来迎院(茨城)・鎌倉期の阿弥陀如来

常陸太田市文化財集中曝涼、最後に参拝したのは来迎院です。

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来迎院は光明山安養寺と号する天台宗のお寺で、鎌倉期の阿弥陀如来坐像など、多くの貴重な文化財が伝えられていることで知られています。

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集中曝涼にあわせて、参道沿いには出店が並んでおり、地元の名産品などが売られていました。
地区全体でこの行事を盛り上げていることがよくわかります。
賑やかな境内を進んでいくと、奥の方から読経の声が聞こえてきました。

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本堂へ着いたところで、ちょうど法要が終わったらしく、中から沢山の人が出てきました。
しばらく待つと人の流れが落ち着いたため、私も堂内へ入れていただくことに。

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厨子の中には上品上生の印を結ぶ阿弥陀様がいらっしゃいました。

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像高158.3cmで寄木造。
鎌倉期の作と推定されています。
台座はおそらく後補ですが、かつては尊像の全身も金箔で覆われていたようです。
肩にかかる複雑な衣の表現が珍しく、やや厳めしい顔つきと相まって、非常に個性的な像容でした。

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こちらの尊像は腕から先が失われているため、正確な尊名は不明ですが、薬師如来坐像でしょうか。
もしかしたら本尊よりも造像年代が古いかもしれません。

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すべての参拝を終え、参道の休憩所でほっとひと休み。
けんちん汁をいただきました。

2015.10.17
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「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ~びわ湖・長浜のホトケたち~」に行ってきました。

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東京藝術大学美術館で開催中の「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ~びわ湖・長浜のホトケたち~」展に行ってきました。

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この企画展は約2年前に開催された「観音の里の祈りとくらし展」の第2弾として企画されたもので(⇒前回記事はこちら)、滋賀県長浜市の仏像が49体も展示されているという、実に濃厚な内容となっています。

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(⇒滋賀・びわ湖観光情報HPより)

今回の特別展で私が最も心を惹かれたのがこちらの仏様。
充満寺の伝・薬師如来立像です。
159.4cmで平安後期の作。ケヤキの一木造。
薬師如来と伝えられていますが、阿弥陀如来の印である来迎印を結んでいるという、不思議な如来像です。
手首から先の木の材質が他と異なっているため、造像当時は違う印だったのかもしれません。
金箔が剥がれて露わになった赤い漆の色が、やや四角く張った男性的なお顔によく合っていました。

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(⇒滋賀・びわ湖観光情報HPより)

こちらは医王寺の十一面観音立像。
像高145.4cmで平安後期の作。クスノキの一木造。
びわ湖の湖北地方には十一面観音像が多く伝えられていますが、その中でも特に美しい尊像の一つです。
華奢なお体を、流れるような線を描く衣が覆っています。
ケープ状に肩から垂れる装飾的な薄衣の表現は、他では見た記憶がなく、とても個性的でした。

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(⇒長浜・米原・奥びわ湖観光情報サイトより)

そして黒田観音堂の千手観音立像は、以前から憧れていた尊像だっため、実際に御姿を拝した時は感激しました。
像高200cmで平安初期の作。ヒノキの一木造。
まず圧倒されたのは、その肉感的な18本の腕です。
千手観音は通常42本の腕で表現されることが多いため、もともとは准胝観音として造られた可能性が高いと推定されているそうです。
衣文は太く、力強く刻まれており、古様な印象を受けます。
堂々とした体躯に対し、お顔立ちは繊細で、切れ長の眼が涼やかに感じられました。

senjyusenzoku.jpg (⇒長浜・米原観光情報HPより)

今回の特別展で一番ユニークな像といえば、やはり正妙寺の千手千足観音立像でしょう。
なんと千本の手と千本の足を持つという観音様です。
像高42.1cmで江戸時代の作。
過去に何度も写真では見たことがあったのですが、想像していたよりは小さな像で、異形の姿でありながら、なんだか可愛らしくもあります。

