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仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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大寺薬師(島根)・平安仏の古刹

山陰旅行の三日目は、出雲市の大寺薬師からスタートしました。

変換~P1010587

大寺薬師は推古天皇2年(594)に智春上人が創建したと伝わる古利で、往時は七重塔などが建ち並ぶ大寺であったそうです。
1650年の大洪水により伽藍や仏像の多くが破壊されたため、現在地である万福寺の境内へと移されました。

変換~P1010592

こちらのお寺には島根県屈指の古仏が多数伝えられており、事前にお願いをして拝観させていただきました。
重厚な収蔵庫の扉が開けられると…

変換~P1010603

中央に薬師如来坐像と脇侍の日光・月光菩薩立像、さらにその隣には観音菩薩立像が安置されていました。

変換~P1010626

中尊の薬師様の像高は134cm。
トチノキの一木造です。
お顔はやや厳しく、翻波の衣文が見られるものの、体躯にまるみがあること、螺髪の粒が細かいことなどから、平安初期から藤原期にかけての造像と推定されています。
特に印象的だったのは、左胸に彫られた渦巻き状の衣文でした。
これは前日に拝した仏谷寺の薬師如来坐像と全く同じ形をしており、驚きながらお寺の方にお話したところ、やはり島根県の一部の仏像に見られる様式で、過去に専門家の調査を受けたこともあるそうです。
平安初期にこの地方で流行していた様式なのか、同じ流れをくむ仏師の作なのか、あれこれ想像してみると興味は尽きません。

変換~P1010609 変換~P1010631

脇侍の日光・月光菩薩は、いずれも像高160cmほど。
一木造で、造像は中尊と同じころと推定されています。
両手に日輪・月輪を握っておられるお姿がとても可憐です。

変換~P1010663 (広目天)

変換~P1010649 (持国天)

収蔵庫には他にも四天王立像などが安置されていました。
いずれも平安期から鎌倉期にかけて造像された、貴重な尊像ばかりです。

変換~P1010655

片隅には、摩耗が進んで尊名がわからない像などもあり、御仏たちが過ごした長い時の重みをしみじみと感じました。
これらの尊像が大伽藍の堂宇のひとつひとつに並んでいた様はさぞかし壮麗だったことでしょう。

お寺の方には色々と親切にしていただき、とても良い参拝となりました。
素晴らしき仏縁に心から感謝申し上げます。

2014.9.24
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*Comment

NoTitle 

出雲地方のお寺というと、僕は鰐淵寺を思い起こしがちですが、大寺薬師の仏様は写真を拝見すると、薬師三尊像も広目天像も持国天像も、本当に力強さを感じますね。
お薬師様は、しっかり前を見据え続けているという感じもありますね。

1月に訪ねた京都国立博物館の鰐淵寺の仏像の展示では、破損仏が仏様として大切に受け継がれてきたことも印象に残りましたが、大寺薬師でも同じようにすり減った仏様が長年受け継がれてきたんですね。
  • posted by 大ドラ 
  • URL 
  • 2015.03/09 21:47分 
  • [Edit]

Re: NoTitle 

実は鰐淵寺は未拝なんです。
京都の特別展も行きたかったのですが、時間と予算に折り合いがつきませんでした…(泣)
古の時代、出雲地方は大陸からの文化が真っ先に入る地だったので、最先端の文化が花開いていたのではないかと思います。
破損仏を拝していると、時間の重み、信仰の重みを強く感じますよね。
  • posted by ちー 
  • URL 
  • 2015.03/10 00:05分 
  • [Edit]

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