仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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ちー

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読書と音楽、そして仏像をこよなく愛しています。

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菊蓮寺(茨城)・鎌倉期の千手観音 2016-06-25-Sat

中染阿弥陀堂を参拝した後は、同じく特別公開されている菊蓮寺へと向かいました。
ところがカーナビが示すルートはかなりの山道。
道は細く曲りくねり、車同士が行き交うことができないほどで、ハンドルを握りながら冷や汗が出てきました。

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やっとの思いで菊蓮寺に着くと、こちらでも地元や学生のボランティアの方がいらっしゃって、お寺や仏像について詳しい説明をしてくださいました。

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文化財に指定されている仏像群は、こちらの立派な収蔵庫に安置されています。

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わわわ!!!
中にいらっしゃったのは、想像以上に巨大な千手観音様でした。
私の貧弱なデジカメではその迫力が伝わりにくいのですが、なんと像高350cmもあり、茨城県の木彫仏では2番目の大きさとのこと。
もともとの御本尊は平安期に戦火によって焼失したため、現在の尊像は鎌倉期に造られたそうです。

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脇手はびっしりと放射線状にならび、まるで光背のようにも見えます。
目鼻立ちは小ぶりで、お顔はやや厳しく、口は小さく結ばれていました。

変換~P1080582 毘沙門天立像

変換~P1080580 不動明王立像

両脇に安置されている毘沙門天、不動明王立像は、中尊より造像が古く、平安後期の作と推定されています。
いずれも檜の一木造で、像高は160~170cmくらいでしょうか。
御仏たちが作り出す濃密な空気に、運転の疲れも忘れ、しばらくの間じっと見入っていました。

2015.10.17

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中染阿弥陀堂(茨城)・鉄の阿弥陀如来 2016-06-15-Wed

少し前のことになりますが、茨城県の常陸太田市で毎年秋に開催されている、指定文化財集中曝涼に行ってきました。

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地元から早朝の電車を乗り継ぎ、常陸太田駅へ。
公開寺院はそれぞれ距離があるため、効率的に巡るには駅構内にある観光協会でレンタカーを借りるのが便利です。
(※事前予約が必要)

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レンタカーで市街地をしばらく走っていくと、のどかな田園地帯が見えてきました。

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まず最初に参拝したのは、中染町という地区にある中染阿弥陀堂です。
収蔵庫の近くにはテントが張られ、地元の方や学生のボランティアの方たちが丁寧に応対してくださいました。
街を上げて文化財を守っていることがよくわかります。

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こちらの阿弥陀様は全国的にも珍しい鉄製の阿弥陀様。
像高164.2cmで、鎌倉時代の作。

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お顔立ちは柔和で、衣文の流れも美しく、鉄で出来ているとは思えないほど端正な尊像です。

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背中に刻まれた銘文には、1264年に法然寺の阿弥陀如来像として桐原左衛門が寄進し、日向坊良覚という仏師が造った旨が記されているそうです。
通常は人目に触れない後ろ側にも衣文が丁寧に刻まれており、仏師の並々ならぬこだわりが伝わってきました。

2015.10.17

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願成寺(福島)・菩薩練供養 2016-06-08-Wed

少し前のこととなりますが、数年ぶりに福島県喜多方市にある願成寺を参拝し、秋に開催される菩薩練供養を見てきました。

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早朝に高速バスで都内を出発し、会津若松駅へ。
そこからJR磐越西線に乗り、喜多方駅に向かいました。

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喜多方は古くから蔵の町として知られており、駅舎もレンガ造りと蔵のデザインが融合した、レトロ感たっぷりの素敵な建物でした。
願成寺までは少し距離があるため、駅前の骨董屋さんでレンタサイクルを借りることに。
昔ながらの町並みを楽しみながら、自転車を漕いでゆきます。

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20~25分ほど行ったところでしょうか、提灯で飾られた山門が見えてきました。

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願成寺は会津大仏と呼ばれる阿弥陀如来坐像が有名な古刹で、1227年に隆寛律師によって創建されたと伝えられています。
私が福島で最も好きなお寺の一つです。

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こちらが会津大仏様。
像高241cmで寄木造、鎌倉時代の作です。

