仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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西福寺(青森)・二体の円空仏

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袋宮寺を参拝した後は、同じ新寺町にある西福寺へ。

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西福寺には江戸時代の僧・円空が彫った仏像が伝えられているため、事前にお願いをして拝観させていただきました。

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向かって左が地蔵菩薩立像、右が十一面観音立像。
寛文7年(1667年)に円空が弘前を訪れた際に造像したと推定されています。
像高はおおよそ150~160cmくらいでしょうか。
青森県内に円空仏は17体現存していますが、2体を安置するのは恐山菩提寺とこちらのお寺だけなのだそうです。

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お地蔵様の方は、2016年に東京国立博物館で開催された「みちのくの仏像」展にお出ましになっていました。
なで肩の体躯に対し、衣文は直線的に、平行に彫られており、面白い視覚効果を生み出しています。

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こちらが十一面観音様。
肩やお腹は丸みをおびており、衣文も曲線的です。
菩薩様たちはそれぞれに個性的でありながら、どちらも円空仏らしい親しみやすさに溢れおり、その可愛らしいお姿を拝していると思わず顔がほころびました。

2016.10.9
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袋宮寺(青森)・津軽最大の近世彫刻

東北旅行の二日目は鳥海山に登る予定でしたが、あいにくの雨天となったため、急きょ青森県のお寺巡りをすることにしました。
まず最初に向かったのは、青森県で三番目の人口を有する弘前市です。

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弘前は江戸期に弘前藩の城下町として発展した街で、お城から少し離れた場所に形成された寺町には、現在も数多くの寺院が建ち並んでいます。

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その新寺町の一画にあるのが、こちらの袋宮寺。

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早朝ということもあり、境内はひっそりと静まり返っていました。
木々の葉が影を落とす石畳の道の奥に、小さなお堂が見えます。
どきどきしながら中に入ると…

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こじんまりしたお堂の外観からは想像もできないほど、大きな大きな観音様がそこにいらっしゃったのでした。
なんと像高は595cm、青森県で最大の木彫仏なのだそうです。
体躯の上部と下部を接合し、背面と左右の腕などを矧はぎ付けて造られています。
延宝5年(1677年)に、弘前藩主・津軽信政の命によって造像されました。

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この観音様はその堂々としたお姿から、地元の方たちに「背高観音」と呼ばれて親しまれているそうです。

2016.10.9

全良寺(秋田)・銅の阿弥陀如来

東北旅行一日目の最後は、秋田市の全良寺へ。

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全良寺は秋田藩の家老・渋江氏の氏寺として栄えた臨済宗の古刹です。
こちらのお寺には珍しい銅製の阿弥陀如来像が伝えられているため、事前にお願いをして拝観させていただきました。

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(『みちのくの仏像』より)

像高132cm、鎌倉期の作。
特に印象的なのは、下品下生の印を結んでいらっしゃるということ。
記憶にある限りでは、銅製でこの印を結ぶ阿弥陀如来像を他に拝したことがありません。
この尊像は木型原形をもとに全体を5個に分けて鋳造し、木彫の寄木造に近い工法で造られているそうです。
きめ細やかな螺髪に、流麗な衣文。
とても金属で造られているとは思えない繊細さです。
おそらく京都や奈良、鎌倉など、中央に近い場所で造られ、この地まで運んでこられたのでしょう。
2017年現在、秋田県の彫刻で唯一、国の重要文化財に指定されています。

お寺の方には色々と親切にしていただき、素晴らしい参拝となりました。
改めて心より御礼申し上げます。

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2016.10.8
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歓喜寺(秋田)・平安期の聖観音

道川神社を参拝した後は、同じ秋田市内にある歓喜寺へ。

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歓喜寺の創建は室町期まで遡り、1541年に八柳城主・八柳次郎長門守が、日吉八幡神社の鎮護寺のひとつを曹洞宗に改宗したのが始まりとされています。

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本堂には煌びやかな三十三観音がずらりと並び、その中央に可憐な聖観音様がいらっしゃいました。

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平安期の作で、像高はおおよそ30cmほど。
お寺の創建よりも造像が古いのは、奈良・興福寺から招来されたためと伝えられているそうです。
小さな像ながらも、わずかに腰をひねる姿は均整がとれており、秋田県の文化財に指定されています。

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本堂の隅には閻魔大王と奪衣婆の像も安置されていました。
なんとなくユーモラスで可愛らしいですよね。

2016.10.8

道川神社(秋田)・神仏習合の仏

去年の秋、秋田県と青森県の寺社仏閣巡りをしてきました。
しばらくの間、その時の旅行記を書こうと思います。

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秋田駅からレンタカーで約20分、市街地を抜け、長閑な田園地帯を通っていくと、やがて「大滝山温泉神の湯」という温泉に辿り着きました。

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実は事前に調べた段階では、道川神社はこの付近にあるらしいというところまでしかわからなかったため、早めに行って探すことに決めていたのです。
車を停めて周辺を歩いていると、赤い鳥居が建っているのを見つけました。
どうやら道川神社はこの先にあるようです。

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鳥居をくぐって進むと、長い石段が続いており、その奥に社殿が建っていました。
拝観予約時間よりだいぶ早かったものの、既に道川神社の方が待っていてくださり、収蔵庫の中へ入れていただけることに。

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こちらは愛染明王坐像。
道川神社は明治期の廃仏毀釈までは愛染神社と呼ばれ、愛染明王を祀る神仏習合の神社であったようです。
像高はおそらく1m前後でしょうか。
後世の修復があるものの、鎌倉期の作と推定されています。
これだけ大きくて古い時代の愛染明王像を拝することは滅多にありません。
愛染神社は江戸期には久保田藩主・佐竹氏の篤い信仰を受けていたといいますから、とても立派な神社だったのでしょう。

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伝・金剛夜叉明王坐像です。
大きさはおそらく1m前後で、愛染明王と共に愛染神社の本尊として崇められていました。

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収蔵庫内には他にも毘沙門天立像と不動明王立像が安置されていますが、こちらは本尊よりも古い、平安時代の作と推定されています。

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拝観を終えて境内を歩いていると、小さな祠が建っているのに気づきました。
中を覗いてみると…

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白い狐に乗っているため、荼枳尼天でしょうか。
もともと造像例が少ないうえ、石仏では見かけたことがないため、思いがけない出会いにとても驚きました。

2016.10.8
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