仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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みちのくの仏像展に行ってきました 2015-01-31-Sat

久しぶりに博物館の特別展について書きます。
わりと頻繁に美術館や博物館で開催される仏像展には行っているのですが、なかなか更新の余裕がありませんでした。
今回は大好きな東北の仏像展が上野の東京国立博物館で開催されているため、一念発起して書くことにしました。

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その名も「みちのくの仏像」展。
本館の特別5室で開催されています。
今回展示されていた仏像は半分くらいは現地で拝したことがあり、それぞれのお寺や周辺の景色が思い出されて、とても懐かしい思いがしました。
展示自体は大規模なものではありませんが、東北を代表する仏像が一堂に会しており、その豪華さ、迫力には息を飲むばかりです。
(⇒特別展HPはコチラ)

uid000067_20141016113907efcc9c89.jpg (勝常寺・薬師如来坐像)

数多の魅力的な東北仏の中でも、ひときわ強力な存在感を放っているのは、何といっても福島・勝常寺の薬師如来坐像でしょう。(⇒拙ブログ記事はコチラ)
名実ともに東北を代表する仏像として、国宝に指定されています。
お寺では厨子に入っており、懐中電灯を照らして拝観する形になるため(それはそれで雰囲気があってとても素晴らしいのですが)、今回明るい場所ではっきりとお顔を確認できたのは感動的でした。
特に横から拝した時の体のボリュームは凄まじく、巨木そのもののような大らかさ、力強さに溢れていました。
そして特別展でのもう一つの見所は、三尊揃った形で安置されている点です。
お寺では脇侍の日光・月光菩薩は別の収蔵庫に安置されているため、通常はこのような形で拝観することはできません。

今回の特別展では「東北三大薬師」として他に、宮城県・双林寺の薬師如来坐像、岩手県・黒石寺の薬師如来坐像(⇒拙ブログ記事はコチラ)が紹介されていました。

uid000067_201410161139138667ae50.jpg (双林寺・薬師如来坐像)

双林寺の薬師如来坐像は個人の拝観が難しいため、今回の特別展で最も楽しみにしていた仏像です。
まず目を引くのは、細かく平行に彫られた衣文です。
頭の螺髪は取れてしまったのでしょうか、ツルツルしています。
体躯は引き締まり、非常にバランスの良いお姿でした。

uid000067_2014101611391737454afe.jpg (黒石寺・薬師如来坐像)
 (⇒拙ブログ記事はコチラ)

三体の薬師如来坐像はそれぞれに個性があり、東北仏らしい力強さに溢れています。
東北の三大薬師を一度に拝する機会は、おそらくこの先しばらく訪れないでしょう。

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個人的に東北の仏像の中で、最もお気に入りなのがこちら。
岩手・天台寺の聖観音立像です。(⇒拙ブログ記事はコチラ)
日本を代表する鉈彫りの美仏で、その愛くるしさ、繊細さにおいて際立っています。
過去に何度も拝しましたが、その度ごとに新鮮な思いがします。

uid000067_2014102018433447bb4464.jpg 

そして今回の特別展で一番印象的だったのは、秋田・小沼神社の聖観音立像です。
何より特徴的なのが頭に頂いている如来相。

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にっこり♪
展示の説明には「ゆきんこ」のようだ、と書いてありましたが、なるほど、確かに素朴な可愛らしさは「ゆきんこ」のイメージそのものです。

uid000067_20141016113927a0bc202b.jpg (給分浜観音堂蔵・十一面観音立像)

uid000067_201410161139300e483d6c.jpg (常楽寺・釈迦如来立像、円空作)

東北のお寺は公共の交通機関で参拝することは難しいため、今回の展示は地方仏に関心のある方にとって、またとない良い機会になると思います。
ちなみにお土産コーナーの隅で上演されている、10分ほどのドキュメンタリー番組はなかなか見応えがありました。
あわせてご覧になってください。
「みちのくの仏像展」は平成27年4月5日(日)まで。
皆様、ぜひ東北のオールスターにお会いしにいってくださいね♪

2015.1.25

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巖倉寺(島根)・平安期の聖観音 2015-01-26-Mon

東尾観音寺参拝のあとは、高速道路を通って島根県へと向かいました。

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まず最初に参拝したのは、安来市の巖倉寺です。

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山門を抜け、階段を上ってゆくと、見事な石垣が現れました。
このあたりはかつて月山富田城があった場所で、現在は史跡に指定されています。
安来屈指の古刹である巖倉寺は、お城の一画に位置しており、歴代城主の祈願寺として篤い信仰を集めました。

