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仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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ちー

Author:ちー
読書と音楽、そして仏像をこよなく愛しています。

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大悲山の石仏(福島)・平安期の磨崖仏群(2) 2018-08-12-Sun

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薬師堂から数分歩いたところに、阿弥陀堂と呼ばれる小さなお堂が建っています。

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中を覗いてみると、苔むした岸壁に仏像が彫りこまれた跡がかすかに確認できました。
おそらく阿弥陀仏が彫られているのでしょうが、はっきりとした像容はわかりません。

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観音堂石仏は、そこから更に車で数分行ったところにあります。

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東日本大震災でかつての覆屋が倒壊してしまったため、新たに立派な建物が建てられていました。

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想像をはるかに上回る迫力に思わず声をあげそうになりました。
近づくと自動的に点灯する仕組みになっており、薄暗い岸壁から巨大な像が浮かび上がったのです。
肩より下の部分は浸食が激しいものの、いくつもの手が放射線状に並んでいるため、千手観音像であることがわかります。
像高は約9mで、平安期の作。
頭上に化仏を捧げ持つ姿が、京都・清水寺の本尊である千手観音像と共通することから、「清水型」と呼ばれているそうです。

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観音像の両脇にはずらりと御仏たちが刻まれており、朱色の彩色が残っていました。

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柵に貼ってあった、造像当時の想像図です。
珍しい坐像の千手観音像の周りを、沢山の化仏が囲んでいたことがわかります。
石仏群のある場所は大悲山と呼ばれているため(※ 大悲は観世音菩薩の別名)、おそらくこの観音様がお寺の御本尊だったのでしょう。

2019.10.8

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大悲山の石仏(福島)・平安期の磨崖仏群(1) 2018-08-04-Sat

先日、以前から気になっていた南相馬市の大悲山石仏を拝観してきました。

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安達太良山方面から南相馬市へレンタカーで向かっていると、パトカーと頻繁にすれ違うようになりました。
道路脇の至るところに「帰宅困難地域につき通行止め」と書かれた看板が立っています。
おそらく原発事故の影響なのでしょう。
あたりに人の気配は全くありません。
スーパーや本屋、飲食店等、ほとんどの店が閉まっており、街は奇妙な静けさに包まれていました。

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長い間大切に守られてきた田んぼには雑草が生い茂り、その光景を眺めていると胸が締め付けられました。

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大悲山の石仏は、大悲山大蛇物語公園のすぐ近くに位置しています。
この不思議な公園の名前は、大悲山薬師堂に伝わる琵琶法師と大蛇の昔話にちなんでいるそうです。

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琵琶法師がこもって琵琶をひいていたという薬師堂がこちら。

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中に入ると、ガラス戸の奥に数体の磨崖仏が並んでいるのが見えました。
どうやら建物は磨崖仏のある岸壁に張り付くようにして建てられているようです。

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間口15m、高さが5.5mある凝灰質砂岩の岸壁に、4体の如来像と2体の菩薩像が彫られていますが、摩耗が激しいため、正確な尊名はわかりません。
平安前期の作と推定されており、東日本で最も古い磨崖仏の一つです。

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如来像の像高はおそらく2m前後で、むっちりとした体躯が岸壁から盛り上がっています。
よく見ると周囲に光背や飛天が線刻で彫られており、その繊細さに驚きました。

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これだけの磨崖仏群が彫られているということは、相当な大寺院があったのでしょう。
誰がいつ、どのような理由で造ったのかなど、詳しい歴史的背景はわかっていないようです。

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私の貧弱なカメラでは、その素晴らしさを到底伝えることができず残念です。
所々に彩色のあとらしきものが確認できるため、かつて磨崖仏は美しい極彩色に輝き、さぞ煌びやかであったに違いありません。

2017.10.8

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願成寺(福島)・菩薩練供養 2016-06-08-Wed

少し前のこととなりますが、数年ぶりに福島県喜多方市にある願成寺を参拝し、秋に開催される菩薩練供養を見てきました。

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早朝に高速バスで都内を出発し、会津若松駅へ。
そこからJR磐越西線に乗り、喜多方駅に向かいました。

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喜多方は古くから蔵の町として知られており、駅舎もレンガ造りと蔵のデザインが融合した、レトロ感たっぷりの素敵な建物でした。
願成寺までは少し距離があるため、駅前の骨董屋さんでレンタサイクルを借りることに。
昔ながらの町並みを楽しみながら、自転車を漕いでゆきます。

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20~25分ほど行ったところでしょうか、提灯で飾られた山門が見えてきました。

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願成寺は会津大仏と呼ばれる阿弥陀如来坐像が有名な古刹で、1227年に隆寛律師によって創建されたと伝えられています。
私が福島で最も好きなお寺の一つです。

