長勝寺(茨城)・鎌倉期の阿弥陀三尊

IMGP2505.jpg

二本松寺を参拝した後は、同じ潮来市にある長勝寺へ。
紫陽花の時期に御本尊の御開帳があることを知り、またとない機会なので参拝してきました。

IMGP2512.jpg

長勝寺は1185年に創建されたと伝わる臨済宗の古刹で、江戸時代に水戸徳川家によって再興され、繁栄を極めました。

IMGP2538.jpg

本堂は茅葺屋根の重厚な建物で、茨城県の文化財にも指定されています。

IMGP2550.jpg

中央の厨子には阿弥陀三尊、その両脇に毘沙門天立像と大迦葉立像が安置されていました。
堂内は薄暗く、尊像まで距離があったため、詳細はわかりませんでしたが、中尊は上品上生の印を結んでおられるようです。
中尊の像高は89.4cm、観音菩薩が107.5cm、勢至菩薩が106.3cm、いずれも鎌倉前期の作で檜の寄木造です。
向かって左側に安置されている大迦葉立像は、ほぼ等身大で室町期の作。
本尊と比べるとかなり大きいため、もともとは別のお堂に安置されていたのかもしれません。
関東でこれほどの大きさの十大弟子像は珍しいのではないでしょうか。

IMGP2531.jpg

2016.6.26

テーマ : 神社・仏閣巡り - ジャンル : 旅行

「平成29年 新指定 国宝・重要文化財」展に行ってきました。

DSC_0024.jpg

東京国立博物館で開催されていた「平成29年 新指定 国宝・重要文化財」展に行ってきました。
通常は拝観できない秘仏なども公開されるため、毎年楽しみにしている企画展です。
今回は大阪・金剛寺の三尊と東京・深大寺の銅造釈迦如来倚像が国宝指定されたことで話題となりました。

history_08_01.jpg 
釈迦如来倚像 東京・深大寺蔵(⇒深大寺HPより)

金剛寺の三尊はさすがに大きすぎるためか展示されていませんでしたが、深大寺のお釈迦様は彫刻コーナーの入り口正面にいらっしゃいました。名実ともに関東を代表する仏様です。
過去に何度もお寺や特別展で拝観しましたが、その親しみやすく、朗らかなお顔に癒されます。

12456.jpg
千手観音坐像 宮城・お薬師様文化財保存会蔵(⇒宮城県HPより)

個人的に一番印象深かったのは、お薬師様文化財保存会蔵の千手観音坐像です。
珍しいのは化仏が髪の毛にめり込みように据えられており、頂上仏に光背(?)があるということ。
記憶にある限り、このような像容の仏像を拝するのは初めてです。
それから仏像を保存している「お薬師様文化財保存会」という名称も何だか気になります。
地元の方たちが共同で守っていらっしゃるのでしょうか。
ネットで調べてもあまり情報が出てこなかったのですが、もし現地で拝観が可能なら、ぜひお参りしたいです。

10amidanyorai_B.jpg

10seisibosatu_B.jpg 10kannonbosatu_B.jpg
阿弥陀如来及両脇侍像 京都・廬山寺 (⇒廬山寺HPより)

そして京都・廬山寺の阿弥陀三尊も見事でした。
脇侍の観音・勢至菩薩の衣が風をうけてたなびいているように表現されており、まさに来迎の瞬間を目の当たりにしているようなスピード感があります。

DSC_0023.jpg

併せて、平成館で開催されている「茶の湯」展にも行ってきました。
目玉は何といっても静嘉堂文庫美術館蔵の国宝・稲葉天目ですが、そのほかにも名だたる武将たちが愛でた茶器などが沢山紹介されています。
こちらは6月4日まで開催されていますので、興味がおありでしたら是非足を運んでみてください。

2017.4.23

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」展に行ってきました。

IMGP7553.jpg

奈良国立博物館で開催中の「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」展に行ってきました。

img_displayitem01-02.jpg
京都・醍醐寺 弥勒菩薩坐像 (⇒特別展HPより)

会場に入り、まずいらっしゃったのは醍醐寺・弥勒菩薩坐像です。
像高111.0cm、建久3年(1192)の作。
快慶初期の傑作で、金泥塗りが用いられた最も古い仏像のひとつだそうです。
お寺だと尊像まで少し距離があるため、今回間近に拝観して、その細部の美しさに驚きました。

img_displayitem02-01.jpg
奈良・東大寺 僧形八幡神坐像 (⇒特別展HPより)

こちらは国宝・僧形八幡神坐像。
像高85.7cm、建仁元年(1201)の作。
通常は10月5日の転害会の時にのみ特別公開されるという秘仏であるため、鮮やかな彩色がよく残っています。

img_displayitem04-01.jpg
京都・遣迎院 阿弥陀如来立像 (⇒特別展HPより)

