仏像ファン的古寺巡礼

仏像への愛を書き綴った、仏像ブログです。

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蓮厳院(佐賀)・三体の如来像

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鹿島市にある蓮厳院は、奈良時代の創建と伝わる真言宗の古刹です。
こちらのお寺に三体の如来像が安置されているため、事前にお願いをして拝観させていただきました。

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中央と、向かって左側の尊像が阿弥陀如来坐像で、一番右は薬師如来坐像。
同じ尊名の像が二体あること、いずれも非常に立派な像容であることから、おそらくかつては、それぞれ別のお堂の本尊だったと思われます。
仏様たちは桧の寄木造で、平安後期の作。体部には内刳りが施されています。

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中央の阿弥陀様は、像高140.3cm。
上品下生の来迎印を結び、力強い、キリリとした眼差しです。

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そしてこちらはもう一体の阿弥陀様。
像高85.1 ㎝で、上品上生の定印を結んでおられます。
中尊と比べると、ややほっそりとしていて、柔和な雰囲気を漂わせていました。

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向かって右隣りの薬師様は、像高84.8 ㎝。
興味深いのは、中央の阿弥陀如来像と同じく、お腹のところで腹帯のような紐が結ばれており、衣のかかり方もよく似ている点です。
同じ流れを組む仏師の作なのか、もしくは、どちらかの像を参考にして造られたのかもしれません。

2017.2.4

「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」展に行ってきました。

東京国立博物館で開催されている「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」展に行ってきました。

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一番のお目当ては何と言っても、仁和寺の国宝・薬師如来坐像。
かねてからずっと憧れていましたが、厳重な秘仏のため、拝観を半ば諦めていたのです。

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薬師如来坐像(仁和寺) (⇒特別展HPより)

会場へ入ってすぐのところに、憧れの薬師様はいらっしゃいました。
円派(平安時代中期から鎌倉時代にかけて活躍した京都の仏師集団)の円勢・長円によって彫られた、檀像の傑作です。
康和5年(1103)の作で、像高はわずか十数センチ。
本来、白檀や栴檀などの香木から造られる檀像は、材料となる木が非常に高価なため、他の木で代用することが多いのですが、この尊像は実際に白檀材を使って彫られています。
緻密に彫りこまれた尊像の木肌には、美しい截金細工が施され、当時最高峰の技巧と贅がふんだんに尽くされています。

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阿弥陀如来坐像(仁和寺) (⇒特別展HPより)

こちらは国宝・阿弥陀如来坐像。
平安前期を代表する阿弥陀如来像として知られ、過去に何度かお寺の特別公開の時に拝観したことがあります。
仁和4年(888)の作で、定印を結ぶ阿弥陀如来像としては、最古の像なのだそうです。

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千手観音菩薩坐像(葛井寺) (⇒特別展HPより)

そして特別展の中で一番人が多く集まっていたのは、葛井寺の千手観音菩薩坐像でした。
千手観音の脇手は省略されて造られることがほとんどですが、こちらの観音様には実際に千本の腕があります。
脇手は体から放射線状に伸び、まるで光背のようです。
普段は厨子に入っていますが、こちらの特別展では360度どちらの方向からも拝観することができます。

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千手観音菩薩坐像(雲辺寺) (⇒特別展HPより)

こちらは雲辺寺の千手観音菩薩坐像。
ふっくらした丸いお顔に、穏やかな表情をなさっている、藤原仏らしい優美な仏様です。

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如意輪観音菩薩坐像(神呪寺) (⇒特別展HPより)

兵庫県の古刹・神呪寺の如意輪観音菩薩坐像は、年に一日だけ御開帳があるのですが、なかなか都合がつかなかったため、今回の特別展でお会いできて感激しました。
思索的な表情と、ぐいと体を捻った独特の姿勢で、密教仏らしい神秘的な雰囲気を漂わせています。

