円福寺(千葉)・飯沼観音(2)



別名・飯沼観音と呼ばれている円福寺は、平安時代の創建と伝えられている古刹で、坂東三十三観音霊場の第27番札所として名を馳せています。



本堂前には立派な阿弥陀様がいらっしゃいました。
かなりの存在感ですね



境内には見事な五重塔も建っています。
鎌倉時代以降にこの地を治めた海上氏の帰依を受け、かつて境内には多くの堂宇が建ち並んでいましたが、太平洋戦争によってそのほとんどは焼失してしまいました。
立派に再建された建物を見ていると、このお寺が今も篤い信仰を集めていることがよくわかります。



参拝を終え、観音駅へ戻りました。



お目当ては構内の売店で売られている名物のタイ焼き



ほのかな甘みの餡子がとっても美味でした

さあ、次は再び銚子電鉄に乗って、犬吠駅へと向かいます。

2011.12.25
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円福寺(千葉)・飯沼観音(1)

昨年いすみ鉄道に乗って以来、ローカル線愛に目覚めた私(笑)
今回は、濡れ煎餅で有名な銚子電鉄に乗って、銚子のお寺巡りをしてきました



私の住む千葉市内から銚子までは電車で約2時間ほど。
ちょっとしたプチ旅行の気分です。
憧れの銚子電鉄の乗り場は、JR銚子駅のホームの隅にありました。



おおっ!
真っ赤に塗られた一輌編成の電車を発見♪



車輛の先頭には可愛らしいクリスマスの飾り付けが付いていました



今回は銚子市内を電車で巡る計画のため、一日乗車券をゲット
この一日乗車券には、銚子電鉄名物の「ぬれ煎餅」引換券も付いています。

いざ銚子の旅へ出発〜!

がったん、ごっとん。
ゆっくりと電車が進み出しました。
車内には立派な一眼レフを持った方もちらほら。
やはり銚子電鉄は鉄道ファンに人気が高いようです。



…おやっ?
車内に手書きのポスターが貼られていました。
地元の豆腐屋さんのポスターにいたっては、なんと貼り絵のようです。
なんだかほっこり気分になりますね



さあ観音駅に着きました。
ここから10分弱ほど歩くと…。



坂東三十三観音霊場の第27番札所である飯沼観音が見えてきます。

(つづく)

寛永寺(東京)・根本中堂特別参拝

上野動物園や博物館など、数多くの人気施設が建ち並び、広大な敷地を持つ上野恩賜公園。
この上野公園一帯が、江戸時代には寛永寺という大寺院の境内であったことをご存知でしょうか?

 (寛永寺に展示されていた上野公園の航空写真)

寛永寺は江戸の鬼門守護のために三代将軍・家光によって創建され、徳川家の篤い帰依を受けて隆盛を極めましたが、戊辰戦争の際に伽藍の多くを失いました。
今も公園内には清水観音堂や五重塔など、かつての繁栄ぶりを偲ばせる堂宇が点在しています。



現在の寛永寺の本堂は東京国立博物館裏手にひっそりと建っており、公園内の賑わいとは対照的に、落ち着いた雰囲気が漂っています。



この寛永寺でお正月に行われた、根本中堂と呼ばれる本堂の特別参拝に行ってきました。



堂内には想像以上に多くの尊像が並んでおり、その華やかさに目を見張りました。
中央の閉じられた厨子の前にはお前立ちの薬師様、その周辺を十二神将や四天王が取り囲んでいます。

秘仏である本尊は滋賀県の石津寺、両脇侍は山形県の立石寺から移されたもので、造像年代は寛永寺の創建より古く、平安時代の作と推定されているそうです。
将軍家の威信をかけて、このお寺へ移されたのでしょう。



