足立美術館(島根)・美しい日本庭園

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今回の山陰旅行の際に、お寺巡りとあわせてどうしても行きたかったのが、安来市にある足立美術館です。
地元出身の実業家・足立全康によって1970年(昭和45年)に開館された私立美術館で、横山大観、北大路魯山人など、近代日本の優れた芸術家たちの作品を有しています。
そしてこの美術館で特に有名なのが…

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徹底的に手入れされた、広大な日本庭園です。
庭園はなんと総面積5万坪にも及び、創立者である足立全康本人が全国を歩いて庭石や植物を集め、庭造りを指揮しました。
米国の日本庭園専門雑誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』が行っている日本庭園ランキングでは、なんと10年連続で庭園日本一に選出されています。
また『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』でも三つ星を獲得しているそうです。

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大きな窓に縁どられた庭園は、さながら美しい日本画のよう…。
その素晴らしさに、周囲から感嘆の声が聞こえてきます。
私が訪れたのは夕方だったため、館内には人がそれほど多くはなく、ソファーに座ってゆっくり庭を眺めることができました。

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美術館を堪能したあと周辺を歩いていると、目の前に大きな看板が立っているのに気が付きました。
…どじょうすくいグッズ専門店?

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せっかくなので行ってみることに。

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店内には、どじょうすくいグッズがズラリ。
そう、安来は「どじょうすくい」で有名な安来節発祥の地なのです。

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DVDやビデオも売っていました。



お店を出た後、せっかくなのでYoutubeで安来節の映像を見ていたら…

出演している男性がさっきの看板の人と同一人物だっ!!

しかもこの御方、安来節全国優勝大会師範どじょうすくいの部3年連続全国優勝の達人とのこと。
安来節のどじょうすくいを初めてきちんと見ましたが、ユーモアがあって面白く、何度も繰り返し映像を再生していました。
ひょんなことから安来節に興味を持つことになるなんて、旅の良さってこういうところにあるのかもしれませんね。

2014.9.24
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安来清水寺(島根)・平安仏の宝庫

出雲大社を参拝した後は、安来市へ向かいました。
安来は古くから神聖な地として崇められたところで、『古事記』や『日本書紀』には根之堅州国あるいは根之国という名で登場し、これは島根県の語源であるとも言われています。
この地では大陸から最先端の技術が取り入れられ、古墳時代には製鉄所なども造られたことから、大和と並ぶ有力豪族が台頭しました。

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安来清水寺はその安来きっての古刹で、用明天皇2年(587年)に尊隆上人によって創建されたと伝えられています。

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清水寺の名にふさわしく、境内には清らかな湧水が流れていました。

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広大な境内には、まるでお城のような石垣が組まれており、お寺の格式の高さがよくわかります。

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こちらは根本堂。
明徳4年(1393年)の建立で、国の重要文化財に指定されています。

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そして私の一番のお目当ては、こちらの収蔵庫に安置されている平安期の仏像群です。
事前にお願いをして拝観させていただきました。

収蔵庫に入るなり驚いたのは、中央に安置されている巨大な阿弥陀如来坐像です。
像高はなんと284cm。
一般的な丈六仏よりも大分大きい像です。
いわゆる定朝様の阿弥陀如来像ですが、お顔はきりりとして、凛とした美しさがあります。

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収蔵庫内には他にも平安期の阿弥陀三尊や十一面観音立像など、島根県を代表する平安期の古仏が安置されていました。

r00044r4b0f3a098bc06.gif (⇒安来清水寺のHPより)

なかでも複雑な衣文を刻む十一面観音立像の存在感は格別で、菩薩像のなかでも十一面観音様が特に好きな私にとって、非常に印象的でした。

2014.9.24

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出雲大社(島根)・神様の集う場所

出雲は八百万の神々が集うという神聖な土地です。
毎年10月になると全国の神々が出雲に集結し、一年のことを話し合うことから、10月のことを一般に神無月、出雲では神在月と呼ぶのだとも言われています。

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そしてその中心となるのが出雲市の出雲大社。
出雲国の一宮であると同時に、明治期の社格制度下において唯一「大社」を名乗る神社であった、日本屈指の格式の高さを誇る神社です。
奈良時代の歴史書『古事記』には、大国主神は国譲りの条件として、出雲の地に自らを祀る太い柱と千木がそびえる神殿を建てることを主張し、天之御舎を造ってそこに住んだと記されています。

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平成26年9月下旬のこの日、出雲地方は間近に控えた高円宮家典子様お輿入れのお祝いモード一色で、平日にもかかわらず多くの参拝者で賑わっていました。

