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仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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ちー

Author:ちー
読書と音楽、そして仏像をこよなく愛しています。

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「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」展に行ってきました。 2019-06-09-Sun

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6月7~8日の二日間で、奈良・大阪・京都を旅行してきました。
各お寺の参拝記はかなり先になってしまいそうですが、まずは2019年6月9日まで京都国立博物館で開催されていた「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」展について書こうと思います。

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国宝・一遍聖絵は、時宗の開祖である一遍上人の生涯を描いた全十二巻の絵巻です。
一遍の高弟であった聖戒が詞書を撰述、絵は円伊によって描かれ、一遍の十回忌にあたる正安元年(1299)に完成しました。

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(⇒特別展HPより)

実はもともと絵巻物にはそれほど関心がなかったのですが、実際に一遍聖絵を拝観し、素人目にもはっきりとわかる絵師の技量の高さに驚きました。
上人が遊行なさった全国各地の風景、そこで暮らす人々の姿が実に生き生きと描かれています。
左側の絵は岩屋寺を描いた場面。
四国八十八所の第45番札所は、現在でも「遍路ころがし」とも呼ばれる難所ですが、十分な装備もなく、歩いてこの地を訪れた一遍上人の苦労はいかほどであったでしょう。
右側の絵は僧が集まって踊念仏をしているところです。
僧侶たちの表情は楽しげで、阿弥陀仏への深い帰依を全身で表しています。

ippen_4_1F-2-2_20190413_tmb.jpg 真教上人坐像(神奈川・蓮台寺)
(⇒特別展HPより)

彫刻では、肖像彫刻が多く展示されていました。
真教上人は一遍上人の弟子で、時宗を教団として整備し、発展させたそうです。

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五智如来坐像(京都・安祥寺)
(⇒文化庁HPより)

そして平成知新館の一画では、安祥寺の国宝・五智如来坐像も公開されていました。
おそらく特別展とは直接の関係はないと思われますが、本館が現在休館中のため、京博所蔵や博物館に寄託されている仏像が一部公開されているようです。
今年のGW前後に東博で行われた新規国宝・重文展では三尊しか展示されていなかったため、五尊揃った姿を拝観できたのはこのうえない喜びでした。

また、以前からずっと拝観していたいと思っていた蘆山寺蔵の如意輪観音半跏像も、五智如来像のすぐ横に展示されていました。
像高134.9cm。飛鳥時代の銅像を彷彿とさせる像容で、四天王寺の救世観音を模した彫刻と考えられていますが、飛鳥様式をふまえた鎌倉時代の復古像です。
数十cmくらいの小像かと思いこんでいたので、その迫力、存在感に圧倒されました。

2019.6.8

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「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」展に行ってきました 2019-04-21-Sun

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東京国立博物館で開催中の「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」展に行ってきました。
東寺は私が京都で最も好きなお寺のひとつです。
これまでに何度も参拝したことがあるため、寺宝の多くを拝観したつもりでしたが、やはり今回もその質と量に圧倒されました。

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(⇒東寺HPより)

個人的に一番惹きつけられたのは、かつて京都に存在した西寺伝来とされる地蔵菩薩立像です。
ほぼ等身大の大きさで、むっちりとした太腿、深く彫られた複雑な衣文など、貞観仏らしい特色がよく出ています。
体に重厚感があるのに対し、お顔は小さく、優しげな表情をなさっており、独特な美しさがありました。

それから国宝の武内宿禰坐像も印象的でした。
頭に被っている烏帽子は木彫なのですが、なぜか体は裸のため、実際の衣服を着せてお祀りしていたようです。
武内宿禰は記紀に記述がある伝承上の人物で、景行天皇から仁徳天皇までの5代にわたって仕えたとされています。
あまり彫刻の作例がないため、もしかしたら元々は神像として造られたのかもしれません。

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兜跋毘沙門天立像(⇒特別展HPより)

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五大虚空蔵菩薩坐像 (⇒東寺HPより)

兜跋毘沙門天立像や五大虚空蔵菩薩坐像は、過去にもお寺の特別公開で拝観したことがありますが、やはり博物館で様々な方向から拝観できるのは貴重な機会でした。
虚空蔵菩薩様たちが乗っている獅子や象などの生き物はとても可愛らしく、魅力的で、実際にその姿を見たことのない仏師が、ここまで生き生きとした動物を造りあげたことに驚きます。

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そして今回の特別展で一番の目玉は、なんといっても国宝・帝釈天騎象像が撮影可だということでしょう。

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仏像界屈指のイケメン仏として有名なこの仏様、やはり女性ファンが多く、尊像の周りには沢山の女性がカメラを持って集まっていました。

