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仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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ちー

Author:ちー
読書と音楽、そして仏像をこよなく愛しています。

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達谷窟毘沙門堂(岩手)・大迫力の不動明王 2010-08-18-Wed

藤里毘沙門堂を出て、大急ぎで一関へ。
時間的にかなり厳しいと思っていたものの、なんとか間に合いそうだったので、気になっていた達谷窟毘沙門堂へと向かいました。



達谷窟毘沙門堂は、中尊寺金色堂からも程近い平泉町に位置しています。
そしてこのお寺を特に有名にしているのが、岸壁に貼り付くようにして建てられているお堂です。



まるで岩がお堂を飲みこもうとしているかのようです。
堂内に入ると、奥にはむき出しの岩壁が広がっており、その前に数十体もの毘沙門天がずらりと安置されていました。



境内を歩いていると、岸壁のかなり上の方に不動明王が彫られていました。



でも一体どうやって彫ったのかしら?



さらに奥へと進むと不動堂が建っていたため、中を覗き込んでみると…。



わわわっ!!!
ど迫力の不動明王がいらっしゃいました。おそらく丈六サイズと思われますが、私のデジカメではその迫力を到底お伝えできなくて残念です。
ツギハギだらけの体躯、長い年月を経て独特の色合いに変化した朱色、ダイナミック過ぎるほどの火焔光背。
後補が激しいものの、平安時代の作と推定されており、県の文化財指定を受けています。
素朴で力強く、個性的。
みちのくの仏像の真骨頂を目の当たりにしたような思いでした。

2010.7.10

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藤里毘沙門堂(岩手)・二体の毘沙門天 2010-08-13-Fri



北上市立博物館を出発し、奥州市へ。



長閑な田園地帯を通り抜け、小高い山の中へ入っていくと、石の鳥居が見えてきました。
ところが雑草が生い茂っていて、道は全く見えません。
ここを登るしかないのだろうか。
若干不安になりながらも、意を決して登ることにしました。
雨が降っていたため、地面はひどくぬかるんでおり、雑草が容赦なく足に突き刺さります(※後でわかりましたが、ちゃんと車も通れる立派な道が別にありました)



やっとの思いで階段を登り切ると、白い鳥居の奥にお堂が建っていました。
現在、愛宕神社の中にある藤里毘沙門堂は、かつては智福寺というお寺の毘沙門堂だったそうです。その智福寺が後に智福神社という神社に変わり、近年になって愛宕神社が管理することになりました。



お堂の近くには、樹齢数百年はあろうかというご神木が生えていました。
お堂は閉ざされており、人の気配は全く感じません。
ふと上を見ると収蔵庫が建っていたので、そこまで登って辺りを見渡していると、近くの建物から人が出てくるのが見えました。



「こんにちは」と声をおかけすると、その方も「こんにちは」とこたえてくださいます。
見ると手には鍵が握られており、電話で予約を受けてくださった方なのだとわかりました。
収蔵庫の頑丈な扉がゆっくりと開けられると…。



中には見事な鉈彫りの毘沙門天様がいらっしゃいました。
地天女の上に立つ、兜跋毘沙門天です。
地天女ともにトチの木の一木造で、平安中期の作。像高は182cm、地天女と合わせると232cmにもなります。
整然と並ぶ横縞の鉈彫りの目がとても美しく、眼や口を顔の中央にキュッと寄せたような表情は、何だか可愛らしくも見えました。



そして収蔵庫にはもう一体の毘沙門天が安置されていました。
こちらは鉈彫りではなく、足元には邪鬼が踏みつけられています。
像高173cmで、平安末期から鎌倉時代の作。
凛々しいお顔立ちをなさっていて、ぐいとひねる腰に動きが感じられます。



対照的な二体の毘沙門天の他にも、収蔵庫内には素朴で可愛らしい仏さまが沢山いらっしゃいました。いずれも平安期から鎌倉期にかけて造像された古仏です。
お堂を開けてくださった方には色々と親切にしていただき、心がふわりと温かくなるのを感じました。きっと収蔵庫の仏様たちは、何百年もの間、このような方に守られてきたのでしょう。



参拝を終え、今度は舗装された道路を通って歩いていると、周辺には緑豊かな田園風景が広がっていました。

2010.7.10

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北上市立博物館(岩手)・万蔵寺の神様 2010-08-10-Tue