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本殿は国宝に指定されていますが、直接拝することはできないため、前に設けられた参拝場所からお参りをします。
一般に神社の参拝作法は二拝二拍手一拝とされていますが(※例外あり)、こちらの出雲大社では二拝四拍手一拝でお参りすることとなっています。
恥ずかしながら実際に参拝するまでこの作法を知らなかったため、周囲からパチパチパチパチと沢山の音が響いているのを聞き、非常に驚きました。

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こちらは神楽殿。
とにかく注連縄が大きい!
長さは13m、そして重さはなんと5tもあるそうです。
おそらく過去に見た注連縄の中でも最大だと思います。

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参拝のあとは参道をぶらりと散策。
参道には沢山の食堂や土産屋が軒を連ねていました。

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せっかくなのでテイクアウトの冷やしぜんざいをいただきました。

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あのスターバックスコーヒーも和風な造りで、とってもお洒落です。
歴史ある街並に違和感なく溶け込んでいますよね。

2014.9.24

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大寺薬師(島根)・平安仏の古刹

山陰旅行の三日目は、出雲市の大寺薬師からスタートしました。

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大寺薬師は推古天皇2年(594)に智春上人が創建したと伝わる古利で、往時は七重塔などが建ち並ぶ大寺であったそうです。
1650年の大洪水により伽藍や仏像の多くが破壊されたため、現在地である万福寺の境内へと移されました。

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こちらのお寺には島根県屈指の古仏が多数伝えられており、事前にお願いをして拝観させていただきました。
重厚な収蔵庫の扉が開けられると…

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中央に薬師如来坐像と脇侍の日光・月光菩薩立像、さらにその隣には観音菩薩立像が安置されていました。

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中尊の薬師様の像高は134cm。
トチノキの一木造です。
お顔はやや厳しく、翻波の衣文が見られるものの、体躯にまるみがあること、螺髪の粒が細かいことなどから、平安初期から藤原期にかけての造像と推定されています。
特に印象的だったのは、左胸に彫られた渦巻き状の衣文でした。
これは前日に拝した仏谷寺の薬師如来坐像と全く同じ形をしており、驚きながらお寺の方にお話したところ、やはり島根県の一部の仏像に見られる様式で、過去に専門家の調査を受けたこともあるそうです。
平安初期にこの地方で流行していた様式なのか、同じ流れをくむ仏師の作なのか、あれこれ想像してみると興味は尽きません。

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脇侍の日光・月光菩薩は、いずれも像高160cmほど。
一木造で、造像は中尊と同じころと推定されています。
両手に日輪・月輪を握っておられるお姿がとても可憐です。

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変換~P1010649 (持国天)

収蔵庫には他にも四天王立像などが安置されていました。
いずれも平安期から鎌倉期にかけて造像された、貴重な尊像ばかりです。

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片隅には、摩耗が進んで尊名がわからない像などもあり、御仏たちが過ごした長い時の重みをしみじみと感じました。
これらの尊像が大伽藍の堂宇のひとつひとつに並んでいた様はさぞかし壮麗だったことでしょう。

お寺の方には色々と親切にしていただき、とても良い参拝となりました。
素晴らしき仏縁に心から感謝申し上げます。

2014.9.24

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美保神社(島根)・海辺の神様

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仏谷寺参拝のあと、お寺から徒歩で5分ほどのところにある美保神社へ。

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美保神社の歴史は古く、8世紀に編纂された『出雲国風土記』の神社台帳にもその名が載っています。
こちらの神社の祭神は「えびす様」
七福神の一柱として漁業・海運などの生業を守り、商売繁盛など、人々に豊かな福をもたらす神様です。
右手に釣り竿を持ち、左脇に鯛を抱えてニッコリ笑う姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

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本殿は文化10年(1813年)の建立で、国の重要文化財に指定されています。
非常に重厚で、神社の格式の高さを感じさせる建物です。

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鳥居のすぐ前には港があり、焼きイカの屋台がいくつかありました。
せっかくなので私も食べてみることに。

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口に入れた瞬間、想像以上の柔らかさにびっくり!
こんがりと焼かれたイカの身に、甘辛い醤油だれがよく合っています。
かの有名な高浜虚子はこのイカ焼きを食べて
「烏賊の味忘れで帰る美保の関」
と詠んだのだとか。
それも納得の美味しさです。

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海辺に座りながら、イカをもぐもぐ…。
向うに漁船が停泊しているのが見えます。
豊かな恵みを人間にもたらし、時として圧倒的な厳しさで襲いかかる大自然。
常に死と隣り合わせだった船乗りや漁師たちは、美保の神社で祈りをささげて大海原へ出かけて行ったのでしょうね。

2014.9.23

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