仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

プロフィール

ちー

Author:ちー
読書と音楽、そして仏像をこよなく愛しています。

カレンダー

02 | 2014/03 | 04
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

検索フォーム

QRコード

QR

善根寺(広島)・平安期の古仏群 2014-03-30-Sun

変換~P1140296

広島旅行の三日目は、三原市の善根寺からスタートしました。

変換~P1140299

善根寺は広島県屈指の古仏が伝えられていることで有名なお寺です。
事前にお願いをして収蔵庫を拝観させていただきました。

変換~P1140302

収蔵庫にびっしりと並ぶ、二十数体の御仏たち。

変換~P1140304

こちらは中尊の薬師如来坐像。
螺髪はほとんど剥がれ落ちて傷みが激しいものの、体のあちこちが補修されており、長い間大切に信仰されてきたことがよくわかります。

変換~P1140308

珍しい兜跋毘沙門天もいらっしゃいました。

変換~P1140309

たくましい地天女がしっかりと毘沙門天を支えています。
わずかに微笑み、頼もしい表情です。
やはり女性は強いですね(笑)

変換~P1140306

尊像の多くは藤原初期の一木造であり、地方仏ならではの個性と力強さに溢れています。

変換~P1140326

これだけの数の仏像が残されているということは、このあたりに相当な大寺院があったことは間違いありません。
しかし残念ながら文書などの記録は全て失われ、現在残された仏像を通してのみでしか、往時の繁栄ぶりを推測することができないようです。

変換~P1140329

こちらは小さな男神像。
神仏習合の影響を強く受けているのでしょう。

変換~P1140340

参拝を終え、黄金色に輝く稲穂をのんびり眺めながら、次の目的地へと向かいました。

2013.9.14

スポンサーサイト

CATEGORY : 広島 Trackback 0 Comment 0 △Page Top

観音の里の祈りとくらし展~びわ湖・長浜のホトケたち~ 2014-03-21-Fri

変換~P1160356

平成26年3月21日~4月13日まで上野の東京藝術大学大学美術館で開催される「観音の里の祈りとくらし展~びわ湖・長浜のホトケたち~」展のブロガー特別内覧会に行ってきました。
(※ブログ内の写真は撮影許可を得ています)

変換~P1160538

長浜市が位置する琵琶湖の湖北地方は、古くから己高山を中心とする天台仏教文化が花開いた地で、そこでは特に観音信仰が盛んに信仰されてきました。
今回の特別展では長浜に伝わる様々な観音像が集められており、個人では拝観が難しい、集落で管理されている仏像なども拝することができる、非常に貴重な機会となっています。

変換~P1160384  
十一面観音立像(田中自治会) 174.1cm 12世紀

私の一番のお気に入りはこちらの十一面観音立像。
田中神社境内に建つ本地堂に安置されている像で、かつての神仏習合の名残を強く感じさせます。
藤原仏らしい柔和なお顔立ちをなさっており、拝する者をほっとさせてくれるような、穏やかな雰囲気を漂わせていました。

変換~P1160363  
十一面観音立像(大浦十一面腹帯観音堂) 149cm 12世紀

こちらは腹帯観音とよばれる、大浦十一面腹帯観音堂の十一面観音立像。
カヤの一木から彫り出されたこの観音様の最大の特徴は、なんといってもそのお腹に巻かれた腹帯でしょう。
子宝や安産に御利益があるとされ、集落の人たちから篤い信仰を集めてきました。
この腹帯には十一面観音、地蔵菩薩、毘沙門天が刷られているそうです。

変換~P1160623 
十一面観音坐像(岡本神社) 99.2cm 12世紀

特別展では他にも、長浜独自の文化が色濃く現れた観音像が展示されていました。
岡本神社の十一面観音坐像は、十一面観音像では珍しい坐像、しかも六本の腕を持つ観音像です。
もともとは千手観音像として造られた可能性があるとも指摘されています。

