美保神社(島根)・海辺の神様

変換~P1010533

仏谷寺参拝のあと、お寺から徒歩で5分ほどのところにある美保神社へ。

変換~P1010537

美保神社の歴史は古く、8世紀に編纂された『出雲国風土記』の神社台帳にもその名が載っています。
こちらの神社の祭神は「えびす様」
七福神の一柱として漁業・海運などの生業を守り、商売繁盛など、人々に豊かな福をもたらす神様です。
右手に釣り竿を持ち、左脇に鯛を抱えてニッコリ笑う姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

変換~P1010539

本殿は文化10年(1813年)の建立で、国の重要文化財に指定されています。
非常に重厚で、神社の格式の高さを感じさせる建物です。

変換~P1010544

鳥居のすぐ前には港があり、焼きイカの屋台がいくつかありました。
せっかくなので私も食べてみることに。

変換~P1010545

口に入れた瞬間、想像以上の柔らかさにびっくり!
こんがりと焼かれたイカの身に、甘辛い醤油だれがよく合っています。
かの有名な高浜虚子はこのイカ焼きを食べて
「烏賊の味忘れで帰る美保の関」
と詠んだのだとか。
それも納得の美味しさです。

変換~P1010551

海辺に座りながら、イカをもぐもぐ…。
向うに漁船が停泊しているのが見えます。
豊かな恵みを人間にもたらし、時として圧倒的な厳しさで襲いかかる大自然。
常に死と隣り合わせだった船乗りや漁師たちは、美保の神社で祈りをささげて大海原へ出かけて行ったのでしょうね。

2014.9.23
スポンサーサイト

テーマ : 神社・仏閣巡り - ジャンル : 旅行

仏谷寺(島根)・海辺の平安仏

変換~P1010441

レンタカーで島根県を北上し、島根半島へ。
海岸線を車で走っていると、いくつもの漁港を通り過ぎました。
半島の北側は日本海の荒波によって浸食されたリアス式海岸であるため、アゴ(トビウオ)やイカなどの豊かな漁場となっているようです。
地蔵崎から加賀の潜戸に至る海岸線一帯、半島西部の日御碕付近は大山隠岐国立公園にも指定されています。

変換~P1010450

中でも半島の中央から東端に位置する美保関は、数多の文化人たちから愛されてきた風光明媚な景勝地として名を馳せています。

変換~P1010454

港のすぐ近くには古くからの漁師町があり、旅館やお土産屋などが軒を連ねていました。
その間に続く、石畳の小道を歩いてゆくと…

変換~P1010456

龍海山・仏谷寺の山門が見えてきます。

変換~P1010459

仏谷寺は約1200年前に創建されたという山陰第二の古刹です。
創建当時については詳しい記録が残っていないものの、平安前期の古仏が五体も伝えられているため、お寺の創建もこのころまで遡るとみて間違いないようです。
永禄・天正年間の兵火により伽藍は焼失してしまいましたが、御仏たちは奇跡的に救出され、現在に至っています。
お寺の山号に龍海山とあることからもわかるように、航海安全の守本尊として、地元の漁師たちから篤い信仰を集めてきました。
(⇒美保関地区活性化協議会のHPはこちら)

変換~P1010532

現在、御仏たちはこちらの収蔵庫に安置されており、事前にお願いをして拝観させていただきました。

中尊の薬師如来坐像を中心に、右側に日光・月光菩薩、左側に聖観音、虚空蔵菩薩。
いずれも平安前期の作と推定されており、国の重要文化財の指定を受けています。

特に印象的だったのは、中尊の薬師如来坐像と虚空蔵菩薩立像です。
薬師様の衣文は胸のあたりで渦を巻いており、これまでに拝したことがない、とても珍しいものでした。
お寺の方によると、このような衣文は全国的にも例がほとんど例がなく、島根県のごく一部の仏像にのみ見られる様式なのだそうです。

そして圧倒的な存在感を放っていたのが、(伝)虚空蔵菩薩立像。
とにかくまず目を奪われるのが、腰のあたりから足元にかけて流れる、複雑で深い衣文です。
肩、腰、そして腿にかかる天衣が体の数か所で交差し、見事な造形を造りあげていました。
どっしりとした下半身に対し、お顔は若々しく、つややかな肌の質感が伝わってくるようでした。

2014.9.23

テーマ : 神社・仏閣巡り - ジャンル : 旅行

佛乗院(神奈川)・鎌倉期の阿弥陀如来

神武寺駅から京急で新逗子駅へ。
駅近くでレンタサイクルを借り、そこから海へ向かいました。

変換~P1030274

やがて見えてきたのは相模湾です。
海岸線沿いには、昔ながらの漁師町とお洒落なマンションが並ぶ、どこか不思議な光景が広がっていました。

変換~P1030286

港に漁師小屋がびっしりと建っています。
今なお漁業の盛んな場所なのでしょう。

変換~P1030292

その漁港から歩いて数分のところにあるのが、真言宗の古刹・佛乗院です。
山号を海潮山といい、逗子の漁師たちの篤い信仰を集めてきました。

019-1.jpg (⇒逗子市のHPはコチラ)

