竹林寺(高知)・五台山の古刹

吸江寺参拝のあと、五台山と呼ばれる小高い丘をレンタカーで登ってゆきました。

変換~P1060904

辿り着いたのは、四国八十八箇所霊場第三十一番札所・竹林寺です。
この五台山という山号、お寺の建つ地形が中国の五台山に似ている事から命名されたのだそうです。
本家の中国・五台山が文殊菩薩の聖地であることから、この竹林寺も文殊菩薩が本尊(秘仏)として祀られています。

変換~P1060907

境内にはとても珍しい五智如来の石像が安置されていました。
赤い帽子、胸当てがまるでお地蔵様みたいで可愛らしいですね。

変換~P1060935

竹林寺は四国屈指の文化財の宝庫として知られており、こちらの収蔵庫にその貴重な仏像群が安置されています。
建物に入ってみると、近代的な収蔵庫のなかには十数体の尊像がずらりと並んでおり、その迫力に思わず息をのみました。
(⇒お寺のHPの写真はコチラ)

残念ながら本尊の文殊菩薩様は秘仏のため拝観できませんでしたが、収蔵庫内には鎌倉期の大日如来、藤原期の阿弥陀如来など、いずれも国の重文指定を受けている尊像が安置されており、時間を忘れて見入っていました。

変換~P1060958

拝観の後は、五台山の展望台へ。
高知市内が一望でき、まさに絶景でした。

2013.9.15
スポンサーサイト

吸江寺(高知)・パゴタの地蔵菩薩

高知港から程近い、五台山という小高い丘のふもとに、臨済宗の古刹・吸江寺があります。

変換~P1060866

歴史を感じさせる石段を登ってゆくと…

変換~P1060893

大きなパゴタが見えてきました。
臨済宗のお寺にパゴタ?
不思議に思い、お寺の方にお話を伺ったところ、太平洋戦争のビルマ戦死者を慰霊するために建てられたのだそうです。
そしてこのパゴタのなかには…

変換~P1060869

実に堂々としたお地蔵様がいらっしゃいました。
像高86.0cm。
室町時代の作と推定されています。
吸江寺を創建した夢窓国師が、足利尊氏の守本尊をこちらへ移したと伝えられているそうです。

変換~P1060871

玉眼の瞳は凛々しく、意志の強そうなお顔立ち。
武将の信仰を集めたという話もなるほどと頷けます。
所々に残る極彩色を見ていると、かつての華やかなお姿が目に浮かんでくるようでした。

2013.9.15

禅師峰寺(高知)・鎌倉期の仁王像

雪蹊寺参拝の後、南国市にある禅師峰寺を目指しました。
ところがカーナビが示す方向を行こうとすると、道路工事中で先へ進めません。
どちらへ行ってよいのか分からず、何度も同じ所を行ったり来たり。
困り果てて地元の方に道を伺ったところ、なんと車で誘導していただけることに。
見知らぬ土地での人のご親切が胸に染みました。



やっとの思いで辿り着いた山門です。



禅師峰寺は聖武天皇の勅命により行基が創建したと伝わる古刹で、四国八十八箇所霊場の第三十二番札所として篤い信仰を集めてきました。
御本尊は「船魂の観音」と呼ばれており、漁師や船乗りはもちろんのこと、土佐藩政時代には参勤交代などで浦戸湾から出航する歴代の藩主たちも、この観音様に航海の無事を祈ったそうです。



そして私が特に楽しみにしていたのがこちらの収蔵庫に安置されている仁王様です。
事前にお願いをして拝観させていただきました。



阿形・吽形ともに像高は140~145cmほど。
吽形像内に、正応4年(1291年)に定明によって造られたという銘が発見されたそうです。

 

ギョロリと前方を睨みつける玉眼の瞳、筋骨隆々の体躯に、鎌倉仏らしい力強さが漲っています。
おそらく中央の仏師の手によるものでしょう。
ぐいと捻った腰、風を受けてはためく裳には動きがあり、仏師の並々ならぬ力量を感じます。



境内からは美しい土佐の海が一望できました。
何百年もの歴史のなか、たくさんの人々がこの景色を眺め、大海原へと旅立って行ったのでしょうね。

2013.9.15

雪蹊寺(高知)・湛慶の毘沙門天

四国旅行もいよいよ三日目。
この日は高知県のお寺を巡りました。



初めに参拝したのは高知市の雪蹊寺。
弘法大師が創建したと伝わる、四国八十八箇所霊場の第三十三番札所です。



本尊は薬師如来ですが、このお寺で特に有名なのが、鎌倉時代の仏師・湛慶の作である毘沙門天像です。
事前にお願いをして、収蔵庫の仏像群を拝観させていただくことに。



収蔵庫には多くの貴重な尊像がずらりと安置されていました。

まず目に入ったのは中央の薬師三尊です。
(⇒高知市のHPはコチラ)
像高は中尊が139.5cm、脇侍の日光・月光菩薩は174cmほど。
鎌倉期の寄木造です。
いずれも洗練された作風であることから、中央仏師の作と思われます。

そしてその薬師三尊の向かって左側に、お目当ての毘沙門天、脇侍の吉祥天・善賦師童子が安置されていました。
(⇒高知市のHPはコチラ)
毘沙門天の像高は168.0cm、脇侍はそれよりも少し小さく、それぞれ70~80cmほど。
いずれも鎌倉時代の仏師・湛慶の銘が残されているそうです。

湛慶は鎌倉期の有名仏師・運慶の子であり、自身も三十三間堂(京都)の本尊・千手観音坐像などを造って活躍した、才能あふれる仏師でした。
雪蹊寺の毘沙門天像は、その湛慶の代表作のひとつとして知られています。
腰をぐいとひねった恰幅のよい体躯、意思の強そうな表情に、鎌倉仏らしい躍動感が漲っています。
対して脇侍の善賦師童子の顔は実に可愛らしく、吉祥天は繊細な美しさをたたえており、それぞれの個性溢れる造形に、名仏師・湛慶の力量が余すところなく発揮されていました。



お寺を参拝した後は近くの土佐湾へと向かいました。



見渡す限りに広がる美しい海。
思わず時間を忘れてしばし眺めていました。

2012.9.15