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とにかくまず心を奪われるのは、その絢爛豪華さでしょう。
無数の仏がはめ込まれた光背が外の光を受けて輝き、阿弥陀様の美しさをより一層際立たせています。
珍しいのは、両脇侍が京都・三千院と同じく、大和坐りをなさっているということ。
こちらも中尊と同じく鎌倉期に造られました。
京都や奈良を除いて、これだけ古い時代の丈六阿弥陀三尊が伝えられているお寺は、全国的にもそう多くないはずです。

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いよいよ今回の旅一番の目的である菩薩練供養が始まり、少しずつ人がお堂の周辺へと集まってきました。
見ると、和装に身を包んだ方たちが列を作って歩いてこられます。
行列が阿弥陀堂へ入ったところで、法要が始まりました。

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読経が終わり、皆さまがお堂から出てこられると、なんとお顔が菩薩面に変わられているではありませんか。
お面はおそらく古くから使われきたのでしょう、金箔が取れて黒くなっており、長い時の重み、信仰の重みをひしひしと感じさせてくれます。

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菩薩様たちは列をなして境内を進み、紅白の垂幕で飾られた鐘楼へ上ると、順番に梵鐘を突き始めました。
深い音色が境内に響き渡ります。

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全ての菩薩様が鐘を突き終わったところで、行列は再び阿弥陀堂へと戻って行きました。
あいにくの雨が降ってきましたが、無事に練供養が終わって一安心。
じんわりとした余韻の残る、素敵な練供養でした。

2015.10.11

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熊野本宮大社(和歌山)・熊野古道を歩く~果無峠越編~(2) 2016-06-02-Thu

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小辺路沿いにはこのような観音像が等間隔に33体並んでおり、巡礼者を楽しませてくれると同時に、大切な道しるべともなっています。

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峠までひたすら急こう配の坂を上り続けるため、苦しさで息が上がり、何度も立ち止まっては呼吸を整えました。
予報では十津川地区は午後から雨天とのことでしたが、天気が安定せず、時折ぱらぱらと雨が降ってきます。
早く峠を越えなくてはならない。
気持ちばかりが急くものの、前日の疲れが残っていることもあり、思うように前へ進めません。

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しばらく行くと、木々の間に小さなお堂が建っていました。
中を覗いたところ…

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三体の石仏が安置されていました。
向かって左は千手観音、右は不動明王のようですが、中尊は摩耗が激しくはっきりとした尊名はわかりません。
それでも仏前にはお供えものが置かれており、これだけの山間の場所にありながら、今も大切に守られていることが伝わってきます。

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陽が昇っていくとともに徐々に気温も上昇。
山の中とはいえ、さほどの標高がないため、容赦なく暑さが襲いかかってきます。
全身から汗が吹き出し、体力が奪われるのを感じました。

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やっとのことで10時前に果無峠へ到着。

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峠を越えたあたりで完全に空は晴れ、日差しは一段と厳しくなり、体力の消耗が急速に激しくなっていきました。
絶対に最後まで歩き切るんだ。
気力だけで少しずつ前へと進みました。
熊野の山の中でたった一人なのだから、自分でなんとかするしかありません。

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すると下方に熊野川が見えてきました。
麓まであともう少し!

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やっとのことで公道へ。
険しい果無峠をなんとか越えられた安心感で、その場に座りこんでしまいました。

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ここからしばらくは熊野川の流れに沿って公道を歩いていきます。
途中、道の駅でソフトクリームを食べて一休み。
そこから公道をそれて、再び熊野古道へと入ります。
ここからは中辺路との合流になるため、周囲に少しずつ人が増えてきました。
そしてついに…

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着いたーーー!!!
宿を出発してから約9時間、ついに熊野本宮大社まで辿りつきました。

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前日の疲れ、真夏の日差しでバテてしまったこともあり、標準タイムの8時間より大幅に遅れてしまいましたが、なにはともあれ無事に着いて本当に良かった!
トレッキングポールを握りしめて境内で休んでいると、
「あの人、まさか山の中を歩いてきたのかしら」
と参拝の方が仰っているのが聞こえてきました。
ふふふ、そのまさかなのですよ(笑)
完全に自己満足でしかありませんが、それでも数百年もの間受け継がれてきた巡礼の道を辿ることで、古の人々の気持ちを私もほんの少しだけ味わうことができたように感じられたのでした。

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なおこの日歩いたルートはこちら。

2015.8.8

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