北上市に位置する万蔵寺には、不思議な三体の神像が伝えられています。
若年・壮年・老年の三期にわたって男神を表しているという、大変珍しい像なのです。
神様が歳をとるだなんて、何だかとっても不思議な感じがします。
ぜひとも拝観してみたいと思い、お寺にお電話したところ、現在拝観の受付はしていないとのことでした。
ところが立花毘沙門堂のお寺の方から、北上市立博物館には万蔵寺の仏像がいくつか安置されているというお話を偶然伺い、翌日行ってみることにしました。



博物館の奥へ進んでいくと、ガラスケースの中に仏像がずらりと安置されていました。
主に万蔵寺と白山神社の仏像や神像が展示されており、いずれもかなりの古像で、なかなか見ごたえがあります。
特に印象的だったのが、万蔵寺の十一面観音と男神像です。
十一面観音は平安期の作で、いかにも地方仏らしい、素朴でやさしいお顔をなさっていました。
そしてお目当ての男神像。このとき博物館に安置されていたのは、万蔵寺の三体の男神像のうち、壮年期を表した神様でした。
涼しげな眼差しをしたイケメンで、平安貴族のような装束をまとっています。
写真で若年期の像を見たことがあるのですが、やはりその像よりも大人びた印象を受けました。
三尊が並んでいるのを拝することができたら、さぞ素晴らしいでしょうね。
館内には他にも北上市の歴史や文化を物語るような展示が数多くあり、非常に見ごたえがあります。



博物館の近くにも北上川が流れていました。

2010.7.10

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成島毘沙門堂(岩手)・日本最大の兜跋毘沙門天 2010-08-07-Sat



天台寺を出発して南へ車で2時間ほど走り、花巻市の成島毘沙門堂へ着きました。



境内には泣き相撲の土俵がありました。
先に泣いた赤ちゃんが負け、という面白い相撲で、全国大会も行われるそうです。



重要文化財の毘沙門天立像は、かつてこちらの毘沙門堂で祀られていましたが、現在はコンクリート製の収蔵庫に安置されています。





「わあっ!」
思わず声をあげてしまいました。
中にいらっしゃったのは、大きな大きな兜跋毘沙門天だったのです。

像高348cm。足元を支える地天女も含めると473cmにもなります。
兜跋毘沙門天像としては日本最大とのこと。
なんとこれだけの大きさにも関わらず一木造だそうです。
毘沙門天の横には重要文化財の吉祥天が安置されていました。
頭に二頭の象を乗せているという、とても珍しいお姿をなさっており、上品なお顔立ちと神秘的な眼差しが印象的でした。



境内には小さな祠がありました。
かつて毘沙門天の脛に味噌を塗って祈願をするという民衆信仰があったため、この祠には毘沙門天と同型の脛が祀られているそうです。
仏様に味噌を塗るだなんて、とてもユニークですよね。

2010.7.10

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天台寺(岩手)・鉈彫りの聖観音(3) 2010-08-02-Mon



本堂でお参りを済ませ、改めて寺務所で収蔵庫の拝観をお願いしました。
緊張でドキドキしながら、足を踏み入れてみると…。

正面のガラスケースの中には、憧れの聖観音様がいらっしゃいました。



お顔と両腕を除いて全身が鉈彫りで彫られており、細かい横縞が小波のように見えます。
まるで聖観音が徐々に一本の霊木から姿を現しつつある、その光景を目の当たりにしているようでした。
ぴたりと体に纏わりつく衣の下からは、ふっくらとしたお腹が見え、それが非常に優美な印象を与えています。
端正なお顔を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまいそう…。

聖観音の横には、十一面観音像が安置されていました。
こちらは鉈彫りではなく、聖観音よりもずっと大きい像なのですが、表情、体つきなどがそっくりで、同仏師の作ではないかと推定されているそうです。

収蔵庫の中にはその他にもたくさんの仏像が安置されていて、そのどれもが個性的な像ばかりでした。
悪天候の早朝のせいか、拝観者は私一人だけ。
素晴らしい御仏たちに囲まれ、最高の喜びに浸っていました。

小一時間ほども座っていたでしょうか。



余韻が抜けきらぬまま外へ出ると、収蔵庫の横にはとてつもなく大きな木が生えていました。
きっとご神木なのでしょう。
その堂々とした様子を見ていると、この大らかな巨木が、天台寺の尊像たちにそっと寄り添っているような気がしたのでした。

2010.7.10

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