大法寺(長野)・一木の十一面観音

大法寺は今回の長野旅行で最も参拝を楽しみにしていたお寺のひとつです。
私が初めてこのお寺を知ったのは、故・丸山尚一さんの著作で、美しい十一面観音立像の写真を見た時でした。

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お寺が位置するのは小県郡青木村。
緑や水の恵み溢れる、のどかな土地です。

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お堂に向かう道すがら、可愛らしい石仏にお会いしました。
羅漢さんでしょうか。
みなさんニコニコ笑って楽しそうです。

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やがて国宝の三重塔が見えてきました。
正慶二年(1333年)に造立された、長野県を代表する建築物です。
その姿があまりにも美しいため、つい旅人がふり返って塔を見てしまう、そのことから「見返りの塔」と呼ばれるようになったとも言われています。
なるほど、確かに眺めていると時間が経つのを忘れてしまう見事さです。

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そして本尊の観音様がいらっしゃるのはこちらのお堂。
事前にお願いをして拝観させていただきました。
(⇒青木村観光協会の写真はコチラ)

そのお姿を拝した時、想像していたよりずっと小柄なことに驚きました。
像高170.9cmの一木造。
11世紀頃の作と推定されています。

珍しいのは目を完全に閉じているということ。
穏やかな表情で瞑想なさっているのでしょうか。
ふっくらとしたお顔に、長く弓なりに伸びた眉毛がとても美しく映えています。

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お寺の近くにはコスモス畑が広がっていました。
心が躍り、車を停めてうっとりと眺めます。

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里のあちこちで秋の訪れを感じました。

2012.10.6
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無量寺(長野)・藤原期の阿弥陀如来

少し前のことになりますが、去年の秋に長野県のお寺巡りをしてきました。
全てを紹介するのは難しそうですが、特に印象的だったお寺を中心に、しばらくのあいだ旅行記事を書こうと思っています。
よろしければお付き合いくださいね。

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3連休の初日、中央自動車道の大渋滞に遭遇してしまい、予定より大幅に遅れて長野県へと入りました。
まず最初に参拝したのは箕輪町の無量寺。
こちらのお寺には藤原期の阿弥陀如来座像が守り伝えられています。

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境内には風情ある阿弥陀堂が建っていました。
かつてご本尊はこちらのお堂に安置されていましたが、国の重要文化財の指定を受け、現在は防火設備を備えた収蔵庫に移されています。

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中にいらっしゃったのは…

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三体の美しい御仏たちでした。
阿弥陀如来を中心に、向かって左が地蔵菩薩、右が聖観音。
一般的な阿弥陀三尊の編成とは異なりますが、両菩薩の造像も中尊とほぼ同じ頃と推定されています。

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中央の阿弥陀様の像高は114.5cm。
柔和なお顔立ちをなさっており、衣文は流麗で、非常に洗練された雰囲気を漂わせています。
おそらく中央仏師の作でしょう。
胎内には藤原忠成ら34名の名前が墨で書かれており、藤原氏一族の祈願によって造像されたと考えられています。
このあたりは当時、藤原氏の荘園だったようです。

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参拝を終えて境内を歩いていると、とても珍しい石の建造物がありました。
宝塔のまわりを不動明王、地蔵菩薩、さらには天部や高僧がぐるりと取り囲んでいます。

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これらの建造物は1803年に無量寺住職が建立し、地元の石工・木下平右衛門が造営にあたったという記録が残っているそうです。
その彫りは緻密で躍動感に溢れ、石工の並々ならぬ技術の高さを示しています。
このような形態の石造物は見るのは初めてだったため、その規模の大きさ、尊像が立ち並ぶ壮麗さにとても驚きました。

2012.10.6

鹿児島・熊本へ行ってきました♪

平成25年10月12日~14日に鹿児島・熊本へ行ってきました。

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*10月12日(鹿児島市内)
尚古集成館→西郷洞窟→鶴丸城址

*10月13日(鹿児島県内)
桜島→知覧特攻平和会館

*10月14日(熊本・鹿児島)
城泉寺→願成寺→岩堂観音→南洲寺

いずれブログにアップする予定ですので、よろしければご覧になってくださいね♪

大蔵寺(福島)・一木の千手観音

二泊三日の東北旅行、最後に福島市の大蔵寺を訪ねました。

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大蔵寺は平安時代に坂上田村麻呂が東北鎮護のために創建したと伝わる古刹です。
境内には時代を感じさせる古いお堂が建っていました。

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そしてこちらのお寺で特に有名なのが収蔵庫に安置されている観音様。
事前にお願いをして拝観させていただきました。
(⇒福島市HPの写真はこちら)

収蔵庫の扉が開いた瞬間、その途方もない大きさに息を飲みました。
像高はなんと3.98m。
驚くべきはこれだけの大きさでありながら、カヤの一木造であるということです。
相当な巨木であったであろうことから、かつてはご神木であったのかもしれません。
堂々とした体躯に、力強い眼差し。
大自然そのもののような、大らかさな美しさに溢れた観音様です。
造像は10世紀頃と考えられており、平安時代の仏像では岩手県の成島毘沙門堂の毘沙門天像に次ぐ巨像だそうです。

収蔵庫内には他にも多数の破損仏が安置されていました。
摩耗が進んでいるため尊名がわからない像もありますが、それでも長い時の重み、信仰の重みを、拝する者にひしひしと実感させてくれます。

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わわわ!
境内の巨木に物凄い大きさのわらじがぶら下がっていました。
なんと長さ約10m、幅1.5mもあるのだとか。
巨木は「足尾大神の大杉」と呼ばれるご神木で、毎年旧正月の17日前後に大わらじが奉納されるそうです。
お寺の山門などに大わらじがつり下げられているのをよく見かけますが、これほどまでの大きさのものは初めてかもしれません。

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参拝を終えて、近くを流れる阿武隈川へ。
福島県と宮城県を流れるこの川は、東北地方で北上川に次ぐ大河であり、水運、農業などの産業を支え続けてきました。
福島盆地に暮らす人々にとって、阿武隈川がもたらす豊かな恵みは、まさしく観音の功徳そのもののように感じられたに違いありません。

2013.5.13