観音寺(和歌山)・二体の観音像

慈光円福院から歩いて15分ほどのところにある観音寺を参拝しました。

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お寺のすぐ近くはショッピングモールや飲食店が並ぶ一画でした。
観音寺は平安時代の観音像が二体伝えられている古刹と聞いていたため、少し驚きました。

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境内に一歩足を踏み入れると、やはり落ち着いた雰囲気が漂っており、身の引き締まる思いがします。
事前に拝観のお願いをして、堂内に入れていただきました。

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こちらは十一面観音坐像。
像高83.7cmで寄木造、南北朝時代の作。
面長なお顔に涼しげな眼差しをなさっており、どちらかと言えば男性的な印象を受けました。
複雑な襞を刻む分厚い衣に宋風の影響が感じられます。

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そしてこちらが聖観音坐像。
像高87.2cmでヒノキの一木割矧造。
藤原時代の作と推定されています。
藤原仏らしい柔和なお顔立ちをなさっており、こちらは女性的な印象が強い観音様です。
一目尊像を拝するなり、その気品あるお姿に引き込まれました。
かつては蓮を左手に握っておられたのでしょうか。
わずかに上げられた右手の指先に、美しい蓮の蕾が見えるようでした。

2014.1.17
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慈光円福院(和歌山)・一木の十一面観音

先日、数年ぶりに和歌山県のお寺巡りをしてきました。
まず最初に参拝したのは和歌山市にある慈光円福院です。

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お寺までは和歌山駅から歩いて20~25分ほど。
駅周辺の繁華街を抜けると、やがて住宅地の多いエリアへと入ってゆきました。

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慈光円福院は江戸時代に長善阿闍梨によって創建された古刹ですが、創建より更に古い、平安前期の十一面観音立像が伝えられています。

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お目当ての観音様はお堂中央の厨子にいらっしゃいました。

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像高137.9cm、ヒノキの一木造。
もとは和佐村の八幡宮の別当寺であった観音院慈光寺の本尊であったそうです。

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特に印象的だったのは、美しい翻波式の衣文でした。
体の所々にわずかに彩色の痕跡が残っています。

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ふくよかなお顔に、涼しげな眼差しをなさっており、唇は小さく結ばれています。
いかにも密教彫刻らしい、神秘的な空気を漂わせた観音様でした。

2014.1.17

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大福寺(千葉)・岸壁の観音像

那古寺から車で5分ほどのところにある、館山市の崖観音を参拝しました。

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崖観音は正式名称を大福寺といい、安房の漁師たちから篤い信仰を集めてきた古刹です。

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駐車場からしばらく歩くと、岸壁に張り付くように建てられた朱色のお堂が見えてきました。
そう、崖観音の名前は、この崖造りの観音堂の中にいらっしゃる磨崖仏に由来しているのです。
現在のお堂はおそらく近年の再建ですが、創建当時、これほどの崖の上に観音堂を建立するのは、命がけの作業であったに違いありません。

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お堂の奥は剥き出しの岸壁になっており、中央には十一面観音像が彫りだされていました。

photo_01.jpg (⇒大福寺HPより)

全体的に摩耗が激しく、はっきりとした像容はわからないものの、左手に水瓶を握っておられるようです。
素朴で力強いお姿でした。

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振り返ると眼下に東京湾が見え、海岸線沿いに漁師町の集落が広がっていました。
海は豊かな恵みをもたらすと同時に、時として圧倒的な厳しさで荒れ狂います。
岸壁の観音様は、高台から漁師たちの安全を優しく見守ってくださっているのでしょう。

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2014.3.23

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那古寺(千葉)・千手観音御開帳

石堂寺参拝のあと、館山市にある那古寺へ向かいました。

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那古寺は坂東三十三箇所札所として知られる名刹で、とりわけ霊場の結願の寺として、古より篤い信仰を集めてきました。
我が故郷・房総でも、最も好きなお寺のひとつです。

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私が参拝したこの日、ちょうど御本尊の特別開帳が行われていました。

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那古寺は過去に何度も参拝したことがありますが、秘仏の御本尊を拝するのはこの時が初めてでした。
堂内に入ると中央奥の厨子が開かれており、中には千手観音立像が安置されていました。
像高はおおよそ120~130cmくらいでしょうか。
おそらく一木の像で、衣文が太く、古様な印象を受けますが、はっきりとした造像年代はわかりません。
護摩の煙にいぶされたためか、体躯は黒ずんでいます。

特徴的なのは、左右に錫杖を持ち、頭上で手を組むという、清水寺形の観音像であるということです。
お寺の方に伺ったところ、頭上の手は調査の結果を受けて、近年の修復で再現されたということでした。
このような清水寺形の観音像は、関東地方では神奈川県の龍峰寺にも安置されていますが(⇒ブログ記事はこちら)、千葉県内で拝したのは、記憶にある限りここが初めてです。

堂内には重要文化財の銅造・千手観音立像も安置されており、こちらは普段から拝観可能となっています。

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参拝を終え、お堂の裏にある石段を上って展望台へ。

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眼前に広がる美しい東京湾。
那古寺を好きな一番の理由は、この素晴らしい絶景にあります。
海辺で暮らす人々が、この高台を特別な場所だと考え、観音像を安置し、篤く信仰してきたことがしみじみと実感できますよね。

2014.3.23



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石堂寺(千葉)・十一面観音御開帳

約1年ぶりに南房総市の石堂寺を参拝しました。

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石堂寺は南房総屈指の古刹で、建築物、仏像など、数多くの貴重な文化財が伝えられています。

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そして今回特に楽しみにしていたのが、約6年ぶりとなる本尊・十一面観音立像の御開帳です。
前回の御開帳の時は残念ながら参拝できなかったため、ずっと次の開帳を心待ちにしていました。
本堂前に立てられた、巨大な回向柱から延びる紐をたどってゆくと…

変換~Scan0003 (※お寺パンフレットより)

中央の厨子の中に、実に可愛らしい観音様がいらっしゃいました。
像高1.8mでカヤの一木造。
藤原時代の作と推定されていますが、翻波式の衣文など、古様な表現も見られます。
ふくよかなお顔に対し、体は細く、まるで可憐な少女のようです。
唇にはわずかに紅の色が残っており、長い間秘仏として大切にされてきたことがよくわかります。

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ちょうどこの時、多宝塔の千手観音坐像の御開帳も行われていました。
こちらは慶派仏師の作と推定される、鎌倉時代の美仏です。

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参拝を終えて車を走らせていると、美しい菜の花畑を見つけました。
菜の花は房総を代表する植物として、千葉県の県の花にも指定されています。
日の光を受けて輝く花びらをゆっくり眺めていると、優しい春の訪れを実感できました。

2014.3.23


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