から湯気が噴き出しており、今なお活発な火山活動があることがよくわかります。

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下山途中、素朴で力強い馬たちに出会いました。
かつて与那国に住んでいた牧場主さんが、与那国馬を連れてきて大島で飼育しているそうです。

2018.2.11

鬪雞神社(和歌山)・弁慶ゆかりの地

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一泊二日で中辺路を歩き、なんとか滝尻王子まで辿り着いて一安心。
そこから先は路線バスで紀伊田辺駅へ向かい、夜行バスに乗り換えて地元まで帰ることにしました。
田辺は古くから交通の要衝として栄えた町で、熊野古道の中辺路、大辺路の分岐点にもなっています。

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おや?
駅前に巨大な銅像がありました。
僧衣に長刀を持つ姿、もしかしてこの御方は武蔵坊弁慶…?
実は、武蔵坊弁慶は田辺の生まれと伝えられており、付近には弁慶にまつわる数々の史跡や伝承が残されているそうです。

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駅前の商店街を抜け、歩いて5~6分のところにある鬪雞神社へと向かいました。

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鬪雞神社は通称「権現さん」と親しまれている古社で、社伝によるとその創建は、允恭天皇の御世に熊野権現を勧請したことに始まります。
熊野三山の別宮的存在とされており、ここから三山を遥拝することで、実際に熊野で参拝するのと同じご利益があると考えられているそうです。
このような熊野三山との深いつながりが評価され、2016年10月に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録されました。

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気になる鬪雞神社という不思議な名前は、壇ノ浦合戦にまつわる伝承に由来しています。
武蔵坊弁慶の父であったとされる熊野別当・湛増(※諸説あり)は、源平どちらに味方をするべきか神意を確認するため、神社本殿の前で赤白の鶏を闘わせました。
すると源氏をあらわす白の鶏が勝ったことから、熊野水軍を率いて壇ノ浦の闘いに出陣し、見事に勝利を収めたのでした。
残念ながら時間が遅く、実際に拝観することは叶いませんでしたが、神社には源氏ゆかりの品々が数多く伝えられています。

2018.1.27

大山寺(千葉)・不動明王御開帳

あけましておめでとうございます。
昨年は体調を崩し、例年と比べると出歩く回数がかなり減ってしまいました。
今年は少しでも挽回できるよう頑張っていきますので、よろしくお付き合いくださいね。

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今年の初詣は、鴨川市の大山寺に行ってきました。
こちらのお寺は過去にも参拝したことがありますが、秘仏の御本尊がお正月に開帳されることをネット情報で偶然知ったのです。
房総半島を横断するように君津方面から県道を進み、大山と呼ばれる小高い丘を上っていくと、その中腹に大山寺の仁王門が見えてきます。
大山寺は奈良時代の創建と伝わる古刹で、かつては修験道のお寺として栄えましたが、明治期の神仏分離令の際に真言宗へと改宗されました。

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立派な朱色の仁王門にいらっしゃるのは、やはり朱色に塗られた仁王様たちです。
像高はおそらく2mを超えているのではないでしょうか。

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門をくぐった先には長い石段が続いており、息を切らせながら上っていくと、次第に読経の声が聞こえてきました。

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こちらは不動堂。
享和2年(1802年)に建てられ、建物を飾る精巧な龍の彫刻は、江戸時代の名工・波の伊八が彫ったと伝えられています。
お堂に入ると、ちょうど法要が行われており、中央にある厨子の扉が開かれているのが見えました。

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ガラス越しに外陣から拝観することになるため、はっきりとしたお姿はわかりませんでしたが、お前立像が立像であるのに対し、どうやらご本尊は坐像であることは確認できました。
お堂の前にある看板によると、ケヤキの一木造で、像高87cm。
鎌倉中期の作と推定されています。
像には彩色が施されておらず、もともと素地仕上げであった可能性が高いと考えられているそうです。

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高台にある境内からは周辺の景色が一望できました。
はるか向こうに太平洋が見えます。

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せっかくなので近くにある大山千枚田にも行ってきました。
大山の麓にある千枚田で、丘陵地に375枚もの棚田が並び、日本の棚田百選にも選ばれています。
雨水のみで耕作を行っている棚田は、日本でもこの大山千枚田だけなのだとか。

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さすがに真冬なので、稲はすべて刈り取られていましたが、緩やかな曲線を描いて並ぶ棚田の美しさに感動しました。
ぜひ次回は黄金色の稲穂が輝く季節に再訪したいものです。

2019.1.1

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Author:ちー
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