仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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ちー

Author:ちー
読書と音楽、そして仏像をこよなく愛しています。

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根香寺(香川)・暗闇の五大明王 2012-12-29-Sat

私が初めて四国のお寺に興味を持ったのは、写真家・並河萬里さんの写真集『仏陀巡礼』と出会った時でした。

生涯をかけてシルクロード遺跡の写真を撮り続けた並河さん。
世界各地の仏教遺跡の写真が並ぶなか、私にとって特に衝撃的だったのが、香川県・根香寺の五大明王の写真でした。

暗闇で光る玉眼の瞳、恐ろしい忿怒相から溢れ出る強力なエネルギー。
その鬼気迫る迫力は、四国の仏像にほとんど知識のなかった私に、かつてない強烈なインパクトを残したのでした。



善通寺をレンタカーで出発し、走ること約40分。
高松市中山町の小高い丘を上ってゆきます。



根香寺(ねごろじ)は、弘法大師が五大明王をお祀りしたのが始まりと伝えられている、西国八十八所霊場の第八十二番札所です。
そしてこの不思議なお寺の名は、一之瀬明神のお告げを受けた智証大師が、付近にある蓮華谷の木で千手観音像を彫造したところ、その霊木の切り株から芳香が放たれ続けたという伝承に由来しているそうです。



仁王門には正統派の仁王様がいらっしゃいました。
さすが西国八十八所霊場の札所だけありますね。



他の札所と同じく、境内はお遍路さんたちでいっぱいでした。
あちこちから読経の声が聞こえてきます。
そしてお目当のお堂へ近づいてみると…



憧れの五大明王様がいらっしゃいました。
(⇒高松市のHPはこちら)

像高はほぼ等身大でしょうか。
不動明王(南北朝時代)以外は、いずれの尊像も鎌倉期の作と推定されています。
今にも動き出しそうなほど写実的で、生き生きとしており、いかにも鎌倉仏らしい躍動感に溢れています。
薄暗いなかギラリと光る玉眼の瞳をじっと見つめていると、体を射すくめられるような気持ちになりました。

尊像までは距離があり、詳細は見えなかったものの、数年来憧れ続けてきた尊像にお会いできた喜びは格別でした。

2012.9.13

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松虫寺(千葉)・七仏薬師御開帳 2012-12-19-Wed

全国的にも数少ない平安期の七仏薬師が、自分の住む千葉県のお寺に伝えられている。
そのことを知ったのは、地方仏を巡り始めてまだ間もない、今から4〜5年ほど前のことでした。

そのお寺の名は、印西市の松虫寺。
聖武天皇の第三皇女であったという松虫姫の不思議な伝説が残る、県内屈指の古刹です。
早速お寺を参拝した私は、そこで初めて、その尊像が基本的には33年に一度しか開帳されない、厳重な秘仏であるということを知ったのでした。

やがて月日は経ち…
つい先日、その七仏薬師様の御開帳があるということを偶然知り、再び松虫寺を参拝してきました。
期待で胸が膨らみます。



お寺の最寄駅は北総線の日本医大駅。
駅周辺には、いかにもニュータウンらしい、新しくて統一された街並みが広がっていました。



駅から15分ほど歩くと、のどかな田畑が見えてきます。



地面に這うように枝を伸ばす、見事な大木です。
このあたりは周辺地域のなかでも特に古い集落なのかもしれません。



さらに少し歩くと、目的地である松虫寺に辿りつきました。
33年に一度の御開帳だけあって、沢山の参拝客で賑わっています。



堂内に入ったところ、ちょうど開帳の法要が始まるところでした。
そしてその奥に…



憧れの七仏薬師様がいらっしゃいました。

まず驚いたのは、その華奢なお体です。
像高は中尊坐像で54.3cm、両脇の立像はいずれも38cmほど。
カヤの一木から造られており、素地仕上げの木肌が、シンプルな美しさを感じさせます。
小さなお体がとても可愛らしく、じっと見つめていると思わず笑みがこぼれました。

読経の声が響くなか、参拝者が列を作って、薬師様に祈りをささげてゆきます。
中尊からは結縁の紐が伸び、お堂の外に建つ回向柱へと繋がっていました。



普段は保護のため収蔵庫に安置されている薬師様も、この御開帳の日だけは、元々のお住まいである本堂へと戻られます。
きっとこの華やかな一日を、くつろぎながら楽しんでおられることでしょう。

2012.11.18

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正花寺(香川)・一木の菩薩像 2012-12-12-Wed

高松市の正花寺(しょうけじ)は、天平年間に行基菩薩が創建したと伝わる、香川県屈指の古刹です。



約束の時間より少し早く着いたにも関わらず、ご住職が既に外で待っていてくださいました。



つい最近建てられたという立派な収蔵庫にいらっしゃったのは、優美に佇む菩薩様でした。
榧の一木造で、像高は139cmほど。
その美しいお姿から、四国を代表する仏像として知られており、かねてよりずっとお会いしたいと思ってきた、憧れの仏様です。



唐招提寺などの天平仏の面影を残しつつも、面相はやや和様化が進んでおり、平安初期の作と推定されています。
むっちりとした豊満な体躯は、拝する者をおおらかに包みこんでくださるかのよう…。




「私が元気なうちに、何としてでも収蔵庫を建て直しておきたかったんですよ。
 何百年もの間、沢山の人たちがそうやってこの菩薩様を守ってきたんですから」

御齢90歳になられるという、ご住職の仰った言葉が今も忘れられません。
拝観の際はとても親切にしていただき、貴重なお話を沢山聞かせていただきました。



美術館や博物館の仏像は勿論素晴らしいけれど、やはり私はお寺でお会いする仏像が一番好きです。
それは仏像と、仏像を守っている方々が寄り添って暮らす、温かで、どこか懐かしい風景を見るのが、たまらなく好きだからなのでしょう。
旅人の私にとって、それはほんの短い時間の出来事かもしれません。
でもその一瞬の感動を求めて、これからも旅を続けてゆくのでしょうね。

2012.9.13

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善通寺(香川)・ユニークな五百羅漢さん 2012-12-06-Thu

香川県善通寺市は、弘法大師生誕の地として知られています。



その善通寺市の名の由来となっているのが、こちらの善通寺。
大師自らが建立したと伝わる、四国八十八箇所霊場の第七十五番札所です。



四国屈指の古刹だけあり、平日にも関わらず沢山の参拝者やお遍路さんたちで賑わっていました。



こちらは東院にある金堂です。
中には像高3メートルにも達する江戸期の薬師如来がお祀りされており、重厚感溢れるお堂と相俟って、荘厳な雰囲気を放っていました。



善通寺は創建の地である東院、弘法大師生誕の地と伝わる西院に分かれており、東院側には境内をぐるりと取り囲むように、沢山の五百羅漢像が並んでいます。

 「おかわり!」

 「えへへ!」「お前は調子いいなぁ〜」

像高はほぼ人間と同じくらいでしょうか。
どの像も生き生きとして、実にユーモラスです。

 「こ、こら!くすぐったい」

 「ジャーン!」 

 「この仏ノート、格好いいでしょ!」

(※あくまで全て想像)

どの羅漢さんも個性たっぷり。
一つ一つの像から物語が伝わってくるようで、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。

そうそう、境内で面白いものを見つけましたよ。



ボタンを押すとお寺の説明が流れるという自動音声案内。
本当にとっても爽やかな声でした(笑)

2012.9.13

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