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こちらのお寺には平安期の仏像が伝えられているため、事前にお願いをして拝観させていただくことに。

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堂内中央には煌びやかな厨子が置かれており、中には三体の仏像が安置されていました。

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中尊は美しい宝冠を被った聖観音様です。
一木造で像高は175.8cm。
造像は藤原初期と推定されていますが、どっしりとした腰つき、やや厳しい面相などに平安前期の雰囲気が残っています。
翻波式の衣文を刻んでいますが、太ももにかかる衣の襞は垂直に流れており、他にあまり例のない、個性的な像容でした。

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向かって右側に安置されているのは(伝)帝釈天で、中尊とともに国の重要文化財に指定されています。
一木造で像高156cm。
後世の彩色が施されており、一見すると新しい像のようですが、造像は藤原時代と推測されています。
やや上に持ち上げられた左手には何かを握っておられたのでしょうか。
事物がないため確定できませんが、もともとは四天王として造像された可能性があるのではないかと思いました。
こちらも一木造らしい、重厚感にあふれた尊像です。

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拝観のあと、次の目的地へと向かってゆくと、飯梨川のほとりへたどり着きました。
前方を川、背後は山に囲まれ、月山富田城が天然の要塞に守られたお城であったことがわかります。
現在、周辺は公園になっており、のんびりくつろぐ地元の方々の声が心地よく響いていました。

2014.9.23

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東高尾観音寺(鳥取)・二体の観音像 2015-01-18-Sun

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山陰旅行の二日目は、鳥取県北栄町にある東高尾観音寺からスタートです。

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お寺の創建について詳しい記録は残っていませんが、平安末期から鎌倉初期にかけて活躍した武将・佐々木高綱が開基に関係しているといわれています。
高綱はあの『平家物語』にも登場する有名武将で、数々の戦功をあげたのち、伯耆や出雲などに恩賞地を拝領したそうです。

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東尾観音寺には鳥取屈指の古仏が多数伝えられているため、今回の山陰旅行で特に参拝を楽しみにしていました。
現在、尊像はこちらの立派なコンクリート製の収蔵庫に安置されています。

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(※御住職から特別に許可をいただいて撮影しています)

中には数十体もの見事な木彫仏が、ずらりと並んでいました。

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こちらは十一面観音立像です。
像高157.5cmでヒノキの一木造。
藤原時代の作と推定されています。
髪の毛の飾りの部分にくぼみがあるため、かつてはそこに化仏が並んでいたのでしょう。

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そしてこちらが千手観音立像。
像高188.0cmでヒノキの一木造。
翻波を刻む衣文などから、造像は十一面観音立像よりも古い、平安初期の作と推定されています。
お寺の創建よりも古い像であることから、別のお寺から招来されたのかもしれません。
お顔はやや右側に傾げられており、すらりとした立姿が非常に美しい観音様です。

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両観音像の脇には天部像、はたまた摩耗が進み尊名がわからない像まで、様々な木彫仏が安置されていました。
県の文化財指定を受けている十一体の仏像は、戦火を避けるために大日寺(倉吉市桜)から移されたものと伝えられています。

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ちょうどこの日はお彼岸で、境内は多くの参拝者で賑わっていました。
収蔵庫の外からは声をかけ合う人々の声が聞こえてきます。
私も和やかな気分に浸りながら、素晴らしい御仏たちをゆっくりと拝しました。

2014.9.23

CATEGORY : 鳥取 Trackback 0 Comment 2 △Page Top

三佛寺(鳥取)・岸壁のお堂(2) 2015-01-06-Tue

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参道に入ってすぐ、急な登り坂が続きました。
ごつごつした岩場、木の根がはりめぐされた地面など、気をつけて歩かなければ足をとられてしまいそうです。
参拝者は皆、息を切らせながら登ってゆきます。

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やがて前方にお堂が見えてきました。
ここが最大の難関、鎖場です。

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「ひゃあ怖い!」
「わーっ!」
などなど、前方から叫び声が聞こえてきましたが、ここまで来たのだから引き返すわけにはいかない、と意を決して鎖を手に取りました。
(※ちなみに横に迂回路がありました)
高さこそあまりないものの、足元の岩場は凹凸がなくツルツルしており、実際に登ってみると怖くてたまりませんでした。
わずかなくぼみに足先をひっかけ、あとは鎖を頼みにして体を徐々に持ち上げてゆきました。
必死にしがみつき、なんとかたどりた先には…