こちらの御本尊は阿弥陀如来。
繊細な指で来迎印を結ぶ、鎌倉期の美仏です。
像高は1m前後でしょうか。
低めの頭髪部や強い曲線を描く髪際、複雑な衣文など、宋風様式が顕著なことから、鎌倉後期の作と推定されています。
胎内には、宝永2年(1705年)と安永4年(1775年)の修理を記した文書二通が納入されているそうです。

変換~P1030301

参拝の後は港近くの定食屋さんへ。
せっかく港町へ来たので、生シラス丼を堪能させていただきました。

2014.12.13

テーマ : 国内旅行 - ジャンル : 旅行

東昌寺(神奈川)・丈六の阿弥陀如来

神武寺参拝のあと、京急神武寺駅から歩いて3分ほどのところにある東昌寺を訪ねました。

変換~P1030206

東昌寺の歴史は古く、鎌倉時代に北条氏の菩提寺であった鎌倉の東勝寺に由来すると伝えられています。
1333年の新田義貞による鎌倉侵攻の際に伽藍が焼失し、現在の地へと移されました。

変換~P1030219

こちらは重要文化財に指定されている五輪塔で、かつては葉山町の慶増院にあったそうです。

変換~P1030231

そして私の一番のお目当てはこちらの阿弥陀堂。
事前にお願いをして拝観させていただきました。
わくわくしながらガラス戸を開けてみると…

変換~P1030270

真っ白な衣をまとった、大きな阿弥陀様がいらっしゃいました。
像高259.5cm、寄木造。
1756年に鎌倉扇ヶ谷の仏師・三橋宮内忠之とその息子によって造像されました。
三橋家は後藤家とならんで、有力な鎌倉仏師のひとつであったそうです。

変換~P1030241

はっきりとした目鼻立ちをなさっており、非常に凛々しげな表情です。
長い年月による傷みが激しいものの、体や衣に鮮やかな彩色が施されていることから、何度か修復を受けているのかもしれません。
大らかで、どっしりとした風格のある阿弥陀様です。

変換~P1030203

拝観を終えて近くを歩いていると、一般道の脇にお地蔵様を見つけました。
大きな岩をくり抜いて祠のようにしてあります。
とても珍しいですね。

2014.12.13

テーマ : 国内旅行 - ジャンル : 旅行

神武寺(神奈川)・薬師如来御開帳

毎年12月13日は、逗子市にある神武寺で煤払いが行われる日です。
この日に本尊の薬師三尊を拝観できるということをネットで偶然知り、千葉から電車で出かけてきました。

変換~P1030118

神武寺への参拝道はいくつかありますが、往路は横須賀線の東逗子駅から歩いて行くことに。
住宅街を抜けると急こう配の坂道が現れ、息を切らせながら登ってゆくと、真冬にも関わらず額に汗がにじみました。

変換~P1030151

寺伝によると、神武寺は聖武天皇の命により行基が創建したと言われていますが、当時の文献等は残っていないため、詳しいことはわかっていません。
ただし『吾妻鏡』に源実朝が参拝したという記述があることから、鎌倉時代にお寺が存在していたのは間違いないようです。
本尊である薬師如来は秘仏ですが、年に一度、12月13日の午前中だけ煤払いのため特別に公開されます。

変換~P1030137

年に一度の御開帳日だけあって、境内は多くの参拝者で賑わっていました。
このあたりはハイキングの人気コースでもあるため、ザックを背負った方たちも沢山いらっしゃいます。

016-1.jpg

 016-2 (1) (⇒逗子市のHPはコチラ)

中尊は像高69.8cm、両脇侍はそれぞれ像高58~59cmほどです。
いずれも室町期の作と推定されています。
非常に珍しいのは、中尊の髪の毛が螺髪ではなく、いわゆる清凉寺式釈迦如来のような、同心円状の縄目が刻まれている点です。
記憶にある限りでは、このような薬師如来坐像を他に拝したことがありません。
全国的にも例が少ないのではないでしょうか。

変換~P1030160

こちらは境内にある梵鐘。
三浦半島八景にも選ばれているそうです。

変換~P1030194

帰路は京急神武寺駅へと続く裏参道を歩きました。
こちらのコースは舗装されていない山道を歩くため、現在ハイキング以外ではほとんど使わることはないようですが、せっかくなのでチャレンジすることに。
…が、これがなかなかキツい!
少し楽観視してロングブーツを履いていたため、思うように前に進みません。

変換~P1030197

わわわ!
参道に木が倒れています。
すぐ近くには住宅街が広がっているとは思えない秘境っぷりです。

変換~P1030199

やっとの思いで一般道まで出ると、空き地の前に案山子が立っていました。
あれ?
この方たち、昨年日本を賑わせた人気者の皆さんかしら…?

2014.12.13

テーマ : 神社・仏閣巡り - ジャンル : 旅行