阿弥陀寺(山口)・鎌倉期の肖像彫刻

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防府市の阿弥陀寺は、1187年に重源上人が東大寺の周防別所として創建した古刹で、近年ではアジサイの名所としても人気を集めています。

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かつては多くの堂宇が建ち並んでいたという境内には、今も古い石段が残っており、長い歴史の重みを感じさせてくれます。

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重源上人ゆかりの寺であることから、阿弥陀寺には多くの貴重な文化材が伝えられているため、事前にお願いをして拝観させていただきました。

012.jpg (⇒防府市HPはこちら)

まずこちらが重源上人坐像です。
像高88.2cm、檜の一木造。
その写実的な作風から、慶派仏師の作と推定されており、国の重要文化財の指定を受けています。
かつては海を越え、大英博物館で展示されたこともあるそうです。

016 (1) (⇒防府市HPはこちら)

そして仁王門が修復中であったため、通常はそちらに安置されている仁王様たちも収蔵庫で拝観しました。
像高はいずれも271cmほどで、檜の寄木造。
均整のとれた見事な像容で、重源上人像と同じく、慶派仏師の作と推定されています。

045.jpg (⇒防府市HPはこちら)

そして特に印象的だったのが国宝の鉄宝塔。
総高301.3cmで1197年に鋳造されました。
非常に精緻な造りで、鉄で造られたとは思えないほどです。
記憶にある限りでは、これほどの大きさ、しかも鉄で造られた宝塔を拝したことがないため、おそらく全国的にも珍しいのではないかと思います。

2015.11.13
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周防国分寺(山口)・壮麗な仏像群

正護寺参拝の後は、防府市の周防国分寺へ。

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周防国分寺は聖武天皇により建立が命じられた国分寺のひとつです。
創建の詳細な年代はわかっていないものの、続日本紀に記録が残っていることから、天平勝宝8歳(756年)頃には伽藍が完成していたと考えられています。
現在の金堂は1421年に再建されたものですが、近年の発掘調査の際、お堂は創建当初の金堂の上に再建されていることが判明したそうです。
金堂内には平安期から室町期にかけての貴重な仏像群が安置されており、事前にお願いをして拝観させていただきました。

yakushi.jpg (⇒お寺のHPはこちら)

お堂の中央に安置されているのは、本尊の薬師如来坐像です。
像高218cm、檜の寄木造。
なで肩の上半身や衣文の彫り方など、宋風様式が顕著な像で、1421年に造像されたという記録が残されています。
なんとこのお薬師様の薬壺には五穀・丁子・菖蒲根・朝鮮人参など、実際に薬が入っていたそうです。

wakiji.jpg (⇒お寺のHPはこちら)

脇侍の日光・月光菩薩は平安期の作で、像高はいずれも180cmほど。
本尊よりも造像年代が古いのは、かつての本尊は火災により焼失してしまったのかもしれません。
そしてその周りを勇ましい四天王(平安期の作)が囲み、三尊をお守りしています。
これだけ古い時代の、優れた仏像が数多く伝えられているお寺は、京都や奈良以外では全国的にも数少ないのではないでしょうか。

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2015.11.13

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正護寺(山口)・平安期の薬師如来

去年の秋、山口県のお寺巡りをしてきました。
しばらくの間、その時のことを書こうと思いますので、よろしければお付き合いくださいね。

早朝の飛行機に乗り、福岡空港へ。
そこからレンタカーで関門海峡を渡りました。

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まず最初に参拝したのは山口市の正護寺です。
室町期に当地の有力者であった陶氏により創建され、県内屈指の古仏が伝えられています。

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こちらがその薬師様。
本堂に入ると、向かって右側に安置されていました。

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像高81.1cmでカヤ材の一木造。平安初期の作。
造像時期がお寺の創建よりも古いのは、廃寺となった光明寺から移されたからなのだそうです。
現在はほとんど剥がれ落ちていますが、所々に金箔が残っており、かつては全身が金色に輝いていたことがわかります。