今回の特別展で印象的だったのは、京都・遣迎院の阿弥陀如来立像です。
像高98.9cm、建久5年(1194)頃の作。
いわゆる安阿弥様の三尺阿弥陀で、特に目を奪われたのは切金の美しさでした。
上半身の衣には信じられないほど繊細な花模様の切金が施されており、その煌びやかな様子が、尊像の崇高さをより一層高めています。
これほどまでに美しい切金を見るのは初めてかもしれません。
中指と親指で印を結んでいらっしゃるのも、他の三尺阿弥陀と比べて珍しい点です。

img_displayitem03-01.jpg
広島・耕三寺 阿弥陀如来坐像 (⇒特別展HPより)

実際にお寺で拝観した仏像も多く、境内の様子や、お寺の方との会話が思い出されました。
秋に開催が予定されている、東京国立博物館の運慶展も非常に楽しみです。

2017.4.29

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

「木×仏像(きとぶつぞう) 飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年」展に行ってきました

IMGP7463.jpg

ゴールデンウィーク前半に、大阪市立美術館で開催されている「木×仏像(きとぶつぞう) 飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年」展に行ってきました。
その名の通り、木彫仏の変遷に焦点をあてた特別展で、仏教が伝来した飛鳥時代から江戸時代まで、多種多様な仏像が紹介されています。

72d7c10d3075bdb6876522efd850000b-213x350.jpg 
菩薩立像 飛鳥時代(7世紀) 東京国立博物館 (⇒大阪市立美術館HPより)

こちらは飛鳥時代(7世紀)の希少な木彫仏で、クスノキ材の一木造。
恥ずかしながら初めて知ったのですが、現存作例と文献資料による限り、飛鳥時代の木彫仏はすべてクスノキで造られていることが判明しているそうです。
確かに有名な百済観音もクスノキの一木から彫られていることを思い出しました。
クスノキは硬材であるため、当時の日本では手に入りにくかった南方産の硬い檀木の代用品として用いられたと考えられているようです。

24e5d688f2a62ad83a0010ce46cedd44-153x350.jpg
薬師如来立像 奈良時代(8世紀) 唐招提寺 (⇒大阪市立美術館HPより)

やはり開催場所が大阪市ということもあり、主に関西地方の優れた木彫仏が多数展示されていました。

0ec62aaea5361676d4adfd575f74ce13-150x350.jpg
宝誌和尚立像 平安時代(11世紀) 西往寺 (⇒大阪市立美術館HPより)

中でも一番インパクトがあるのは、何と言っても西往寺の宝誌和尚立像でしょう。
なんと顔の中から顔が現れるという、仏像史上、最もアバンギャルドな造形として知られる像で、まず圧倒されるのはそのお顔ですが、立襟の衣、複雑な流れを描く衣文など、他にはない、非常に個性的な像容です。
宝誌和尚は中国の伝説的な僧で、日本では『宇治拾遺物語』などで十一面観音の化身として紹介され、崇敬を受けました。
割れた顔の中から現れている顔には化仏が彫られていることから、十一面観音であることがわかります。
特に後ろ側はほとんど彫りが施されておらず、まるで一本の丸太そのものから尊像が徐々に姿を現している、その瞬間を目の当たりにしているかのような印象を受けました。

DSC_0109 (1)

面白いのが美術館の一画にあった木材の紹介コーナーです。

DSC_0108.jpg

ヒノキ、クスノキなど、仏像に使われる木のサンプルが置かれ、実際に手にとり、その触感や香りを確かめることができます。
特別展は6月4日(日)まで。
興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

2017.4.29

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

二本松寺(茨城)・南北朝期の薬師三尊

変換~IMGP2458

西蓮寺参拝の後は、霞ヶ浦のほとりに位置する、潮来市の二本松寺へ。

変換~IMGP2479

二本松寺は平安時代に慈覚大師が創建したと伝わる古刹で、最盛期には末寺25ヶ寺を統轄する大寺でした。
今回この二本松寺の御本尊が特別開帳されると聞き、期待に胸を膨らませて茨城までやってきたのです。
境内にはテントが張られ、地元の名産品や食べ物が売られており、沢山の参拝客で活気づいていました。

3-146.jpg (⇒茨城県文化財HPより)

本堂の中央に置かれた厨子のなかには、金色に輝く薬師三尊が安置されていました。
中尊は像高66.1cmで寄木造。
脇侍と共に、鎌倉時代から南北朝時代の作と推定されています。
三尊の脇には十二神将が安置されており、比較的新しい造像と思われますが、ずらりと並ぶ様は迫力がありました。
特に印象的だったのは、本堂の脇に安置されていた角大師の木彫仏です。
像高は30~40cmくらいでしょうか。
おそらく近世以降の作と思われますが、角大師の木彫を拝したのは初めてだったため、非常に驚きました。

変換~IMGP2488

境内には大きな椎の木が生えていました。
なんと樹齢600年で、樹高は15mもあるそうです。

2016.6.26

テーマ : 神社・仏閣巡り - ジャンル : 旅行