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どの角度からでも完璧な格好良さ!
これまでに何度もお寺や博物館で拝観していますが、毎回ウットリします。
個人的にはこれ以上のイケメン仏を他に知りません。

**********

そして毎年ゴールデンウィーク前後に本館で開催される「新指定 国宝・重要文化財」展にも併せて行ってきました。

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(⇒文化庁HPより)

とりわけ感動したのは、新規に国宝指定された安祥寺(京都)の五智如来坐像です。
実物は写真よりはるかに美しく、存在感があり、展示室の入口から遠目にお姿を拝しただけで鳥肌が立ちました。
9世紀頃の作と推定されており、神秘的なお顔立ちなどに密教仏らしさが強く感じられます。
今回公開されたのは五尊のうち、大日如来坐像、阿弥陀如来坐像、不空成就如来坐像の三尊だけだったので、いつかすべてそろったお姿を拝観したいものです。
ちなみにこの五智如来坐像は現在、京都国立博物館に寄託されているそうなので、もしかしたらそちらで拝観できる機会があるかもしれません。

2019.4.20

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「仏像の姿(かたち)」 ~微笑(ほほえ)む・飾る・踊る~展に行ってきました 2018-11-25-Sun

「仏像の姿(かたち)」 ~微笑(ほほえ)む・飾る・踊る~展を三井記念美術館で見てきました。

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実は始まった当初はさほど気にしていなかった特別展だったのですが、以前から拝観したいと思っていた三重県・瀬古区の十一面観音立像が展示されていることをネットで偶然知り、会期終了間際に行ってきました。
ポスター写真は、鎌倉期の不動明王立像(個人蔵)。
見得を切ったような独特のポーズが印象的です。

十一面観音 
瀬古区(三重県)・十一面観音立像 (⇒三重県HPより)

展示スペースに入ってわりとすぐにところに、お目当ての観音様はいらっしゃいました。
像高47.6㎝、榧材の一木造。
九世紀頃の作と推定されています。
想像していたよりは小さいな、と思いながら近づいて行ったところ、間近で拝してその独特な存在感に釘づけになりました。
いわゆる檀像風の木彫仏でありながら、四角く張った顔、むっちりとした体躯など、素朴で大らかな魅力に溢れており、造像した仏師の個性を強く感じます。

不動明王
地蔵院(埼玉)・不動明王立像 (⇒川口市HPより)

個人的に印象深かったのは、地蔵院(埼玉県)の不動明王立像です。
像高53㎝、寄木造。
鎌倉期の作で、慶派仏師によって造られたと考えられています。
なによりまず目を引くのは、その髪型です。
横側からダイナミックに髪の毛が流れ、まるで強風を受けているかのようです。
記憶にある限りでは、このような髪型の仏像を拝観するのは初めてではないかと思います。
過去に何度か埼玉県のお寺巡りをしたことがありますが、この尊像の存在は全く知らなったので、新鮮な驚きでした。

毘沙門天
東京芸大美術館(東京)・毘沙門天立像 (⇒文化遺産オンラインHPより)

こちらは肥後定慶作の毘沙門天立像。
東京芸大美術館蔵で、過去にも特別展などで拝観したことがあります。
造像は貞応3年(1224)、檜の割矧造。
勇ましくも整った顔立ち、繊細な衣の表現などが非常に洗練されています。

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荘厳寺(滋賀)・釈迦如来立像  (パンフレットより)

写真の釈迦如来立像(荘厳寺)は、いわゆる清凉寺式の釈迦如来像ですが、溌剌とした面相などに、鎌倉仏らしい力強さが感じられます。

特別展では関西地方の木彫仏を中心に、個人蔵の仏像も展示されていました。
その多くが平安や鎌倉期に造られた古仏です。
当たり前のことながら、まだまだ自分の知らない素晴らしい仏像が全国には沢山あるのだということを、改めて強く実感しました。

2018.11.24

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「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展に行ってきました 2018-10-27-Sat

東京国立博物館で開催中の「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展に行ってきました。

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今期のトーハクは平成館の展示スペースを半分ずつ使い、「マルセル・デュシャンと日本美術」展と「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展の二展同時開催でした。
今後はこのような展示が増えていくかもしれませんね。

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釈迦如来坐像
(⇒トーハクHPより)

大法恩寺は千本釈迦堂とも呼ばれる古刹で、私が京都で最も好きなお寺のひとつです。
過去に何度か参拝したことがありますが、本尊のお釈迦様は秘仏のため、今回の特別展で初めて拝観しました。
快慶の高弟であった行快によって造像され、13世紀の作。
キリリとした眼差し、張りのある体躯など、鎌倉仏らしい躍動感に満ちています。

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十大弟子立像
(⇒トーハクHPより)