今回の特別展で展示されている仏像のなかには、かつて実際に湖北で拝観した仏像もあり、尊像の前に立っていると、お寺やその土地の風景、仏像を守る地元の方たちとお話させていただいた思い出などが、ありありと胸に蘇ってきました。
もしこの特別展で湖北の仏像に興味を持たれたら、ぜひ現地まで足を運んでみてください。
緑豊かな、美しい湖北の土地で会う御仏たちは、より一層素晴らしく、印象的に感じられるはずです。

2016.7.16

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正宗寺(茨城)・坐像の十一面観音

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常陸太田市文化財集中曝涼、次は正宗寺へ。

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正宗寺は延長元(923)年に平将門の父・良将が創建したと伝えられている古刹で、当初は勝楽寺と号する律宗の寺院でした。
鎌倉期に地元の有力者であった佐竹氏により禅宗に改宗され、寺名も現在の正宗寺へと改められました。
やがて佐竹氏の菩提所として関東十刹の一つに挙げられるまでに繁栄し、往時は12の末寺を有する大寺院だったそうです。

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(⇒常陸太田市のHPはこちら)

そしてこちらが本尊の観音様。
珍しい坐像の十一面観音像です。
像高63.7cmで鎌倉期の作。
まず目をひくのは、十一の化仏が二段にわたって据えられていることで、まるで美しい冠を被っておられるようにも見えます。
衣の表現、なで肩でほっそりした体躯など、全体的に宋風の影響が強く感じられました。

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2015.10.17

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青蓮寺(茨城)・鎌倉期の阿弥陀如来

常陸太田市文化財集中曝涼、三番目に参拝したのは東連地町にある青蓮寺です。

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青蓮寺は現在は浄土真宗のお寺ですが、天智天皇伝説が残されていることから、皇跡山という山号を称しています。
鎌倉期に御家人・畠山重秀がこの地に堂宇を建てて住みつき、寺の名を青蓮寺と改めました。

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本堂中央にある厨子の中には、来迎印を結ぶ小さな阿弥陀様がいらっしゃいました。

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像高53cm、光背を含めると1mほどになります。
鎌倉期に春月という仏師によって造られたそうです。
この地で活躍した仏師でしょうか。
小さな目鼻立ちは整って可愛らしく、とても丁寧に彫られています。

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2015.10.17

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「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」に行ってきました。

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東京国立博物館で開催中の「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」に行ってきました。
この特別展は日韓国交正常化50周年記念特別展として企画されたもので、まずは韓国、そして今回は日本の博物館で開催され、日韓を代表する国宝の半跏思惟像が二体展示されました。

uid000067_20160520182709304c9dea.jpg (⇒東京国立博物館HPより)

韓国からはるばる海を渡ってこられた仏様はこちら。
国宝78号像と呼ばれるこの尊像は、6世紀後半の作と推定されており、韓国で最も古い仏像のひとつなのだそうです。
銅造で像高83cm。
切れ長の目、鼻筋の通ったお顔に、繊細な指が添えられており、非常に可憐な印象を受けます。
細部にわたるまで装飾が施され、銅で造られているとは思えないほどの美しさです。

uid000067_201605201827020857b47f.jpg (⇒東京国立博物館HPより)

そして日本を代表して展示されているのが、奈良・中宮寺の半跏思惟像です。
7世紀の作で像高は126.1cm。
クスノキの一木から造られています。
この尊像は私が最も好きな仏像のひとつで、過去に何度か中宮寺へ参拝したことがありますが、通常は背面を拝することができないため、今回360度全ての方向からの御姿を確認できたのは、またとない喜びでした。

両菩薩は数メートルの距離を隔てて向かい合うように安置されており、その間に立っていると、深い感慨を覚えずにはいられませんでした。
遠くインドで生まれた仏教が、長い時を経て様々な国や土地の文化を吸収し、多彩な変化を遂げ、やがて海を越えて日本に伝えられた、その気の遠くなるような道のりを思うと胸が熱くなったのです。

特別展は2016年7月10日(日)まで開催されていますので、よろしければぜひ東京国立博物館まで足を運んでみてくださいね。

2016.7.2

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