仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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ちー

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八坂神社(福井)・隠された仏像 2012-01-14-Sat



福通寺を参拝した後、同じ越前町にある八坂神社の仏様たちにお会いしに行きました。



福井県屈指の古仏として有名な尊像は、現在こちらの収蔵庫に安置されています。
中に入ると正面に見事な三体の如来様がいらっしゃるのが見え、思わず息をのみました。
(⇒福井県HPの写真はコチラ)

向かって左から釈迦如来、阿弥陀如来、阿弥陀如来。
像高は140〜145cmほどで、いずれも平安後期の作と推定され、重要文化財の指定を受けています。
大きさや造られた時代はほぼ同じですが、螺髪や衣文、お顔の表情などにそれぞれ特徴があり、尊像を彫り上げた仏師の個性やこだわりを感じました。

神社の方のお話では、なんとこの仏様たちは、昭和38年の本殿造営の際に旧内陣の床下から発見され、こちらに安置されるようになったのだそうです。
これは明治期の廃仏毀釈の際に尊像が破壊されることを恐れ、大切に床下へ隠した為ではないかと考えられているとのこと。
仏像を何としてでも守ろうとした、昔の方々の思いが伝わってくるようです。

またこちらの八坂神社には、十一面女神坐像という、不思議な女神像が安置されています。(⇒写真はコチラ)
像高62.6cmで平安末期の作。
十一面観音のように頭上に十一の化仏を頂いている女神像で、神仏習合の影響を強く受けていると考えられており、全国的にも大変珍しいそうです。
この地で仏教文化が独自の発展を遂げていたということがよくわかりますね。

2011.9.20

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福通寺(福井)・朝日観音(2) 2012-01-09-Mon



福通寺を参拝したあと、近くの日吉神社へ向かいました。
福通寺のご住職と地元の方のご好意で、こちらに安置されている仏様たちをお参りさせていただいたのです。



中にはつやつやと美しい黒色に輝く金剛界の大日如来様がいらっしゃいました。
両脇にはお地蔵様と観音様が安置されています。



像高160cmで檜の寄席木造。
福井県の文化財に指定されています。
体躯はがっちりとして量感があり、非常に意思の強そうなお顔立ちです。
肉厚な膝は大きく張り出し、その堂々とした様子が、大日様の威厳をより一層際立たせていました。

かつて福通寺でお祀りされていたこの大日様は、戦国時代に戦火から守るために日吉神社へ隠され、難を逃れたのだそうです。
それ以来こちらの神社に安置されたまま現在に至っていますが、朝日観音様の本開帳の際は、何とお寺に里帰りされます。
地元の方々が尊像を大切に運ぶ様子を映した動画がありますので、ぜひご覧になってください。(⇒お寺HPのリンクはコチラ)

昔からの伝説のもと、寺へ里帰りされる大日様。
不思議で温かい気持ちになりますね。



仏像を巡って全国を旅するうちに、仏像にまつわる伝説や歴史に強く惹かれるようになりました。
何百年もの間、信仰され、大切に守られ続けてきた仏像には、必ず物語があります。
守ってきた人々の想い、その土地の風土、文化。
それらを纏っているからこそ、仏像は拝する者の心を捉えて離さないのでしょう。

お世話になった福通寺のご住職、地元の皆様、本当にありがとうございました

2011.9.20

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福通寺(福井)・朝日観音(1) 2012-01-05-Thu

小松市を出発し、福井県へ。
福井県屈指の古刹、福通寺がある越前町へと向かいました。



福通寺の創建は奈良時代にまで遡ると伝えられており、別名・朝日観音と呼ばれて、古より篤い信仰を集めてきました。
実はご本尊の観音様には、次のような不思議な伝説があるのです…。

昔々、このあたりを旅していた泰澄大師(越前地方の偉いお坊様)は、暗雲によって光を奪う山の神のたたりに苦しめられている、地元の村人たちに出会いました。
そこで大師が山に籠って観音様にお祈りしたところ、21日間の後、ついに魔は消え失せ、村に光が戻ったのです。
歓喜した泰澄大師は神木を刻み、正観音、千手観音、稲荷・八幡の両鎮守神をお造りになりました。
尊像の開眼供養の時、なんと正観音様の額から朝日のように光が射したので、以来この観音様は朝日観音と呼ばれるようになったのでした…。