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まず目を奪われたのは、重厚な体躯と、それを覆う個性的な衣でした。
衣文は太く、深く刻まれ、端の部分がぐるりと渦を巻いています。
心配しなくていいよ、と分厚い右手で施無畏印を結ぶお姿は、とても堂々として、大らかで、拝する者に安心感を与えてくれました。

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お寺の方には色々と親切にしていただき、とても素晴らしい参拝となりました。
改めて心より御礼申し上げます。

2015.11.13

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「松島 瑞巌寺と伊達政宗」展に行ってきました。

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三井記念美術館で開催中の「松島 瑞巌寺と伊達政宗」展に行ってきました。
お目当ては何といっても秘仏の五大明王(写真)。
瑞巌寺は学生の頃(はるか昔)に一度参拝したことがあるのですが、その頃はこのお寺に五大明王像が伝えられていることを全く知りませんでした。
やがて全国の地方仏を巡るようになり、この尊像のことを知るに至りましたが、御開帳は33年に一度であるため、参拝を半ば諦めていました。
というわけで今回の特別展を知って大興奮!
期待に胸を膨らませ、公開初日に拝観してきました。

瑞巌寺は景勝地として有名な宮城県の松島に位置する古刹で、現在の堂宇は江戸初期に伊達政宗によって創建されました。
その前身となった延福寺は、平安時代の僧・慈覚大師が開祖と伝えられ、五大明王が安置されている五大堂も同じ頃に建てられたとされています。
伊達政宗は関ヶ原の戦いの際に五大堂で戦勝を祈願したため、戦勝の御礼として慶長9年(1604)に五大堂を再建し、続けて現在の本堂を建立、寺名を瑞巌寺と改めました。

五大明王像は一番広い部屋の奥に展示されており、五体ずらりと横に並べられていました。
像高は65cm~90cmほど。
頭がとても大きく、幼児のような体つきをしていることがわかります。
10世紀末から11世紀初め頃の作と推定されており、五体揃った明王像としては、全国的にもかなり古い造像であるようです。
いずれもケヤキの一木造。
近くで見ると、やや彫りが荒く、それがかえって漲る気迫を感じさせます。

特別展ではその他に伊達政宗の甲冑や書なども展示されていました。
特に書跡の美しさにはビックリ!
政宗は能書家として有名だったらしく、書に全く詳しくない私ですら、かなりの腕前であることがわかるほどです。

特別展はまだ始まったばかりで、平成28年11月13日まで開催されています。
よろしければ是非ご覧になってくださいね。

2016.9.10

仙波東照宮(埼玉)・極彩色の東照宮

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喜多院を参拝した後は、境内に隣接する仙波東照宮へ。

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仙波東照宮は、元和2年(1616年)に薨去した徳川家康を祀るため、喜多院第27世住職・天海僧正によって創建されました。
ところが1638年(寛永15年)の川越大火に遭ったため、現在の建物は徳川家光によってによって再建されたそうです。
ちょうど私が参拝したとき特別公開が行われており、建物の内部まで入ることができました。

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お堂は極彩色に彩られた精緻な彫刻で飾られており、かの有名な日光東照宮を彷彿とさせます。

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社殿は全て江戸幕府によって管理されていたため、まわりには歴代の川越藩主が献燈した石灯籠が並んでいました。
現在、建物6棟は国の重要文化財の指定を受けています。

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参拝を終えて川越駅まで歩いて途中、せっかくなので川越の古い町並みを通ってゆくことにしました。
小江戸と呼ばれて栄えた川越には、江戸情緒を感じさせる建物が沢山残されており、お土産物や飲食店として再利用されています。
週末だったこともあり、メインストリートは大勢の観光客で賑わっていました。
英語や中国語など、海外の言葉も周囲から聞こえてきます。

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せっかくなので、みたらし団子をぱくり♪

2015.11.3

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