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美しい山々が眼前に広がっていました。
実は最初ここが投入堂だと勘違いしていたのですが、周囲の方の話から、まだ半分ほどしか来ていないということを知り、休憩もそこそこに先を急ぎました。
そして参拝受付所から40~50分ほど歩いたところでしょうか。
「あっ…!」

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国宝・三佛寺投入堂です。
役行者が切り立った崖に法力でお堂を投げ入れたという伝説から、この名が付けられたといわれています。
写真やテレビでは何度も見たことがありましたが、実際に目の当たりにすると、その迫力に圧倒されました。
断崖絶壁に懸造のお堂が張り付くように建てられています。
しかも建立はなんと平安時代後期。
現在のように機械など全くない時代に、一体誰が、どのような方法で建てたのでしょうか。

お堂の前で古のロマンにしばし思いをはせた後、下山を開始。
下りは行きよりは少し楽で、往復で1時間30分ほどの参拝となりました。

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山登りで汗をかいたため、夕方からは同じ三朝町にある三朝温泉を訪れることに。
公衆浴場で汗を流し、情緒ある街並みを散策しました。

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すると温泉街の一画に小さな薬師堂が建っているのに気付きました。
窓からほのかな明かりが漏れています。

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中を覗いてみると、想像以上に古様な、優しい顔の薬師様がいらっしゃいました。
両脇は日光・月光菩薩様でしょうか。
薬師様とはお顔だちが異なるため、あとから彫られたものなのかもしれません。
堂内はきれいに掃除され、水が供えられており、今も大切に守られていることが伝わってきます。
思いがけない素敵な出会いに、心の中がふわっと明るくなるのを感じました。

2014.9.22

CATEGORY : 鳥取 Trackback 0 Comment 4 △Page Top

三佛寺(鳥取)・岸壁のお堂(1) 2015-01-04-Sun

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三佛寺というお寺の名前を聞いたことはなくとも、国宝・投入堂の写真をどこかで見て記憶していらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

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鳥取県三朝町に位置する三佛寺は、奈良時代に役行者が開山したと伝わる、修験道の古刹です。
かねてよりずっと参拝を夢見てきましたが、交通の便があまり良くないこともあり、なかなかその機会が無いままでいました。
ところが2014年の秋に本尊の阿弥陀如来立像が開帳されるということを知り、思い切って参拝することにしました。

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まずはこちらの宝物館へ。
重要文化財に指定されている蔵王権現立像を拝観します。

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(⇒お寺のHPはこちら)

いずれも藤原時代の造像と推定されており、かつては投入堂の中に安置されていたそうです。
中でも特に有名なのは、仏師・康慶が1167年に造像した尊像(※写真左端)です。
右足を大きく上げ、下半身は大きく傾いていますが、捻った腰、上下に広げられた腕などで、全体として絶妙なバランスをとって立っていることがよくわかります。
康慶は鎌倉時代の有名な仏師・運慶の父として知られ、自身も慶派一門を率いて造像にあたった名仏師でした。

宝物館を拝観した後はいよいよ本堂へ。

変換~14hibutsu (⇒三佛寺HPより)

秘仏の阿弥陀様は、堂内中央の厨子の中にいらっしゃいました。
像高はほぼ等身大で、平安後期の作。
来迎印を結んでおり、素朴で優しい顔をなさっています。
御仏の前で手をあわせ、これから参拝する投入堂の参拝祈願をしました。

そう、実は国宝の投入堂を参拝するには、往復1時間半もかけて岩場や山道を歩いてゆかねばならないのです。
投入堂を参拝するには、いくつかの決まり事があります。
・雨天は参拝中止
・一人での参拝は禁止。入山から下山まで必ず同行者と行動を共にしなければならない。
・靴は山道に適したものを履かなければならない。
などなど。
入山の際は事務所で手続きを行い、服装チェックなどを受けます。
ちなみに一人の参拝者は、お寺の方の案内で同行の方を見つけてもらうことも可能です。

せっかくここまで来たのだから挑戦しないわけにはいきません。

変換~P1010152

同行の方を得て、いざ投入堂へ!

(つづく)


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あけましておめでとうございます 2015-01-01-Thu

あけましておめでとうございます。

昨年は10の都道府県の寺社仏閣を参拝し、全国を駆け巡りました。
繰り返しブログでも書いてきたことですが、旅をして何よりも印象的なのは、仏像を守っているお寺や地元の方々とお会いすることです。
その出会いを求めて旅をしていると言っても過言ではありません。
2015年も素晴らしい出会いがありますように。
少しずつではありますが、ブログも頑張って更新してゆきますので、よろしければお付き合いくださいね。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


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