慈恩寺(山形)・鎌倉期の十二神将

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寒河江市の慈恩寺は、東北地方で最も有名なお寺のひとつではないでしょうか。
その創建は古く、奈良時代にまでさかのぼると伝えられています。
1108年には鳥羽上皇の勅宣により藤原基衡が寺院を修復し、天台宗・真言宗兼学の寺であるとともに、修験道の霊場としても栄えたそうです。

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立石寺御開帳にあわせてお参りしたところ、ちょうどこちらのお寺でも秘仏展が開催されていました。

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境内の三重塔です。
山形県の文化財に指定されています。

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そしてこの慈恩寺で特に有名なのがこちらに安置されている十二神将像です。
(⇒お寺のHPはコチラ)

お堂の中央に鎌倉期の薬師三尊、その後ろにお目当ての十二神将が安置されていました。
十二神将の像高は85~115cmほど。
仏像としては決して大きな方ではありませんが、ぐいと捻った体躯には動きがあり、表情も個性豊かで、一体一体が存在感に溢れています。
体の所々に彩色が残り、造像当時は肌が朱や緑に塗られていたことが今もわかります。
極彩色に輝くお姿は、さぞかし煌びやかであったことでしょう。
それぞれ頭上に十二支を据えておられ、私も自分の干支の尊像の前で、じっくりと手を合わせてお参りをしました。
お寺の方のお話によると、十二体のうち八体が鎌倉期、残りの四体は江戸時代の後補とのことで、確かによくお姿を拝すると、後補の像の方が体の動きに若干のぎこちなさが感じられました。


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さて参拝を終え、境内にあるお茶屋さんで休憩。
ずんだ団子をいただきました。
想像以上の美味しさにビックリ!
皆様も慈恩寺に参拝なさる際は是非召し上がってみてくださいね♪

2013.5.11
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立石寺(山形)・薬師如来御開帳

5月中旬、山形市にある立石寺の御開帳に行ってきました。

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なんと50年ぶりの御開帳とのことで、土日は2~3時間待ちという情報もありましたが、私が参拝した日はかなりの悪天候だったため、ほぼ待ち時間なしで参拝することができました。

緊張しながら中央の厨子を見上げると…
中にいらっしゃったのは堂々たる平安期の薬師如来様でした。
(⇒写真はコチラ)
像高129.7cm、カツラの一木造。
まず印象的だったのは、大きな切れ長の瞳です。
顔は四角く張り、体躯はどっしりとして、力強い、男性的な印象を受けました。

比較的空いていたため、お堂の端に寄り、少し離れて厨子を眺めることに。
50年後、果たしてこのお姿を再び拝することができるのか。
人間の生の短さと、この薬師様が歩まれた時の長さとに思いを馳せながら、しばし佇んでいました。

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さて立石寺といえば、奥の院まで続く長い長い階段が有名です。
あいにくの悪天候でしたが、せっかくなので私もチャレンジしました。

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息を切らせ、木々の間に伸びる石段を一歩一歩と登ってゆきます。

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岸壁には無数の石仏が置かれ、山全体が信仰の対象であることがよくわかります。
まさに山寺という別称に相応しい、厳かな光景です。

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汗だくになりながら奥の院へ。

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さらに歩き、境内随一の眺めという五大堂に向かいました。

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見渡す限りに広がる山々。
あたりには靄がかかり、遠くが白くかすんで見えました。

2013.5.11

庄薬師堂(愛媛)・二体の菩薩像

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大宝寺参拝の後、四国旅行の最終目的地である松山市庄地区へ。

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集落の入口で可愛らしいお地蔵様にお会いしました。
長い間ずっとここで住民を見守り続けてきたのでしょうね。

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さらに数分ほど歩くと、小さなお堂が見えてきました。
中を覗いてみると…

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「あっ…!」
何と目の前には巨大な丈六の薬師様がいらっしゃったのでした。
像高250cmで檜の寄木造。
全く予備知識が無かっただけに、その貫録たっぷりのお姿にとても驚きました。
近くに立てられていた案内板によると、尊像は室町期の作と推定されており、愛媛県下の地方仏では最大とのこと。

お堂の外からじっと内部を眺めていると、拝観予約をお願いした時間となり、管理をなさっているお寺の方がいらっしゃいました。
お願いをしたところ、快く中に入れていただけることに。

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堂内へ入ってみると、薬師様の両側には数多くの破損仏が安置されていました。
天部、菩薩、はたまた破損が進み過ぎてお姿がほとんどわからない像まで、所狭しとびっしり並んでいます。
このあたり一帯には相当な数の堂宇が建ち並んでいたのでしょう。

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そして次に、本堂の向かい側にある収蔵庫を拝観させていただきました。
こちらに安置されているのは、今回の四国旅行でも特に楽しみにしていた尊像です。

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中にいらっしゃったのは二体の菩薩様たち。
いずれも古様なお姿をなさっており、かなり古い時代の作であるということが素人目にもすぐわかります。

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向かって右側の菩薩様は像高2.15mで檜の一木造。
唐招提寺などの奈良朝風の彫刻が顕著ですが、翻波式の衣文が彫られていることから、平安初期の作と推定されています。

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左の菩薩様の像高は2.04m。
同じく一木造ですが、材質は不明のようです。
そしてこの菩薩様の最大の特徴は木心乾漆像であるということ。
木心乾漆像とは、概形を木彫で作った上に麻布を貼り、そこに漆を盛り上げて完成させる像で、奈良時代から平安初期のごく一時期に造られました。
関西圏を除いては全国的にほとんど作例がなく、こちらの仏様たちがどこで造られたのかは不明ですが、古くからこのあたりが重要な地であったことが窺えます。

四国旅行全ての拝観を終え、お寺の方から教えていただいた近くの高台へと歩いて上ってゆきました。

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息を切らせて辿り着くと、高台からは庄地区の集落が一望できました。
家々の向こうに緑豊かな田園地帯が広がっています。
かつては一帯に広がっていたであろう大伽藍に思いをはせながら、その長閑で美しい風景を眺めていました。

2012.9.16