根香寺(香川)・暗闇の五大明王
私が初めて四国のお寺に興味を持ったのは、写真家・並河萬里さんの写真集『仏陀巡礼』と出会った時でした。生涯をかけてシルクロード遺跡の写真を撮り続けた並河さん。世界各地の仏教遺跡の写真が並ぶなか、私にとって特に衝撃的だったのが、香川県・根香寺の五大明王の写真でした。暗闇で光る玉眼の瞳、恐ろしい忿怒相から溢れ出る強力なエネルギー。その鬼気迫る迫力は、四国の仏像にほとんど知識のなかった私に、かつてない強烈...
松虫寺(千葉)・七仏薬師御開帳
全国的にも数少ない平安期の七仏薬師が、自分の住む千葉県のお寺に伝えられている。そのことを知ったのは、地方仏を巡り始めてまだ間もない、今から4〜5年ほど前のことでした。そのお寺の名は、印西市の松虫寺。聖武天皇の第三皇女であったという松虫姫の不思議な伝説が残る、県内屈指の古刹です。早速お寺を参拝した私は、そこで初めて、その尊像が基本的には33年に一度しか開帳されない、厳重な秘仏であるということを知ったので...
正花寺(香川)・一木の菩薩像
高松市の正花寺(しょうけじ)は、天平年間に行基菩薩が創建したと伝わる、香川県屈指の古刹です。約束の時間より少し早く着いたにも関わらず、ご住職が既に外で待っていてくださいました。つい最近建てられたという立派な収蔵庫にいらっしゃったのは、優美に佇む菩薩様でした。榧の一木造で、像高は139cmほど。その美しいお姿から、四国を代表する仏像として知られており、かねてよりずっとお会いしたいと思ってきた、憧れの仏...
善通寺(香川)・ユニークな五百羅漢さん
香川県善通寺市は、弘法大師生誕の地として知られています。その善通寺市の名の由来となっているのが、こちらの善通寺。大師自らが建立したと伝わる、四国八十八箇所霊場の第七十五番札所です。四国屈指の古刹だけあり、平日にも関わらず沢山の参拝者やお遍路さんたちで賑わっていました。こちらは東院にある金堂です。中には像高3メートルにも達する江戸期の薬師如来がお祀りされており、重厚感溢れるお堂と相俟って、荘厳な雰囲...
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