記念に美しい散華をいただきました。



境内にいらっしゃった可愛らしい六地蔵様。
赤いニット帽を被って、とっても暖かそうです

2012.1.2

徳大寺(東京)・摩利支天御開帳

1月2日、以前このブログで紹介したことがある(⇒前回の記事はコチラ)、上野の徳大寺を参拝してきました。



徳大寺へのアクセスはまず、アメ横商店街の入口から始まります。
数分ほど歩いて行くと…。



商店街の上にお寺が見えてきました



年始早々、徳大寺を参拝したのには理由があります。
実は毎年お正月の三が日に本尊の摩利支天様が特別開帳されるのです。
(※実際に参拝なさる方は、必ず事前にお寺の方に確認を取ってください)

摩利支天は仏教の守護神で、日本では特に中世以降に信仰されてきました。
女神像で造られることもありますが、特に有名なのはイノシシに乗る男神像としての摩利支天。
神様がイノシシに乗っていらっしゃるだなんて、何だかユニークな感じがしますね
摩利支天の造像例はかなり少ない為、私も今までほとんど拝したことがなく、この御開帳をとても楽しみにしていました。



お寺の方に伺ったところ、御祈祷の際に本尊の厨子が開かれるということなので、朝の10:00の回に参加させていただくことに。
本堂には多くの方々が並び、この摩利支天様が今も篤い信仰を集めているということが実感できました。
やがて御祈祷が始まり、サッと厨子が開かれると…。

厨子の中には小さな尊像が安置されていました。
像高は20〜30cmくらいでしょうか。
尊像の前には薄い布のようなものが掛けられており、詳しい像容はわからなかったものの、イノシシに乗る男神の姿がおぼろげながらも見えました。
徳大寺の摩利支天像は関東大震災や東京大空襲など、数々の厄災を免れてきたため、現在でも厄祓いの神様として信仰されているそうです。



参拝を終えてアメ横で買い物を楽しんでいると、徐々に沢山の人で賑わってきました。
活気づく商店街の上に建つ不思議なお寺は、長い間愛されてきた摩利支天様をお祀りするのにとても相応しい感じがしますね

2012.1.2

八坂神社(福井)・隠された仏像



福通寺を参拝した後、同じ越前町にある八坂神社の仏様たちにお会いしに行きました。



福井県屈指の古仏として有名な尊像は、現在こちらの収蔵庫に安置されています。
中に入ると正面に見事な三体の如来様がいらっしゃるのが見え、思わず息をのみました。
(⇒福井県HPの写真はコチラ)

向かって左から釈迦如来、阿弥陀如来、阿弥陀如来。
像高は140〜145cmほどで、いずれも平安後期の作と推定され、重要文化財の指定を受けています。
大きさや造られた時代はほぼ同じですが、螺髪や衣文、お顔の表情などにそれぞれ特徴があり、尊像を彫り上げた仏師の個性やこだわりを感じました。

神社の方のお話では、なんとこの仏様たちは、昭和38年の本殿造営の際に旧内陣の床下から発見され、こちらに安置されるようになったのだそうです。
これは明治期の廃仏毀釈の際に尊像が破壊されることを恐れ、大切に床下へ隠した為ではないかと考えられているとのこと。
仏像を何としてでも守ろうとした、昔の方々の思いが伝わってくるようです。

またこちらの八坂神社には、十一面女神坐像という、不思議な女神像が安置されています。(⇒写真はコチラ)
像高62.6cmで平安末期の作。
十一面観音のように頭上に十一の化仏を頂いている女神像で、神仏習合の影響を強く受けていると考えられており、全国的にも大変珍しいそうです。
この地で仏教文化が独自の発展を遂げていたということがよくわかりますね。

2011.9.20

福通寺(福井)・朝日観音(2)



福通寺を参拝したあと、近くの日吉神社へ向かいました。
福通寺のご住職と地元の方のご好意で、こちらに安置されている仏様たちをお参りさせていただいたのです。



中にはつやつやと美しい黒色に輝く金剛界の大日如来様がいらっしゃいました。
両脇にはお地蔵様と観音様が安置されています。



像高160cmで檜の寄席木造。
福井県の文化財に指定されています。
体躯はがっちりとして量感があり、非常に意思の強そうなお顔立ちです。
肉厚な膝は大きく張り出し、その堂々とした様子が、大日様の威厳をより一層際立たせていました。

