西蓮寺(茨城)・室町期の薬師如来

一年近く前のことになりますが、茨城県のお寺巡りをしてきました。

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まず最初に参拝したのは行方市の西蓮寺。
782年に僧・最仙によって創建されたと伝えられる古刹です。
事前にお願いをして、ご本尊のお薬師様を拝観させていただきました。

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像高150cmで室町期の作。
一木背刳造という技法で造られているそうです。

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体躯はむっちりと張り、特に両腕や太腿にかなりのボリュームがあります。

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長く弧を描く眉、切れ長の瞳に対し、小ぶりな鼻や口をなさっており、親しみのある、実に可愛らしい表情です。
お顔がやや大きめに造られているのは、当時平伏して礼拝したためと考えられています。

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訪れた時はちょうど紫陽花が盛りで、美しい花々に見惚れていました。

2016.6.26
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西光寺(茨城)・藤原期の薬師如来

以前、常陸太田市文化財集中曝涼のことを何回かにわたって書いたにも関わらず、うっかり西光寺の記事をアップし忘れていました。
少し遅くなりましたが、その時のことを書こうと思います。

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西光寺はかつて真言宗の大寺でしたが、明治期に無住寺となり、さらには大正期の火災によって堂宇の多くが失われてしまいました。
幾多の災難を乗り越え、国指定重要文化財である薬師如来坐像、県指定文化財である仁王像などが現在まで伝えられています。

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仁王門には大きな目鼻立ちをなさった、個性的な仁王様たちがいらっしゃいました。
残念ながら腕の先などは失われていますが、気迫が体中に漲っています。
室町期の作と推定されており、像高はいずれも230cmほど。
阿形はケヤキ材、吽形はカツラ材で造られているそうです。
違う仏師が造ったからなのか、もしくは特別な御神木だったのか、あれこれ想像してみると興味は尽きません。

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そしてこちらが本尊のお薬師様。
像高143.7cm、飛天が配された見事な光背や台座を含めると、全体で290.7cmにもなるそうです。
いわゆる定朝様の流れを組む藤原仏で、非常に洗練された作風であるため、中央仏師の作である可能性が高いと思われます。

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体のあちこちに金箔が残っており、かつては全身が金色に輝いていたことがわかります。
光輝く尊像の周りを可愛らしい飛天たちが舞う様は、さぞ華やかであったに違いありません。

2015.10.17

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来迎院(茨城)・鎌倉期の阿弥陀如来

常陸太田市文化財集中曝涼、最後に参拝したのは来迎院です。

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来迎院は光明山安養寺と号する天台宗のお寺で、鎌倉期の阿弥陀如来坐像など、多くの貴重な文化財が伝えられていることで知られています。

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集中曝涼にあわせて、参道沿いには出店が並んでおり、地元の名産品などが売られていました。
地区全体でこの行事を盛り上げていることがよくわかります。
賑やかな境内を進んでいくと、奥の方から読経の声が聞こえてきました。

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本堂へ着いたところで、ちょうど法要が終わったらしく、中から沢山の人が出てきました。
しばらく待つと人の流れが落ち着いたため、私も堂内へ入れていただくことに。

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厨子の中には上品上生の印を結ぶ阿弥陀様がいらっしゃいました。

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像高158.3cmで寄木造。
鎌倉期の作と推定されています。
台座はおそらく後補ですが、かつては尊像の全身も金箔で覆われていたようです。
肩にかかる複雑な衣の表現が珍しく、やや厳めしい顔つきと相まって、非常に個性的な像容でした。

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こちらの尊像は腕から先が失われているため、正確な尊名は不明ですが、薬師如来坐像でしょうか。
もしかしたら本尊よりも造像年代が古いかもしれません。

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すべての参拝を終え、参道の休憩所でほっとひと休み。
けんちん汁をいただきました。

2015.10.17

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正宗寺(茨城)・坐像の十一面観音

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常陸太田市文化財集中曝涼、次は正宗寺へ。

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正宗寺は延長元(923)年に平将門の父・良将が創建したと伝えられている古刹で、当初は勝楽寺と号する律宗の寺院でした。
鎌倉期に地元の有力者であった佐竹氏により禅宗に改宗され、寺名も現在の正宗寺へと改められました。
やがて佐竹氏の菩提所として関東十刹の一つに挙げられるまでに繁栄し、往時は12の末寺を有する大寺院だったそうです。

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(⇒常陸太田市のHPはこちら)

そしてこちらが本尊の観音様。
珍しい坐像の十一面観音像です。
像高63.7cmで鎌倉期の作。
まず目をひくのは、十一の化仏が二段にわたって据えられていることで、まるで美しい冠を被っておられるようにも見えます。
衣の表現、なで肩でほっそりした体躯など、全体的に宋風の影響が強く感じられました。

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2015.10.17

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青蓮寺(茨城)・鎌倉期の阿弥陀如来

常陸太田市文化財集中曝涼、三番目に参拝したのは東連地町にある青蓮寺です。

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青蓮寺は現在は浄土真宗のお寺ですが、天智天皇伝説が残されていることから、皇跡山という山号を称しています。
鎌倉期に御家人・畠山重秀がこの地に堂宇を建てて住みつき、寺の名を青蓮寺と改めました。

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本堂中央にある厨子の中には、来迎印を結ぶ小さな阿弥陀様がいらっしゃいました。

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像高53cm、光背を含めると1mほどになります。
鎌倉期に春月という仏師によって造られたそうです。
この地で活躍した仏師でしょうか。
小さな目鼻立ちは整って可愛らしく、とても丁寧に彫られています。

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2015.10.17

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