特徴的なのは頂上面が忿怒相であるということです。
これまでに沢山の観音像を拝してきましたが、記憶にある限りでは、このような像は他に思い当たりません。

変換~P1160406 
十一面観音立像(善隆寺) 101.5cm 10~11世紀

特別展では平安初期から鎌倉時代にかけて造られた、いずれも地方仏ならでの個性に溢れた尊像が18体紹介されています。

変換~P1160453 
千手観音立像(赤後寺) 173.6cm 9世紀 

中でも特に有名なのが、こちらの千手観音立像でしょう。
むっちりとした重厚感に溢れる一木造の体躯、翻波式を刻む衣文などから、9世紀頃の作と推定されています。
湖北地区でも特に造像年代の古い、長浜を代表する観音様です。
現在は腕の先が失われていますが、それがかえって、この尊像に独特の雰囲気を生み出しているようにも思えました。

変換~P1160471  
菩薩形立像(安念寺) 152.5cm 9~10世紀 

摩耗が進み、もはや造像当初の像容がほとんどわからなくなった菩薩像です。
織田信長の比叡山焼き討ちの際、村人が田の中へ隠して難を逃れたという伝説が残されています。
なんと昭和の初めころまでは、集落の子供たちがお堂から像を運び出し、村を流れる余呉川に浮かべて水遊びをしていたそうです。
子供たちの友達のような存在だったのでしょうね。

変換~P1160472

各仏像の紹介の横にはお寺の写真が添えられており、観音様が祀られているその土地の雰囲気を味わうことができます。
私も湖北を何度か旅するなかで、過疎化の進む集落では、地元の方々が協力して仏像を守っていらっしゃるのを強く感じました。
その土地の住民と仏像が寄り添って暮らしている風景は、私にとって非常に感動的で、忘れがたいものとなっています。

「観音の里の祈りとくらし展~びわ湖・長浜のホトケたち~」は4月13日(日)まで開催中です。
皆さま、長浜の素敵な御仏たちにぜひお会いしにいってくださいね♪
(⇒特別展HPはこちら)

2014.3.20

CATEGORY : 美術館・博物館 Trackback 0 Comment 8 △Page Top

大聖院(広島)・万燈会の灯り 2014-03-17-Mon

弥山を下山した後、同じ宮島にある大聖院を参拝しました。

変換~P1140077

大聖院は宮島で最古の歴史を持つ寺院で、明治期の廃仏毀釈の際までは厳島神社の別当寺として栄えました。

変換~P1140082

おお!
清盛公の顔はめパネルです。
一人旅じゃなかったら是非写真撮りたかったなあ…(泣)

変換~P1140086

境内には観音堂本尊の十一面観音、勅願堂本尊の波切不動明王など、数多くの仏像が安置されています。
たまたま私が参拝したこの日は、夜に万燈会が行われるとのことで、時間をあけて再訪することにしました。

変換~P1140243

こちらが夜の風景。
道の両脇に小さな蝋燭が置かれ、参拝者の足元を照らしています。

変換~P1140275

堂内から聞こえてくる読経の声。
普段は夜のお寺に足を踏み入れることは滅多にないため、異世界に迷い込んだような、不思議な感覚に満たされました。
暗闇にほんのりと光る提灯の明かりを見ていると、夜は決して怖いものではなく、人間をふんわりと包みこんでくれる、大らかで優しい存在のようにも感じられてくるのです。

変換~P1140272

灯りに導かれながら境内を歩いてゆくと…

変換~P1140269

お釈迦様が横になっていらっしゃいました(笑)
涅槃像ですが、暗闇の中で拝すると、のんびりお休みになっておられるようにも見えますね。

宮島での参拝を終え、再びフェリー乗り場へ。

変換~P1140284

厳島神社の大鳥居はライトアップされ、昼とは違った幻想的な表情を見せてくれました。

2013.9.13

CATEGORY : 広島 Trackback 0 Comment 0 △Page Top

厳島神社(広島)・平家一門の氏神(2) 2014-03-10-Mon

厳島神社参拝の後は宮島の中央部に位置する弥山を上りました。
せっかくなので、島内を観光しながらロープウェイ乗り場へと向かうことに。

変換~P1140111

こちらは重要文化財の五重塔。
応永14年(1407年)の建立で、和様を基調としながら、細部に禅宗様も取り入れて建てられています。

変換~P1140107

さらに進むと豊国神社本殿が見えてきました。
天正15年(1587年)に豊臣秀吉が戦没者への供養として建立を命じた大経堂で、なんと広さ畳857枚分もあることから、通称・千畳閣と呼ばれています。
秀吉の急死によって工事が中止されたため、未完成のまま現在に至っているそうです。