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ユニークなのは、特別展の中に撮影可能なコーナーがあったこと。
こちらは仁和寺の観音堂の内部を再現しており、壁画等は複製ですが、仏像は実際のお堂に安置されているものです。
仏像は近世の作のようですが、特別展で実物を撮影できる機会は滅多にありません。
仁和寺展は2018年3月11日まで。
会期は残りわずかですので、興味のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。

2018.2.23
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常福寺(佐賀)・藤原期の薬師如来

三岳寺を参拝した後は、同じく小城市にある常福寺へ。

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急こう配の細い坂道を上っていくと、瓦屋根のお堂が見えてきました。

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藤原期の薬師如来坐像は、現在こちらの収蔵庫に安置されています。
事前にお願いをして拝観させていただきました。

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像高は82.7cm。
頭と体幹部は桧の一材から彫られていますが、腕は寄木で、体部には内刳りが施されています。

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螺髪はきめ細かく彫りこまれ、お顔立ちも整っており、非常に洗練された作風です。
おそらくかつては全身が金色に輝いていたのでしょうが、今は木肌が露わになり、美しい木目がきっちりと合っているのがよくわかります。
いかにも藤原仏らしい、上品な雰囲気を漂わせた薬師様です。

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拝観を終えてお礼を申し上げると、お土産をいただけることに。

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なんとお寺の名前入りお菓子でした。
お寺の方にはとても親切にしていただき、素晴らしい参拝となりました。
改めて心より御礼申し上げます。

2017.2.4

三岳寺(佐賀)・三体の鎌倉仏

唐津市からレンタカーで40分ほど南下し、小城市の三岳寺へ。

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鎌倉期に大智和尚が創建したと伝わる古刹で、かつては三津寺と称していましたが、戦国大名・鍋島氏によって医王山三岳寺と改名され、現在に至っています。

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こちらのお寺には鎌倉後期の仏像が伝えられているため、事前にお願いをして拝観させていただきました。

IMGP6577.jpg 薬師如来坐像

IMGP6619.jpg 大日如来坐像

IMGP6647.jpg 十一面観音坐像

三体ともに楠の寄木造で、目には玉眼がはめ込まれています。
いずれの仏様も、かつては全身が金色に輝いていたことでしょう。
三尊は構造や彫口がよく似ていることから、同じ仏師によって造像されたと考えられているようです。

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特に印象的だったのは、大日如来坐像に彫り込まれた、独特な衣文の表現でした。
衣の端が盛り上がり、うねうねと複雑な波模様を描いています。
記憶にある限りでは、このような衣文をこれまでに見たことがありません。
この近辺で活躍した仏師の作なのでしょうか。
だとしたら、これほど大きくて優れた像容の仏像を三体も造った力量は相当なものです。
あれこれ想像してみると興味は尽きませんでした。

2017.2.4
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立石観音(佐賀)・藤原期の磨崖仏

鵜殿石仏を拝観した後は、同じ唐津市にある立石観音へ向かいました。
ところがカーナビが指し示す近くまでは辿り着いたものの、どうしても場所がわかりません。

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何度も車で行ったり来たりを繰り返し、やっとのことで入口を見つけて一安心。
そこからは歩いて石仏まで向かいました。

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竹林に囲まれた細い道を抜けると、少し場所が開け、そこに磨崖仏が彫られていました。

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写真の手前から薬師如来、阿弥陀如来、観世音菩薩。
いずれも藤原期頃の作と考えられており、この前に拝観した鵜殿石仏群よりも時代はずっと遡ります。
比較的良い状態で残されているのは、少し窪んだ岸壁に彫られているため、風雨を避けやすかったのかもしれません。

IMGP6524.jpg 薬師如来

IMGP6519.jpg 阿弥陀如来

IMGP6502.jpg 観世音菩薩

看板の説明によると、阿弥陀如来像と観世音菩薩像は同時期の作、薬師如来像はそれより少し後の時代の作と考えられているそうです。

2017.2.3

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