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仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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芝大神宮(東京)・東海道を歩く【日本橋~品川】①

数年かけて東海道を旅しましたが、実は神奈川県内からスタートしたため、日本橋から川崎宿まで全く歩いていないのがずっと気になっていました。
どうせならできる限り全部歩きたい。
意を決し、遅ればせながら日本橋から東海道を歩いてみることにしました。

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旅のスタートは日本橋の道路元標から。ここから日本橋を渡り、大通りを進みます。

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日本橋高島屋。右手に曲がると東京駅です。

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京橋大根河岸青物市場跡の碑。江戸期から昭和初期までの約270年間、このあたりには「大根河岸」と呼ばれる青物市場がありました。大都会の中に歴史の痕跡が感じられる、貴重なスポットです。

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地図を頼りに進むと、左手に松屋が見えてきました。その奥には銀座三越。これまでなんとなく歩いていた銀座の中央通りが、実は東海道だったことをこの時初めて知り、非常に驚きました。銀座は東海道沿いに発展した街だったのです。

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銀座、そして新橋、馴染みのある街を歩いていくと…

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右手に芝大神宮の鳥居が建っていました。度重なる焼失により、現在の建物は戦後に再建されましたが、なんと創建は平安時代にさかのぼると伝えられています。東海道沿いに位置しているため、旅の安全を祈願する旅人たちから崇敬を集め、江戸期には多くの参拝者で賑わったそうです。
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明王院(神奈川)・不動明王御開帳

鎌倉にある明王院の御開帳へ行ってきました。

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お寺の近くまではバスも通っていますが、運動もかねて、鎌倉駅から歩くことに。

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坂東三十三観音霊場第一番札所の杉本寺、竹林で有名な報国寺を過ぎ、さらに進んでいくと…

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明王院の山門が見えてきました。寛喜3年(1231年)に鎌倉幕府4代将軍の九条頼経が創建した真言宗の古刹です。
ご本尊の不動明王像は、鎌倉時代の仏師・肥後別当定慶の作とされる秘仏で、毎月28日、不動明王の縁日にだけ開帳されます。
肥後別当定慶は私が最も好きな仏師のひとりで、現存する彼の仏像はすべて拝観したと思っていたのですが、最近になって明王院のご本尊が定慶作と推定されていることを知り、ちょうど御開帳が土曜日にあたる日に参拝してきました。

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(⇒タウンニュース鎌倉版HPより)

堂内に入ると、正面の中央に不動明王が鎮座し、周囲を他の四体の明王が囲んでいました。薄暗がりの中から光る不動明王の眼光の鋭さはすさまじく、あたかも拝観する者の目を射抜くようです。お堂では尊像の下部はわかりませんでしたが、写真を確認すると、衣文の独特な表現に定慶らしさを感じます。

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鎌倉駅へ向かう途中、可愛らしいお店を発見。Bergfeld雪ノ下本店で、ドイツのパンやお菓子を扱っています。

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せっかくなのでお土産にいくつかお菓子を買ってみました。日本有数の観光地でもある鎌倉は、良いお店に偶然行き当たることが多く、散策していて楽しくなります。

極楽寺(神奈川)・宝物館特別公開

鎌倉にある極楽寺の宝物館特別公開に行ってきました。

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お寺のすぐ近くまで江ノ電を使って行くこともできますが、今回は散策がてら鎌倉駅から歩いていくことに。

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路傍にいらっしゃったお地蔵様たち。

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鎌倉駅から歩くこと約30分、江ノ電の線路の向こうに極楽寺の山門が見えてきました。

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極楽寺は1259年(正元1)に建立された真言律宗の古刹です。全盛期には十三重塔などを有する大寺院でしたが、戦火や火災によってそのほとんどが焼失、現在は本堂と山門を残すのみとなりました。

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宝物館にはその苦難を乗り越えた寺宝が安置されており、春と秋、特別公開されます。
長谷から近いためか、境内にはひっきりになしに参拝者が出入りしていましたが、なぜか宝物館には誰もおらず、しばらく館内を独り占めできました。
宝物館内には、重要文化財に指定されている釈迦如来坐像、十二神将立像、不動明王坐像がずらりと並び、中央の厨子は閉じられていました。ご本尊は年に一度、4月の御開帳の時だけ拝観できます。