変換~P1140116

島自体が信仰の対象であったことから、宮島には日本古来の自然が良く残されており、特に弥山山頂付近の原始林は、国の特別天然記念物および世界遺産に指定されています。

変換~P1140128

さあ、ここからはロープウェイで一気に駆け上がります。

変換~P1140145

ロープウェイを下りてから弥山の山頂までは歩いて30~40分ほど。
…が、これがかなりキツい!

変換~P1140159

急こう配の坂道、写真のような岩場と続き、激しい残暑も相まって、なかなか思うように進めません。
まさかここまでの山道だとは全く想像していなかったため、その日はカジュアルな靴を履いており、かなり膝に負担がかかってしまいました。
周囲を見ると、途中で引き返している方も多かったようです。
もし弥山山頂まで上られる場合は、最低でもスニーカー、出来ればトレッキングシューズを履かれることをおススメします。

変換~P1140154

途中いくつかのお堂でお参りをしながら更に進んでゆくと…。

変換~P1140177

ついに山頂へと辿り着きました。
見渡す限りに広がる瀬戸内海と点在する島々。
宮島を愛したかの有名な伊藤博文は、「日本三景の一の真価は弥山頂上からの眺望に有り」と絶賛したといいます。
なるほど、見事な絶景です。

変換~P1130974

そうそう、広島名物といえばこれも忘れてはいけませんよね。
下山した後は参道で焼き牡蠣をいただきました♪

2013.9.13

CATEGORY : 広島 Trackback 0 Comment 3 △Page Top

厳島神社(広島)・平家一門の氏神(1) 2014-03-02-Sun

世界遺産・厳島神社があることで有名な、安芸の宮島へ行ってきました。

変換~P1130934

宮島は古くから島そのものが信仰の対象とされた聖地で、平安時代末期に平清盛が厳島神社を庇護したことにより大きく発展しました。

変換~P1130937

宮島口桟橋からフェリーに乗ること約10分。

変換~P1130966

「いらっしゃーい♪」
可愛い鹿がお出迎えしてくれました。
厳島の鹿は神の使いである「神鹿」として大切にされています。

変換~P1130968

神社までは食堂や土産屋が軒を連ねる参道が続いており、平日にも関わらず沢山の参拝者で賑わっていました。

変換~P1130983

海上に浮かぶ大鳥居です。
間近に見るとその迫力にびっくり!
現在の大鳥居は明治8年(1875年)に再建されたもので、高さ16.6メートルもあるそうです。

変換~P1140007

厳島神社は平家一門の氏神として有名ですが、創建は更に遡り、推古天皇元年(593年)に地元の有力豪族・佐伯氏が神託を受けて建立した社殿が始まりとされています。
建物の多くは国宝の指定を受けており、水上に朱色の柱が並ぶその様は、あたかも艶やかな絵巻物を見ているかのようです。
厳島神社は文化財の宝庫として知られ、中でも平家納経は、平家の財力が惜しみなく注がれた装飾の絢爛豪華さで、一門の権勢を今に伝えています。
この平家納経は通常は公開されていませんが、以前都内の博物館で拝観したことがあり、金箔が散りばめられた大和絵の繊細さに息を飲みました。

変換~P1140022

その平家納経の美しさを思い出しながら社殿を歩いていると、栄華を極めながらも滅びていった平家一門の運命が物悲しく感じられるのでした。

(続く)

CATEGORY : 広島 Trackback 0 Comment 2 △Page Top

| ホーム |