そしてこちらが快慶工房で造像された十大弟子立像。
普段からお寺で公開されていますが、博物館で様々な角度から拝観できるのは貴重な機会でした。
顔つきや衣文の表現などが一体ずつ異なっており、それぞれに担当仏師がいたであろうことが推測できます。
十体のうち、目犍連像および優婆離像の像内に「巧匠法眼快慶」の銘があり、少なくともこの二体は快慶が造像にあたったと確定されているようです。

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六観音菩薩像
(⇒トーハクHPより)

私が大報恩寺で特に好きなのが、六観音菩薩像です。
運慶一門の仏師、肥後定慶が貞応3年(1224)に造像しました。
これらの観音像もおそらく工房で造像されたものですが、准胝観音(※写真の右から二番目)の像内に定慶自筆の銘があることから、少なくともこの像は彼が直接造像にあたったと考えられます。

肥後定慶は私が最も敬愛する仏師で、現存する仏像は全て拝観しています(オタク自慢)。
鞍馬寺(京都)の聖観音立像や、横蔵寺(岐阜) 金剛力士立像などが有名です。
男性的で力強い仏像が多い慶派にあって、女性的で繊細な仏像を造り、独自の作風を確立しました。
私が肥後定慶を知ったのは、大昔、大報恩寺でこの六観音菩薩像を拝観したことがきっかけだったので、とりわけ強い思い入れがあります。

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今回の特別展でユニークだったのは、このうちの聖観音立像だけは写真撮影OKだったこと。
重文クラスの文化財を特別展で撮影できる機会は滅多にありません。

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ほっそりした体躯を覆う流麗な衣文は、美しい観音様の一瞬の動きを見事にとらえています。

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複数方向からのライトを受けた光背が、朱色の壁面に複雑な模様を描き、幻想的な雰囲気を作り出していました。
特別展は2018年12月9日(日)まで。
お時間のある方は是非足を運んでみてください。

2018.10.20

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「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」展に行ってきました。 2018-03-03-Sat

東京国立博物館で開催されている「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」展に行ってきました。

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一番のお目当ては何と言っても、仁和寺の国宝・薬師如来坐像。
かねてからずっと憧れていましたが、厳重な秘仏のため、拝観を半ば諦めていたのです。

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薬師如来坐像(仁和寺) (⇒特別展HPより)

会場へ入ってすぐのところに、憧れの薬師様はいらっしゃいました。
円派(平安時代中期から鎌倉時代にかけて活躍した京都の仏師集団)の円勢・長円によって彫られた、檀像の傑作です。
康和5年(1103)の作で、像高はわずか十数センチ。
本来、白檀や栴檀などの香木から造られる檀像は、材料となる木が非常に高価なため、他の木で代用することが多いのですが、この尊像は実際に白檀材を使って彫られています。
緻密に彫りこまれた尊像の木肌には、美しい截金細工が施され、当時最高峰の技巧と贅がふんだんに尽くされています。

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阿弥陀如来坐像(仁和寺) (⇒特別展HPより)

こちらは国宝・阿弥陀如来坐像。
平安前期を代表する阿弥陀如来像として知られ、過去に何度かお寺の特別公開の時に拝観したことがあります。
仁和4年(888)の作で、定印を結ぶ阿弥陀如来像としては、最古の像なのだそうです。

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千手観音菩薩坐像(葛井寺) (⇒特別展HPより)

そして特別展の中で一番人が多く集まっていたのは、葛井寺の千手観音菩薩坐像でした。
千手観音の脇手は省略されて造られることがほとんどですが、こちらの観音様には実際に千本の腕があります。
脇手は体から放射線状に伸び、まるで光背のようです。
普段は厨子に入っていますが、こちらの特別展では360度どちらの方向からも拝観することができます。

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千手観音菩薩坐像(雲辺寺) (⇒特別展HPより)

こちらは雲辺寺の千手観音菩薩坐像。
ふっくらした丸いお顔に、穏やかな表情をなさっている、藤原仏らしい優美な仏様です。

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如意輪観音菩薩坐像(神呪寺) (⇒特別展HPより)

兵庫県の古刹・神呪寺の如意輪観音菩薩坐像は、年に一日だけ御開帳があるのですが、なかなか都合がつかなかったため、今回の特別展でお会いできて感激しました。
思索的な表情と、ぐいと体を捻った独特の姿勢で、密教仏らしい神秘的な雰囲気を漂わせています。

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ユニークなのは、特別展の中に撮影可能なコーナーがあったこと。
こちらは仁和寺の観音堂の内部を再現しており、壁画等は複製ですが、仏像は実際のお堂に安置されているものです。
仏像は近世の作のようですが、特別展で実物を撮影できる機会は滅多にありません。
仁和寺展は2018年3月11日まで。
会期は残りわずかですので、興味のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。

2018.2.23

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