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(⇒金沢文庫HPより)

個人的に一番興味深かったのは、向かって右側に安置されている釈迦如来坐像です。像高90.5cm、鎌倉期の作。珍しい転法輪印の釈迦如来像で、複雑に垂れる衣文と相まって、唯一無二の存在感を放っていました。
左側に安置されている不動明王は、お寺の創建よりも古い平安後期の作と推定されているため、他のお寺から請来されたのでしょう。
これだけの古仏が多数伝えられているお寺は、鎌倉全体でも他に思い当たりません。

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お寺の近くにある地蔵堂。

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想像していた以上に立派なお地蔵様がいらっしゃいました。詳しい造像年代はわかりませんが、おそらく江戸期くらいでしょうか。何気なく建っているお堂にもこうした素晴らしい仏像が安置されており、鎌倉の歴史や文化の深さを改めて感じます。

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帰路、以前から気になっていた力持家へ行ってみました。極楽寺から歩いて10分弱のところにあります。

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その名の通り、弾力のあるお餅に甘さひかえめの餡子がのっており、非常に美味でした。

向福寺(神奈川)・室町期の阿弥陀三尊

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光明寺から鎌倉駅へ向かって歩いていくと、向福寺の赤い屋根が見えてきました。

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向福寺は1282年(弘安5年)に一向俊聖によって開山された古刹です。一向俊聖上人は、鎌倉時代に一向宗という宗派を興し、各地を遊行回国して踊り念仏を広めていました。ところが江戸時代になると、一向宗は幕府により時宗へと統合されたそうです。

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ご本尊は室町期の阿弥陀様。わずかに開けられた扉越しに尊像を拝観することができますが、残念ながら詳しい像容はほとんどわかりませんでした。

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⇒住友財団HPより

写真で確認したところ、上品下生の印を結ぶ阿弥陀如来立像で、衣の複雑な表現などから宋風の影響が強いことが見てとれます。

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本堂の手前に、可愛らしい二体のお地蔵様たちがいらっしゃいました。岩座に座ったお地蔵様の石仏は珍しいのではないでしょうか。

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鎌倉駅へ向かう途中、鎌倉市農協連即売所へ寄ってみることに。市場内にお洒落なお菓子屋さんやパン屋さんが入っていて驚きました。

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市場内にある焼菓子屋さんで買ったキャロットケーキ。スパイスが効いた、本格的なキャロットケーキでした。

光明寺(神奈川)・鎌倉期の阿弥陀三尊

補陀落寺を参拝した後は、歩いて数分のところにある光明寺へ。1243年に北条氏によって創建され、浄土宗関東十八檀林の第一位の寺として栄えた古刹です。

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鎌倉屈指の大きさを誇る、壮麗な山門が見えてきました。弘化4年(1847年)の建立で、鶴岡八幡宮から移築されたと伝えられています。

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元禄11年(1698年)建立の本堂。国の重要文化財の指定を受けています。

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本堂は一般に公開されており、参拝者は自由に拝観することができます。鎌倉全体でもこれほど開放的なお寺は、他にほとんどありません。浄土宗のお寺らしい、おおらかさが感じられます。

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中尊の阿弥陀様は像高86.2cm、鎌倉前期の作。洗練された像容の、堂々たる仏様です。脇侍の観音・勢至菩薩像は衣文の表現などに宋風の影響が強くあることから、鎌倉後期の作と推定されています。

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本堂の左端には如意輪観音様が安置されていました。鎌倉後期の作と推定されており、鎌倉三十三観音のひとつに数えれています。禅宗のお寺が多い鎌倉では、如意輪観音像はあまり見かけません。

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材木座はサーフィンのスポットとしても人気があるため、周辺にはお洒落なカフェやお店が点在しています。せっかくなのでそのうちの何軒かをめぐってみました。
一軒目はÀ côté zaimokuza。店内飲食の他に焼菓子をテイクアウトすることもできます。

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そして二軒目はAaH bit。丁寧に作られた、グルテンフリーの焼菓子が豊富です。他にも気になるお菓子が沢山あったので、また必ず再訪したいと思います。

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