かつて福通寺でお祀りされていたこの大日様は、戦国時代に戦火から守るために日吉神社へ隠され、難を逃れたのだそうです。
それ以来こちらの神社に安置されたまま現在に至っていますが、朝日観音様の本開帳の際は、何とお寺に里帰りされます。
地元の方々が尊像を大切に運ぶ様子を映した動画がありますので、ぜひご覧になってください。(⇒お寺HPのリンクはコチラ)

昔からの伝説のもと、寺へ里帰りされる大日様。
不思議で温かい気持ちになりますね。



仏像を巡って全国を旅するうちに、仏像にまつわる伝説や歴史に強く惹かれるようになりました。
何百年もの間、信仰され、大切に守られ続けてきた仏像には、必ず物語があります。
守ってきた人々の想い、その土地の風土、文化。
それらを纏っているからこそ、仏像は拝する者の心を捉えて離さないのでしょう。

お世話になった福通寺のご住職、地元の皆様、本当にありがとうございました

2011.9.20

福通寺(福井)・朝日観音(1)

小松市を出発し、福井県へ。
福井県屈指の古刹、福通寺がある越前町へと向かいました。



福通寺の創建は奈良時代にまで遡ると伝えられており、別名・朝日観音と呼ばれて、古より篤い信仰を集めてきました。
実はご本尊の観音様には、次のような不思議な伝説があるのです…。

昔々、このあたりを旅していた泰澄大師(越前地方の偉いお坊様)は、暗雲によって光を奪う山の神のたたりに苦しめられている、地元の村人たちに出会いました。
そこで大師が山に籠って観音様にお祈りしたところ、21日間の後、ついに魔は消え失せ、村に光が戻ったのです。
歓喜した泰澄大師は神木を刻み、正観音、千手観音、稲荷・八幡の両鎮守神をお造りになりました。
尊像の開眼供養の時、なんと正観音様の額から朝日のように光が射したので、以来この観音様は朝日観音と呼ばれるようになったのでした…。


本尊の正観音様は秘仏のため、年の決められた日のみ開帳されています。(⇒お寺のHPの写真はコチラ)
像高196cmで檜の寄木造。
福井県の文化財に指定されています。
涼しげな眼差しと繊細な指が美しい、鎌倉期の優美な観音様です。




ご住職にお願いして、本堂横の千手堂にお祀りされている千手観音様をお参りさせていただきました。
(※本尊の正観音様とは別の観音様です)



中にいらっしゃったのは、眩いばかりに金色に輝く、美しい千手観音様でした。
像高172cmで檜材の一木造。
本尊の観音様と同じく鎌倉期の作と推定されており、福井県の文化財に指定されています。



お顔立ちは凛として気品に満ち溢れています。
太い合掌手が特に印象的で、背後に放射線状にすらりと伸びる脇手は、あたかも光背のようにも見えました。



いかにも一木造らしい、どっしりとした豊満なお体は、拝する者に安らぎを与えてくださいます。

(つづく)

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします

昨年は15の都道府県を駆け巡り、たくさんの仏像にお会いしました。
今年の目標は何と言っても、数年来憧れ続けてきた中国・四国地方のお寺巡りを実現させることです
参拝したいお寺が多すぎて、既に収拾がつきません(笑)

仏像に興味を抱き始めたころ、その造形の不思議さや美しさに専ら関心を抱いていた私。
ところが日本各地を巡るにつれ、仏像の持つ物語、歴史、文化、そして仏像を守っている方々の存在を強く意識するようになったのです。

仏像が単なる木や石以上の存在になるのは、それを信仰し、守り続けてきた方々の物語や歴史を、仏像が纏っているからなのだと思います。
そして仏像を拝し、その物語を肌で感じる時、私はただひたすら圧倒されてしまうのです。

超インドア派の私が外へ出かける機会を作ってくれた仏像は、本当に大切な存在です。(←もはや十分すぎるほど出かけてますが…)
今年も全力で駆け巡りますので、よろしければお付き合いくださいね