本尊の正観音様は秘仏のため、年の決められた日のみ開帳されています。(⇒お寺のHPの写真はコチラ)
像高196cmで檜の寄木造。
福井県の文化財に指定されています。
涼しげな眼差しと繊細な指が美しい、鎌倉期の優美な観音様です。




ご住職にお願いして、本堂横の千手堂にお祀りされている千手観音様をお参りさせていただきました。
(※本尊の正観音様とは別の観音様です)



中にいらっしゃったのは、眩いばかりに金色に輝く、美しい千手観音様でした。
像高172cmで檜材の一木造。
本尊の観音様と同じく鎌倉期の作と推定されており、福井県の文化財に指定されています。



お顔立ちは凛として気品に満ち溢れています。
太い合掌手が特に印象的で、背後に放射線状にすらりと伸びる脇手は、あたかも光背のようにも見えました。



いかにも一木造らしい、どっしりとした豊満なお体は、拝する者に安らぎを与えてくださいます。

(つづく)

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若狭国分寺(福井)・若狭大仏 2011-01-14-Fri

天平時代、聖武天皇が各国に建立を命じた国分寺。
多くは廃寺となりましたが、いくつかの寺院は宗派や形態を変えながら存続してきました。
小浜市にある若狭国分寺もそのうちの一つです。



拝観のお願いをして、まずは釈迦堂へ。



「わあっ!」
中にいらっしゃったのは、圧倒されるほど大きなお釈迦様。
像高なんと318cm。面長のお顔が印象的です。
体躯は鎌倉時代の作ですが、頭部は江戸時代の後補とのこと。
福井県最大であるこのお釈迦様は、「若狭大仏」と呼ばれ、篤い信仰を集めてきました。



となりの薬師堂には、重要文化財の薬師様がいらっしゃいました。



像高79.7cm。鎌倉時代の寄木造です。
とても洗練された作風で、中央仏師の作と推定されています。



境内の近くには塔の史跡が残されていました。
天平時代、多くのお堂が建ち並ぶ大伽藍だったのでしょう。



小浜を離れる前に、夕暮れの小浜漁港へ。
かつてはここで水揚げされた海産物が京へ運ばれ、小浜は鯖街道の起点として栄えました。

そうそう、漁港の近くで有名人に会いましたよ。



小浜と言えばやっぱりこの人(笑)。
念願の対面に感動♪

2010.11.5

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若狭神宮寺(福井)・神仏習合の寺 2011-01-11-Tue

小浜市の若狭神宮寺は、奈良時代に若狭国一の宮の神宮寺として建立されたと伝えられている古刹です。
(※神宮寺とは神仏習合思想に基づき、神社に附属して建てられたお寺のこと)



重要文化財の本堂にはしめ縄がかけられており、いかにも神仏習合のお寺らしい、独特の雰囲気が漂っていました。

お堂の中に入るなり、思わず絶句。
そこには想像を超える摩訶不思議な世界が広がっていたのです。

内陣は大きく3つに区切られており、左側に千手観音、中央には薬師如来や十二神将などが祀られていました。
…と、ここまでは普通のお寺とほぼ同じ。
何より珍しいのが、右側に神々の神号を書いた掛軸が掛けられており、その前に狛犬(?)らしき像が置かれていたという点です。

仏様の横に神様。
現代の私たちは、どこか不思議な印象を受けます。
けれどもお寺や神社が明確に分けられるようになったのは、明治時代に神仏分離が行われて以降のことなのです。
かつては日本のあちこちで、若狭神宮寺のような光景を目にすることができたのかもしれません。



さて、この若狭神宮寺を特に有名にしているのが「お水送り」の行事。

有名な東大寺二月堂の行事に「お水取り」があります。
3月12日(もとは陰暦2月12日)の深夜から明け方にかけて、堂前の若狭井から香水をくみ、本堂内陣に運ぶ儀式のことです。

これに先立つ3月2日、この若狭神宮寺で、二月堂に水を送る「お水送り」が行われています。
境内の井戸から香水を汲み、遠敷川の鵜の瀬という場所で流します。
そしてその香水は十日間かけて流れてゆき、東大寺の若狭井で湧き出すとされているのです。



こちらがその香水を汲む井戸。

昔々、東大寺二月堂を建立した実忠和尚が全国の神を招いたところ、若狭の遠敷明神は、漁で忙しかったために遅刻してしまいました。
遠敷明神はそのお詫びとして、二月堂の本尊である十一面観音に、お供えの香水を送ることを約束したといいます。

何百年も続く伝統的な行事には不思議な言い伝えがあったのですね。

2010.11.5

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