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こちらが会津大仏様。
像高241cmで寄木造、鎌倉時代の作です。

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とにかくまず心を奪われるのは、その絢爛豪華さでしょう。
無数の仏がはめ込まれた光背が外の光を受けて輝き、阿弥陀様の美しさをより一層際立たせています。
珍しいのは、両脇侍が京都・三千院と同じく、大和坐りをなさっているということ。
こちらも中尊と同じく鎌倉期に造られました。
京都や奈良を除いて、これだけ古い時代の丈六阿弥陀三尊が伝えられているお寺は、全国的にもそう多くないはずです。

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いよいよ今回の旅一番の目的である菩薩練供養が始まり、少しずつ人がお堂の周辺へと集まってきました。
見ると、和装に身を包んだ方たちが列を作って歩いてこられます。
行列が阿弥陀堂へ入ったところで、法要が始まりました。

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読経が終わり、皆さまがお堂から出てこられると、なんとお顔が菩薩面に変わられているではありませんか。
お面はおそらく古くから使われきたのでしょう、金箔が取れて黒くなっており、長い時の重み、信仰の重みをひしひしと感じさせてくれます。

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菩薩様たちは列をなして境内を進み、紅白の垂幕で飾られた鐘楼へ上ると、順番に梵鐘を突き始めました。
深い音色が境内に響き渡ります。

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全ての菩薩様が鐘を突き終わったところで、行列は再び阿弥陀堂へと戻って行きました。
あいにくの雨が降ってきましたが、無事に練供養が終わって一安心。
じんわりとした余韻の残る、素敵な練供養でした。

2015.10.11

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願成寺(福島)・国宝 白水阿弥陀堂 2015-11-03-Tue

レンタカーでいわき市内を南下し、願成寺へと向かいました。

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願成寺は通称・白水阿弥陀堂として知られる古刹で、1160年(永暦元年)に、地元の有力者であった岩城則道の妻・徳姫により創建されました。

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こちらがその阿弥陀堂。
平安期の貴重な建築として名高く、福島県の建造物で唯一、国宝の指定を受けています。

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(※お寺パンフレットより)

阿弥陀堂には本尊の阿弥陀三尊、その両脇に二天像が安置されていました。
中尊の阿弥陀如来坐像は像高84.8cm、観音・勢至菩薩立像はいずれも100cmほど。
いわゆる定朝様の流れをくむ、優美な藤原彫刻です。

特に印象的だったのは、非常に細かい透かし彫りで造られた、御本尊の光背でした。
仄かな光を受けて、背後の壁に装飾的な影が映し出されており、その幻想的な美しさに目を奪われました。
長い年月により堂内の彩色はほとんど落ちていますが、堂内にあった復元図によると、かつてお堂は色鮮やかな絵で飾られていたようです。
そこに金色の御仏がおわす様は、さながら極楽浄土が現世にあらわれたような煌びやかさであったことでしょう。

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阿弥陀堂の周囲には浄土式庭園が広がっていました。
創建者である徳姫が奥州藤原氏の出身であったことから、毛越寺や無量光院といった、平泉近辺にある寺院の構造に影響を受けていると考えられています。
現在、広大な敷地は公園として開放されており(※阿弥陀堂拝観は有料)、ジョギングや犬の散歩をする地元の方々で賑わっていました。

2015.3.7

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薬王寺(福島)・獅子に乗った文殊菩薩 2015-10-25-Sun

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長隆寺参拝のあと、車で数分のところにある薬王寺へ。

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薬王寺は磐城三薬師のひとつで、大同年間(806〜810年)に八茎薬師の別当として、僧・徳一により創建されたと伝えられています。
往時は堂宇54坊が建ち並ぶ大寺でしたが、戊辰戦争で伽藍の大部分が焼失し、現在の本堂はその後に再建されました。

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こちらのお寺には鎌倉期の文殊菩薩像が伝えられているため、事前にお願いをして拝観させていただくことに。

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像高42cm、端正で美しい文殊菩薩騎獅像です。

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比較的小さな像ですが、体躯は引き締まり、非常にバランスの良いお姿をなさっています。
渦巻き状の胸当て、体をたっぷりと包む衣文の彫り方などが独特で、仏師の個性を感じました。
全体的に洗練された像容であることから、中央で造られて運ばれた可能性も高いと思われます。
静かに前方を見つめる文殊菩薩様の眼差しと、その菩薩を支える獅子の躍動感あふれる眼がとても対照的でした。

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参拝を終えて市街地へ向かっていると海岸線沿いに出ました。
車を停め、ほっとひと休み。
もしかしたら薬王寺の文殊菩薩様はこの海を通って運ばれてきたのかもしれません。

2015.3.7

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