日本寺(千葉)・房総の磨崖仏(2)

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階段は更に急こう配になり、奥へ奥へと続いてます。
歩いていると周囲から
「疲れた~!」
「もう膝がガクガクだ!」
などという声が聞こえてきました。

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山のあちこちに岸壁をくり抜いて作られた穴があり、そこには五百羅漢、観音、天部など、様々な仏像が安置され、いずれも小さい像ながら、なかなか見応えがあります。

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息を切らせながら更に歩いてゆくと…

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きたー!!!
ついに展望台まで辿りつきました。
眼下に広がるのは美しい東京湾、そしてその海岸線沿いに漁師町の家々が建ち並んでいます。

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展望台から少し山を下り、巨大な磨崖仏があるという場所へ向かいました。
採石のために岩が削られて出来た通路を抜けると…

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一気に視界が広がり、目の前の岸壁に巨大な観音像が浮かび上がっていました。
その名も百尺観音様。
像高30m、昔の単位で百尺あることから、こう名付けられたそうです。

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足もとまで近寄って見上げてみると、その大きさに改めて圧倒されます。
かつての石切り場のあとに造像され、昭和41年(1966)に完成しました。
比較的新しい像ですが、それでもなお、重機などの搬入が難しいこの場所での作業は、相当困難であったことは間違いありません。
拝観を終えたあとは再び徒歩で下山。
久しぶりに鋸山に登り、心地よい運動となりました。

2015.5.4
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日本寺(千葉)・房総の磨崖仏(1)

先日、数年ぶりに房総半島の鋸山に登ってきました。

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快晴の空の下、東京湾沿いに続く国道16号線をひた走ります。
ところが連休中ということもあって、国道は途中から大渋滞。
通常の倍以上の時間をかけて、なんとか登山口までたどりつきました。

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房総で生まれ育った私にとって、鋸山は過去に何度も登ったことのある、とても馴染み深い山です。
今回は初めてロープウェイを使わずに麓から歩いて登ることにしました。

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鋸山は千葉県安房郡鋸南町と富津市の境に位置する標高329.4mの山で、かつては房州石と呼ばれる良質の石材の産地でした。
「のこぎり」という山名は、大量の石材が削りだされ、山肌の岩が鋸の歯状のように見えるようになったことから、こう呼ばれるようになったようです。

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また鋸山は古くから信仰の山としても知られ、現在も山頂周辺は日本寺の境内となっています。
今回は麓から登ったため、初めて仁王門をくぐることができました。

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中にいらっしゃったのは、大きな目をした仁王様たち。
なんだかユーモラスな表情ですね。

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参道はなかなかハードな上り坂ですが、山内のあちこちにお堂や石仏、磨崖仏などが点在しており、楽しみながら歩くことができます。
寺伝によると日本寺は創建が奈良時代にまで遡るという古刹で、最盛期には七堂十二院百坊を有する大寺院であったそうです。

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麓から30分ほど歩いたところで、巨大な石仏のお薬師様がいらっしゃる広場へとたどり着きました。
記録よると1783年(天明3年)に大野甚五郎英令が門弟27名とともに岩を彫刻して造像にあたったとのこと。

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尊像は長年の雨風により侵食され、江戸末期にはほとんど崩壊状態になっていたため、1966年(昭和41年)から仏師・八柳恭次を中心に修復が行なわれ、1969年(昭和44年)に完成しました。
小学生の時に初めて拝した時、その大きさに口をあけてビックリしたことを思い出します。
お薬師様にお参りした後は、いざ山頂へ!

2015.5.4

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大福寺(千葉)・岸壁の観音像

那古寺から車で5分ほどのところにある、館山市の崖観音を参拝しました。

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崖観音は正式名称を大福寺といい、安房の漁師たちから篤い信仰を集めてきた古刹です。

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駐車場からしばらく歩くと、岸壁に張り付くように建てられた朱色のお堂が見えてきました。
そう、崖観音の名前は、この崖造りの観音堂の中にいらっしゃる磨崖仏に由来しているのです。
現在のお堂はおそらく近年の再建ですが、創建当時、これほどの崖の上に観音堂を建立するのは、命がけの作業であったに違いありません。

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お堂の奥は剥き出しの岸壁になっており、中央には十一面観音像が彫りだされていました。

photo_01.jpg (⇒大福寺HPより)

全体的に摩耗が激しく、はっきりとした像容はわからないものの、左手に水瓶を握っておられるようです。
素朴で力強いお姿でした。

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振り返ると眼下に東京湾が見え、海岸線沿いに漁師町の集落が広がっていました。
海は豊かな恵みをもたらすと同時に、時として圧倒的な厳しさで荒れ狂います。
岸壁の観音様は、高台から漁師たちの安全を優しく見守ってくださっているのでしょう。

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2014.3.23

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那古寺(千葉)・千手観音御開帳

石堂寺参拝のあと、館山市にある那古寺へ向かいました。

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那古寺は坂東三十三箇所札所として知られる名刹で、とりわけ霊場の結願の寺として、古より篤い信仰を集めてきました。
我が故郷・房総でも、最も好きなお寺のひとつです。

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私が参拝したこの日、ちょうど御本尊の特別開帳が行われていました。

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那古寺は過去に何度も参拝したことがありますが、秘仏の御本尊を拝するのはこの時が初めてでした。
堂内に入ると中央奥の厨子が開かれており、中には千手観音立像が安置されていました。
像高はおおよそ120~130cmくらいでしょうか。
おそらく一木の像で、衣文が太く、古様な印象を受けますが、はっきりとした造像年代はわかりません。
護摩の煙にいぶされたためか、体躯は黒ずんでいます。

特徴的なのは、左右に錫杖を持ち、頭上で手を組むという、清水寺形の観音像であるということです。
お寺の方に伺ったところ、頭上の手は調査の結果を受けて、近年の修復で再現されたということでした。
このような清水寺形の観音像は、関東地方では神奈川県の龍峰寺にも安置されていますが(⇒ブログ記事はこちら)、千葉県内で拝したのは、記憶にある限りここが初めてです。

堂内には重要文化財の銅造・千手観音立像も安置されており、こちらは普段から拝観可能となっています。

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参拝を終え、お堂の裏にある石段を上って展望台へ。

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眼前に広がる美しい東京湾。
那古寺を好きな一番の理由は、この素晴らしい絶景にあります。
海辺で暮らす人々が、この高台を特別な場所だと考え、観音像を安置し、篤く信仰してきたことがしみじみと実感できますよね。

2014.3.23



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石堂寺(千葉)・十一面観音御開帳

約1年ぶりに南房総市の石堂寺を参拝しました。

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石堂寺は南房総屈指の古刹で、建築物、仏像など、数多くの貴重な文化財が伝えられています。

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そして今回特に楽しみにしていたのが、約6年ぶりとなる本尊・十一面観音立像の御開帳です。
前回の御開帳の時は残念ながら参拝できなかったため、ずっと次の開帳を心待ちにしていました。
本堂前に立てられた、巨大な回向柱から延びる紐をたどってゆくと…

変換~Scan0003 (※お寺パンフレットより)

中央の厨子の中に、実に可愛らしい観音様がいらっしゃいました。
像高1.8mでカヤの一木造。
藤原時代の作と推定されていますが、翻波式の衣文など、古様な表現も見られます。
ふくよかなお顔に対し、体は細く、まるで可憐な少女のようです。
唇にはわずかに紅の色が残っており、長い間秘仏として大切にされてきたことがよくわかります。

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ちょうどこの時、多宝塔の千手観音坐像の御開帳も行われていました。
こちらは慶派仏師の作と推定される、鎌倉時代の美仏です。

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参拝を終えて車を走らせていると、美しい菜の花畑を見つけました。
菜の花は房総を代表する植物として、千葉県の県の花にも指定されています。
日の光を受けて輝く花びらをゆっくり眺めていると、優しい春の訪れを実感できました。

2014.3.23


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